- 【2次】漫画SS総合スレへようこそpart72【創作】
149 :大長編イカ娘 栄子と山の侵略者[sage]:2012/09/16(日) 10:06:44.70 ID:xyiiKShyP - >>143
乙乙
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150 :大長編イカ娘 栄子と山の侵略者[sage]:2012/09/16(日) 10:07:33.30 ID:xyiiKShyP - 「大変……でゲソ! 狼娘が溺れてしまった……でゲソ!」
イカ娘の声が河原に響いた。 「た、大変だ!」 「くっ、悟郎呼んでくる」 悟郎を探してその場を離れようとした栄子の目に、必死で水を掻き分けるイカ娘の姿が映った。 「ああ、もう」 このときの栄子の判断は―― 「なんでお前がッ」 正しかったとはいえない。 「溺れてるんだよ!」 結果論で語れば、完全に間違っていたと言える。 栄子は知らないことだが(とはいえ、予想はできたはずだが)、 磯崎はこのとき、悟郎と一緒にいた。 だから助ける対象が『二人』であっても、 ライフセーバーの二人は、的確に対処できたはずである。 そうでなくても、助けるべきものが増えたにも関わらず 自分で助けに向かった栄子は間違っている。 とはいえ、目の前で苦しんでいるイカ娘の姿は、栄子の判断を曇らせた。
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151 :大長編イカ娘 栄子と山の侵略者[sage]:2012/09/16(日) 10:08:19.24 ID:xyiiKShyP - 「ほれ、触手使え、触手!」
栄子も泳ぎは達者だ。イカ娘が小柄なのも手伝って、 意外とあっさり、深みから体をひっぱりあげることができた。 「ほ、本当だワン、触手を使えば、泳げるだワン」 『イカ娘』が言った。 「……だワン?」 短い沈黙があって、『イカ娘』が口を開いた。 「そうだワン、わたしは狼娘だワン。 お前たちの敵、樹海からの侵略者だワン」 イカ娘=狼娘は、栄子の瞳を見据えて笑った。 「だからこんな裏切りも、たいしたことじゃあないのだワン」 ひゅっという音がして、栄子の意識が暗くなった。 「姉貴……!」 「とはいえ、利用させてもらった礼だワン。 お前たちの命は助けてやるだワン」 相沢千鶴=狼娘が、低い声で言った。
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152 :大長編イカ娘 栄子と山の侵略者[sage]:2012/09/16(日) 10:09:11.88 ID:xyiiKShyP - 「冗談じゃない。こんなところにいられるか!」
大きな声がテント内に響いて、イカ娘は目を覚ました。 「あの千鶴さんが操られちまったんだぞ! 千鶴さんだぞ! 化け物的な逸話の数々、五本の指じゃ足りねえぞ!」 「千鶴さんを化け物とか言うな」 悟郎が言った。 「いやいや、現実見ようぜ」 「現実……そうだな、千鶴さんの力は人間離れしたものがある。 だがだからなんだ? 放っておいて帰るのが現実なのか? 俺たちは人を助けるのが仕事じゃないのか」 「しょい込みすぎなんだよ、お前は!」 「お前が軽すぎだ」 「じゃあいいぜ、お前は帰らないってんだな。 俺は帰る、怖いからな。 一緒に来るやつはいるか?」 沈黙。 「じゃあいい、一人で行く!」
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153 :大長編イカ娘 栄子と山の侵略者[sage]:2012/09/16(日) 10:10:22.57 ID:xyiiKShyP - 「あーあ、護送車は使えそうだったのに」
シンディがぽつりと言った。 「さっきから何の話でゲソ?」 「千鶴さんが狼さんに操られてしまったんです」 鮎美が説明した。 「話をまとめると、イカさんを操ってみんなの気を引いて、 助けに来た千鶴さんの隙をついたということのようです。 イカさんが(触手なしで)泳げないということを狼さんが知らなかったので、 状況がますます混乱して……」 鮎美は人外相手だとよくしゃべる。 「っていうか、『ゲソ』って語尾だからイカちゃんはイカちゃんね! よかった〜」 「わたしも操られたのでゲソか……」 「わたしたちは見逃されたんだ。イカ娘」 栄子が言った。 「頼みがある」 つづく
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154 :大長編イカ娘 栄子と山の侵略者[sage]:2012/09/16(日) 10:13:54.87 ID:xyiiKShyP - 続きます。
磯崎が盛大に死亡フラグおっ立てて行きましたがどうなるかは未定です。
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