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宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど

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宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
445 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 09:58:35.13 ID:lIBTn0in0
意外なところで反響が…!水中戦ですか!
ジェリドの乗ってた機体がジャブロー降下してましたし、準備さえしておけば水中でも戦えるかなぁと(水深はさておき、アマゾンに行くのに水中戦を全く想定してないとは考え辛い)。

ティターンズ側の水中戦力ですが、連邦ってあまり頓着がないイメージですw
多分鹵獲機使い回すだろうなーと。
確かにワーウィック大尉は何かしらのリアクションさせた方が良かったですね…まとめ直す時にでも加筆すると思います!
宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
446 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:02:54.74 ID:lIBTn0in0
文字数の話ですが、何かでみた持ち込み原稿の最低文字数が12万文字だったんですよね。
多分このペースだと15万文字くらいはいく気がしてます。
長過ぎるのも良くないので、いい塩梅で締めれたらと思ってます!
宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
447 :◆tyrQWQQxgU []:2019/09/28(土) 10:06:41.43 ID:lIBTn0in0
 ワン中尉は慌ただしい出港準備を終え、メアリーと共に居住区で待機していた。
 補給・改修を終えたガルダ級朱雀は、受領したMSや補給物資を載せて出港した。前線で戦う別部隊の補給を行いつつ戦線を押し上げるのが朱雀とその所属部隊の任務だ。今回は正面からのぶつかり合いになる。これまでで最も苛烈な戦いとなるだろう。

「やること何か無いかしらね」
 メアリーが暇そうに言う。スギ艦長がいなくなってから、彼女はよく働く様になった。
 掃除や洗い物、ちょっとした頼まれ事など、子供ながらもクルーの1人として一生懸命動いている。
「もう出港したし、あらかたやる事済んじゃったもんね」
 そういいながらワン中尉はメアリーの座るソファに腰掛けた。
宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
448 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:07:10.70 ID:lIBTn0in0
「…ところでさ」
 何やらニヤニヤしながらワン中尉の顔を覗き込むメアリー。
「どうかした?」
「メイってさあ…ベイトとスティレットのどっちが好きなの?」
 ワン中尉は思わず赤面した。そんな風に見られていた恥ずかしさと、聞かれてあながち間違っていないと感じた2択に自分の心が少し揺れるのを感じたからだ。
「何よそれ!」
「そのまんまよ。焦っちゃって!かわいいんだから」
「大人をからかうもんじゃないわよ」
 ワン中尉はついついはぐらかす。どっちが子供なんだかと我ながらおかしかった。
「ベイトもああ見えてしっかり者だし、スティレットは優しいしイケメンよねー」
「そんな事より仕事よ仕事!」
 ワン中尉は思わず席を立った。
「あらかた終わったって今言ったじゃない」
「む…」
「で、どっちが良いのよ」
 相変わらずメアリーはニヤついている。何だかアトリエ中尉に似てきた気がする…。
「私は…」
 そこまで言ったものの、やはり言葉は出てこなかった。それがまたこ恥ずかしくなって、ワン中尉は耳が熱くなった。再びソファへ乱暴に腰を落とす。
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449 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:07:55.88 ID:lIBTn0in0
「まあ良いけどさー」
 そういいながらメアリーは足をバタつかせた。
「…おじいちゃん居なくなって、あんな事すればよかったとか、あんな事言えばよかったとか、いっぱい出てきた」
 ソファの上で体操座りしながら、メアリーがスギ艦長の話を始める。
「あたし途中から乗せてもらったからそんなに沢山遊んでもらった訳じゃないけど、もっと助けてあげたら良かったなって。
 今からじゃ遅いけどここは今だっておじいちゃんの艦だから、あたしもできる事から始めたの」
「とても偉いわ。ほんとに」
 メアリーが頑張っているのはワン中尉以外のクルーもよく知るところだ。
「だからね、メイも今できることをすべきよ」
「言うとおりね」
「正直に、ちゃんと伝えなきゃ」
「…誰に?」
「あたしは知らないわ。教えてくれないんだもん」
 そういってメアリーは笑った。ワン中尉も釣られて笑う。
「そうね、進展あったらメアリーに最初に言うわ」
「約束よ?」
「もちろん」
 その後も2人で取り留めもない話を続けた。小さい頃の話、好きなモノや好きなこと…。メアリーは色んなことを話してくれた。
 ワン中尉を育ててくれた姉も、きっとこんな風に話を聴いていたのだろう。そう思うと懐かしい心地がした。
宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
450 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:09:07.25 ID:lIBTn0in0
 程なくして、艦内に放送が響いた。
『総員、第2戦闘配備。程なく敵基地空域に入る。それぞれの持ち場で待機せよ』
「行ってくるんでしょ?気をつけてね」
 メアリーが小さく手を振る。ワン中尉もウィンクで返した。
「またいっぱい話しましょうね。ブリッジに居るから、何かあればいつでも呼ぶのよ」
「わかった。多分呼ぶと思うわ」
 メアリーは何か感じているようで、少し大人しくなった。ニュータイプは第六感を働かせるというが、メアリーにもそれがある様だった。
「私にはメアリーみたいな感は働かないから、頼りにしてるわ」
「どうぞ頼って」
 そういってメアリーは笑った。この笑顔の為にも戦おう。ワン中尉の頭をまた姉の姿がよぎったが、振り払おうとは自然と思わなかった。

50話 姉の姿
宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
451 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:16:19.60 ID:lIBTn0in0
 戦闘配備の指示を受けて、私達パイロットはコックピット内で待機していた。今回は敵の迎撃を抑えるのは別の隊の仕事だ。
 我々は直接基地を叩ける距離まで待機し、基地近くで降下してから接近、破壊活動を行う。
 既に敵の防衛線に入り込み、カラバ・エゥーゴの各部隊が交戦状態に入った。朱雀も拠点として前線にいた。
『今まで暴れてただけに、待たされるとソワソワするな』
 サドウスキー大尉がモニター越しに笑っている。
『あんまり突出しないでくださいね隊長ー』
 アトリエ中尉が茶化す。艦長代理に就任したバッカス少佐に代わり、MS隊の隊長にはサドウスキー大尉が任命されたのだった。
『お前らちゃんと俺に付いてこいよ!少尉、機体の調子はどうか?』
 シェクター少尉のメタス改はMA形態で準備している。
『万全です。実戦に出さないとどんなものかわからない部分もありますが、上手くやりますよ』
『それでいい。お前ならやれるさ』
「大尉の方も調子は良さそうだな」
『完璧だよ。後はぶっ放すだけさ』
 全員コンディションは良好とみえる。
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452 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:16:57.16 ID:lIBTn0in0
 程なくしてバッカス少佐から通信が入る。
『そろそろだね。私が居なくても連携して動け。ここのところ個人プレーで回してる部分もあったが、今回は違う』
『ママが居ないと寂しいです!』
 中尉が相変わらずの調子で冗談を飛ばす。
『パパがいるだろうが』
 サドウスキー大尉まで乗っかる。思わずバッカス少佐も笑った。
『…一人も欠けずに全員で帰ってこい』
『『了解!』』

 前回のダメージもあってか、ティターンズの防衛線は完璧とは言い難い布陣に見えた。所々綻びが出来ており、先行した部隊が上手くやってくれている様だ。
 勝ちの勢いに乗ったカラバ・エゥーゴは士気も高く、基地に取り付くのは時間の問題だった。
 後部ハッチからの出撃。戦火飛び交う前線真っ只中だが、前線の部隊はよく敵を抑えていた。
 サドウスキー大尉のリックディアスを筆頭に、私のマラサイと中尉のガンダム、少尉のメタス改が続く。
『ガンダムとメタスで敵を引きつけろ!少尉がまずランチャーで血路を拓け。俺と大尉は先行して基地を目指すぞ』
『わかりました!…撃ちます。』
宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
453 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:18:26.49 ID:lIBTn0in0
 シェクター少尉のメタス改がハイメガキャノンで正面の敵を薙ぎ払う。数機まとめて撃破し、散った敵の合間をガンダムが縫う様に飛ぶ。
『ガンダム様のお通りだぜ!付いてこいよ雑魚共!』
 中尉が1機、また1機とライフルで撃ち抜きながら敵の注意を引く。敵にも情報が渡っているのだろう。先程までと動きが変わり、散っていた敵が隊列を整え中尉を追い始めた。
 サドウスキー大尉が支援砲火しつつ私はその側を固めた。戦況を見定めながら引き続き大尉が指揮を取る。
『よし、俺達は先に行くぞ。中尉達も適当なところでこっちに合流しろ!いけるか大尉』
「いつでも。二人も無茶をするなよ?」
『そっちこそ頼むぜお二人さん!』
 中尉のガンダムは我々の背後を護る様にライフルを構え直した。少尉のメタス改も敵を撒きながらそれを援護する。
宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
454 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:18:52.18 ID:lIBTn0in0
 私とサドウスキー大尉は前線の穴を抜け、目前に広がる敵拠点を捉えていた。高低差のある複雑な地形にかなりの数のトーチカや各種設備など、ティターンズがこれまでこの地を重要視してきたことが垣間見える。
 とはいえMSで接近するのはそれ程難しくなかった。殺気や覇気といったものが感じられない、ある種不穏な空気があるだけだ。
「抵抗が弱過ぎる気がする…」
 基地へ迫りながらサドウスキー大尉に疑問を投げた。いくら敵も連戦で疲弊しているとはいえ、近づくのが簡単過ぎる。
『…ジャブローのことでも思い出したか?流石にここで核みたいな大量破壊兵器を使うメリットは小さいと思うぞ』
「確かにな。だが、容易く上陸を許すからには何かある筈だ」
『それを確かめるのも俺達の仕事さ。何かあるとしても俺達が未然に防げれば本隊に影響を出さずに済む』
「…大尉の言うとおりだ。とにかく今は中尉達のお迎えの準備だな」
『そういうことだぜ』
宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
455 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:19:53.80 ID:lIBTn0in0
 流石に敵もそのまま上陸させる気は無い様で、防衛するMS達が視認出来た。ガンタンク2が複数、それに樹林の陰に潜むスナイパータイプのハイザック…。
 この分だといくらか掃除が必要そうだ。
「確認出来たか?」
『ああ。炙り出す!』
 リックディアスのキャノンが樹林に放たれた。転がるようにハイザックが出てくる。それを支援する様にガンタンクからの集中砲火が始まる。
『旧式共が張り切ってんなあ!』
 砲弾の雨をかいくぐりながら撃ち返すサドウスキー大尉。しかしまだこちらの射程距離とはいえず、若干精度に欠く。
 私も両肩のシールドで砲撃をいなしながらも、まだ攻めあぐねていた。
「近接格闘仕様だとこういう時辛いな」
『それでも距離を詰めちまうんだろう?』
「プレッシャーだな」
 それを聞いて笑う大尉の声を聞きながら確実に距離を縮めていく。敵がリックディアスの砲撃射程距離に入った辺りで、私はSFSのブースターを全開にした。
 察した大尉が敵の射線を砲撃で乱す。隙間を縫い、SFSをガンタンクの1機に突っ込ませ爆散させる。そのまま自機のバーニアで体勢を整えると、遂に私は敵地の土を踏んだ。
 近くに見えた別のガンタンクに向け、分割したナギナタの上部を下手で投げる。縦に回転しながら飛んだナギナタは、敵を頭から胸にかけて両断した。
宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
456 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:20:21.96 ID:lIBTn0in0
『一番乗りか!羨ましいな!』
 そう言いながら、私の背後に回った別のガンタンクをサーベルで切り払った大尉のリックディアスも搭乗したSFSごと着地する。
『あんたはSFSを捨て過ぎだ。帰りの事も考えろよ全く』
 呆れ気味に大尉が笑った。
「帰りは朱雀が拾ってくれるさ」
『そうならなきゃいけねぇのはごもっともで』
 先程炙りだされたハイザックがビームサーベルでリックディアスに振りかぶってきた。大尉は振り向きざまに敵の肘目掛けてアッパーを決める。
 関節から火花を散らしながら思わずサーベルを手放すハイザック。そのコックピットへ、リックディアスは追撃の正拳突きを繰り出した。
 強い衝撃でパイロットが失神でもしたのか、倒れた敵機はそのまま動かなくなった。
宇宙世紀の小説書いてみてるんだけど
457 :◆tyrQWQQxgU [sage]:2019/09/28(土) 10:21:00.77 ID:lIBTn0in0
『…敵が来るぞ』
 大尉の言うとおり、レーダーには複数の熱源反応。加えて、上空から確認したトーチカも可能な限り破壊しなければならない。
「中尉達はまだ来ないな」
『ぼちぼち来るさ。あんまり離れ過ぎると少佐に怒られるからな』
 ちらほらと上陸する部隊が現れ始めたが、まだ上空でも敵の抵抗は続いていた。朱雀がメガ粒子砲を放つのがここからでも見える。
『…尉!…が…!…』
 不意に通信が入った。距離が開いている上にミノフスキー濃度も濃くなってきたせいか確実な傍受が出来ないが、アトリエ中尉らしき声だった。
「どうした。何があった」
『…駄目だな、俺も聴き取れない』
 サドウスキー大尉も受信出来ていない様だ。

 程なくして、レーダーに現れた反応で私は事態を把握することとなった。

51話 血路を拓け


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