- 歴代主人公が兄弟だったらPart99
278 :オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟[sage]:2019/08/26(月) 02:14:09.15 ID:k8O4dS+80 - 日登町西区:ドロスのブリッジ
ミネバ「お父さま! お母さま!」 ゼナ「ああ、ミネバ。よく無事で……」 ドズル「ミィ〜ネ〜バ〜!!」 半壊したドロスのブリッジでドズル親子は久しぶりに再会した。 だが、ドズルの顔は赤く、ギリギリと歯ぎしりをしている。 怒られる、そう思ってミネバは身を固くした。 だが ドズル「よく! よく無事でいてくれたあああああああああ!!!」 ミネバ「ふえ?」 ドズル「しかも危険を冒してまで助けに来てくれるとは……おまえはなんていい子なんだあああああ!!」 そういってドズルはミネバを抱きしめ、人目もはばからずオイオイと声をあげて泣き出した。 ミネバ「お、おとうさま……くるしいぞ」 その光景に、ゼナはもちろん近くで見ていたガルマやデギンまで思わず貰い泣きする。 バナージ「でも、本当にみんな無事でよかった……」 ゼナ「あなたもね、バナージ君。聞いたわ。あのMA、最後はあなたが倒してくれたんでしょ?」 デラーズ「我々も見ておりましたが、まさに獅子奮迅の活躍ぶりでした」 ゼナ「本当にありがとう。ほら、貴方からもお礼を言って」 ゼナに押され、ドズルは渋々バナージの前にでる。 ドズル「ム……小僧。なんだ、このたびは……大儀であった」 バナージ「い、いえいえ。俺だって無我夢中で……できることをやっただけです」 ドズル「いや、すまなかった。ちゃんと礼を言おう。貴様には今日、二度も助けられた。ありがとう、バナージ・リンクス」 ミネバ「おお……お父さまがはじめてバナージを名前で呼んだ」 ゼナ「認めたのよ、バナージ君のこと」 ドズル「しかし! ミネバのことはまた別だ! 友達付き合いならともかく、交際なんて絶対に認めんからなこのロリコンめ!」 バナージ「は、はいい!」 ドズル「ン。まあ、それはともかく」 なんだか照れ臭そうに、ドズルは顎の傷を掻きながらいった。 ドズル「今度、ウチにメシでも食いに来い。歓迎するぞバナージ」 バナージ「……ハイ、喜んで伺います」
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279 :オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟[sage]:2019/08/26(月) 02:14:42.49 ID:k8O4dS+80 - ドロス:甲板
キシリア「ただのジムとはどういうことだ!」 甲高い金切り声をあげるキシリア。しかしセイは平静な顔で繰り返す。 セイ「どういうこともなにも、そのままの意味ですよ。このサイコジム、中身に特別な機構は何もありませんでした。 ていうかぶっちゃけただのジムです。無駄に大きいだけの」 キシリア「ええい、やはり貴様のような子供では話にならん! おい、さっさと技術者を呼んで来い! このMSを解体して詳しく調べるんだ!」 セイ「ム、ただの子供とは聞き捨てならないですね。僕はガンプラバトル世界チャンピオンですよ?」 キシリア「だから、ただの子供のお遊びだろうが!」 セイ「遊びじゃありません! ガンプラ作成は全ての技術に通じるんです! 僕はある高名な博士に協力して、MSの開発を手伝ったことだってあるんですよ!」 セイとキシリアがキーキー言い合っている横で、乗っていた少女たちの態度は醒めたものだ。 プルツー「ああ、やっぱりね」 プル「MAとの戦いの後、急にあのイヤな感覚がなくなったものな」 アルミリア「確かに、今のサイコジムからは何の恐怖も感じませんわ」 カーラ「さっきゲージも調べてみたけど、ただの飾りのガラス板だったよ」 ギレン「……で? どうするのだキシリア? このただのジムを、わざわざザビ家に持って帰るのか?」 キシリア「ええい、不愉快だ! おい貴様! こんなガラクタさっさと海にでも沈めてしまえ! わたしはブリッジに戻らせてもらう!」 そういってキシリアはプリプリと怒りながら去っていった。 ギレン「だ、そうだ」 プル「ふう、よかった」 マリーメイア「今はもうただのジムとはいえ、またいつあの力が目覚めるかわかったものじゃないからな」 アルミリア「こんな危険なもの、誰かに渡すわけには参りませんわ」 セイ「惜しいなあ。ぜったい解析して、ガンプラ技術に活かすべきなのに」 プル「パパもありがと〜話を合わせてくれて」 ギレン「ふん、私もただ、あの力は人類が扱うには早すぎると判断しただけだ。あと、パパと呼ぶな!」 プルツー「またまた。嬉しいくせに」
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280 :オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟[sage]:2019/08/26(月) 02:17:44.12 ID:k8O4dS+80 - 海岸
バナージ「ただいま〜」 ベルリ「お、戻ってきましたよロリコンが」 マクギリス「どうしたのかね? 何やら随分うれしそうだが」 ハリソン「何かいいことでもあったのかい?」 バナージ「いや〜ハハハ」 ベルリ「まったく、ニヤニヤしちゃって」 バナージ「それで、他の兄弟とは連絡取れたのか?」 ベルリ「うん、カミーユとジュドーが迎えに来てくれるって」 マクギリス「しかしそれでも全員を避難所にまでは連れていけないだろう」 ハリソン「どこかからか全員乗れる乗り物を調達してくるか……」 シャクティ「ふっふっふ、お困りのようですね」 ベルリ「シャクティ?!」 バナージ「きみ、この騒動があってから早々に町から逃げ出したはずじゃ……」 シャクティ「失敬な! こんなこともあろうかと、町の外から物資を調達してきたんですよ!」 そういうシャクティの後ろからは、荷台に物資を山積みにしたカミオンが続々と走ってくる。 マクギリス「まさか、町のために?」 ハリソン「なんというできたお嬢さんだ!」 シャクティ「なんせこんな状況ですからね。普段の価格の3倍、いえ5倍でも飛ぶように売れるはずですよ」 バナージ「あ、シャクティはやっぱりシャクティだったね」 シャクティ「それで、今困っているのはあのザビ家の皆さんですよね? これはさぞお礼が期待できそうですねえクックック」 ハリソン「なんて邪悪な笑顔なんだ……!」 ベルリ「うん、でも僕キミのそういう正直なところ意外と好きよ?」 シャクティ「それで、ザビ家のみなさんは今どこに?」 バナージ「ああ、彼らなら、あの沖に浮かんだドロスのブリッジにいるはずだけど」 その時だった。 「全員、警戒しろ! MAの首はまだ生きているぞ!」 突然響いた声。見ると、切り落としたはずのハシュマルの首が持ち上がり、 ドロスに向かってビーム砲を発射しようと照準を定めている! バナージ「ユニコーーン!!」 バナージはとっさにユニコーンガンダムを呼び、MAの首を踏みつけさせた。 その衝撃で、首が大きく捻じれる。 放たれたビームは煌めきながら雲を裂き、遥か上空へと消えていった。 ハリソン「まだ生きていたか。恐ろしい生命力だなMAというのは」 バナージ「ええ。まるで一人で死ぬものか、お前たちも呼ぶと云わんばかりでした」 マクギリス「すまないバナージ君。私が確認を徹底しておくべきだった」 バナージ「いえ、俺の方こそちゃんとトドメを刺しておけば……」 ベルリ「まあいいじゃないの。誰もケガはしなかったんだし」 バナージ「ああ。あの最初の警告が無かったら危なかったけどな」 シャクティ「アレ? でもあれ、誰が叫んだんでしょう……?」 ハリソン「我々は誰も口を出していないが……」 ベルリ「え?」 その時、ベルリの脳裏にあるビジョンが蘇った。 MAから放たれた輝くビーム。 そのフラッシュバックのなか、視界の隅に僅かに映った赤い影。 ベルリ「あれは……マズイ!!」 バナージ「おい、どうしたんだベルリ!」 ベルリ「説明は後だ! あの影……間違いない、アイツが来たんだ!」 バナージ「え……『アイツ』って?」
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281 :オールアムロVSシャア軍団VSガンダム兄弟[sage]:2019/08/26(月) 02:22:17.93 ID:k8O4dS+80 - 次の瞬間、大きく水しぶきを上げて海が割れた。
そこから出てきたのは重装備のザクII。 特徴的なのは一般のザクにはない一本角。そして、海では異様に目立つ赤いボディカラー。 バナージ「あれは……!」 シャア(一年戦争)「フ……」 マクギリス「赤い彗星、シャア・アズナブルか!」 海上に現れたシャア専用ザクは一直線にドロスへ向かう! その速度は、まさに通常の3倍! 到底他のMSでは追いつけない。 ガルマ「シャアが……シャアが来る!」 キシリア「シャア!?」 ドズル「シャア!」 ギレン「対空砲火、何をしている! 早くあのザクを撃ち落とせ!」 デギン「ギレン、突然何を……シャアならば、我々の味方ではないのか?」 シャア専用ザクは恐るべき機動力で飛んでくる銃弾を回避。 多少の被弾も、後で拭けばいいとばかりに気にする様子はない。 ギレン「お分かりにならないのですか!? 奴が……シャアが狙いを定めるターゲットは、我々ザビ家なのです!」 デギン「なんだと!?」 シャア(一年戦争)「気づいたところで……もう遅い!!」 ガルマ「シャア!」 ドズル「シャア!」 キシリア「シャア!」 ギレン「シャア!」 デギン「シャア!」 ミネバ「シャア!」 遂にシャア専用ザクはドロスの前まで到達した。 そして、ザビ家が全員揃ったブリッジに向けて、バズーカを構える。 シャア(一年戦争)「ザビ家の諸君。私の手向けだ。あの世では一家仲良く暮らすがいい」 終わった。ザビ家の誰もが例外なくそう思った。 その時だった。 ベルリ「──スコーーーーーーーーーーーーーード!!」 シャア(一年戦争)「なに!?」 突如として後ろから猛追してきた青いMSが、シャア専用ザクに体当たりを仕掛ける。 あれはベルリの駆るG-セルフだ。 いち早くシャアの目的に気づいたベルリは、一人、凶行を止めるべく猛追してきたのだ! シャア(一年戦争)「ちい! この機体、ガンダム兄弟のMSか」 バナージ「ベルリ!」 ベルリ「こいつは僕が何とかする! バナージはその間、早くみんなを避難させて!」 ベルリは通信機に向かって叫んだ。 そしてシャア専用ザクに組み付いたまま、G-セルフは海岸からどんどん遠ざかっていく。 バナージ「ベルリ────!」 赤と青の影は、そのまま遠く、見えなくなった。 ベルリ・ゼナム【G-セルフ(パーフェクトパック装備)】 VS シャア・アズナブル(一年戦争)【シャア専用ザクII】開戦――!
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