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お前名無しだろ
クラウザーさんは三沢さんのパクリ

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クラウザーさんは三沢さんのパクリ
8 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:03:14 ID:w16wf4GD0
「Go to DMC Go to DMC。」
熱気が狂気を産み、狂気が殺戮を産む一歩前に存在する空間。
かつてから存在し、しかし余りに危険なため一般人立ち入り禁止区域でしか演奏できない出来ない歌
それがデスメタルバンドだ。現在、日本にカールス・マーダーが遺物、真紅ギター、デビルブラッドをジャック・イル・ダークをデスメタルで跪かせる
事で継承したデスメタルグループが存在している。
その名はDetroit Metal Cityと言った。
「諸君、来週、ノアマットで会おう。」
SATSUGAIを歌い終えたばかりのヨハネ・クラウザーU世はそう言うとマントを靡かせ、一般人禁止区域内から怒号とも歓声とも判断できぬ声に押される様に立ち去った。
クラウザーU世が消えた後、普段なら興奮したファン同士が殴り合い流血騒ぎになる筈なのだが今夜は違っていた。それはクラウザーU世が最後に発した残音がそうさせていた。
何時しか歓声も怒号もそしてここのファンである狂気さえも消えたかの用にライブ会場は無人の一般人用に静まりかえっていた。
しかし、ある男がその沈黙を破った。ビクトリーレッドこと額に殺と消えないタトゥまで掘り込んだDMCファンの男(以後、レッド)。
「今、言った。クラウザーさんは確かにクアトロでなく。ノアマットと。」
ゴクリと唾を吐き出した後、
「じゃあ、まさか、世界殺害殺戮界最強団体 ノアに……。」
「ああ、間違いなく一戦交える気だ。」
「でも、幾ら魔界の帝王でもSATSUGAI  SATSURIKU格闘神三沢さんには……」
言いかけた所でレッドの拳が食い込む。
「殺害するぞぉ。クラウザーさんが三沢さんに負けるわけねぇ。そ、そうだ。ク、クラウザーさんは三沢さんを殺害して、魔界神になられるつもりだぁ。」
「魔界神。魔神。ついに帝王から魔神に。さすがクラウザーさんだ。」
「おおし、俺等もやるしかねぇぞぉ。ノアヲタ共を見かけたら男はソッコー殺害。女はソッコーレイプ。」
「Go to DMC Go to DMC Go to DMC Go to DMC。」
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
9 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:05:49 ID:w16wf4GD0
DMC控室
「いいのか。根岸、どうなっても俺、しらねぇぞ。」
DMC三名の内のジャキ様こと長身なイケメン和田真幸が爽快にドリンクを一飲みしながら話す。
「うん。」
ヨハネ・クラウザーU世は死化粧のように白く塗られたメイクを落としていく。
その横でカミュこと西田照道が太った体からダラダラと流れる汗を緑色なノアタオルで、そのタオルを見せ付けるように拭う。
「西田君。そのタオル、仕舞ってよ。」
最後に残っていた殺という額にかかれたメイクを落としたヨハネ・クラウザーU世こと根岸宗一はゴボウ男と呼ばれる頬が少しこけた顔を見る。
こんな頼りない自分が世界のオシャレピラミッドの頂点に位置する ノアレスラー に挑んだというのはシャレにもならない。
下を向き、その顔から目を逸らしそうになった時、
「ファ〜〜〜ック。」
いつもの掛け声と共にデスレコーズ社長がドアを蹴破り入ってきた。
「根岸、テメー、どういうつもりだぁ。最後は。あ。」
「言ったとおりですけど。」
女社長は眉を顰め、根岸に対して、黒いブーツで蹴りを入れる。
「ぐぁ。」
「ぐあ、じぁねぇ。鮎の町、犬飼町出身のテメー如きが相手に出来る人じゃねーんだぞ。ジャックにでさえ、 ノアだけはガチ と帝王の真実で語っんだ。このインポヤロがぁ、センズリからやり直せ。」
更に2、3発入った所で和田が社長の胴を抑え止めた。
「根岸、今回はお前が悪い。早く、誤って取り消して来い。」(俺もそんなヤベーの関わりたくないし)
だが、根岸は蹴られた腹を擦りながら、
「じゃあ、DMCは負けを認めるんですね。ノア以下だと。」
「あん。」
根岸は幽鬼のように社長を見つめ、
「僕等、デスメタルバンドは殺害するか、されるか。レイプするか、掘られるか。殺害もされずに掘られもせずに負けを認めたデスメタルバンドを
デスレコーズ社長が使ってくれると言うのなら、僕はブラックレジェンドではなく歌手として歌いますよ。」
「根岸、テメー。」
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
10 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:06:41 ID:w16wf4GD0
社長が睨む。根岸と瞳が交差する。その間に西田が割り込むと緑色なノアタオルを破り、ドラムステックを突き刺した。
「西田君。」
「テメーら............ファックミークレイジーガイズ。我慢できないここでレイプしな。」
抑えていた和田からすらりと抜け、根岸等に歩み寄る。腰を振ろうとした社長に、
(不味い。ここでなんかしねぇーと俺だけ取り残されちまう。)
和田は常時携帯しているジュッポのオイルを口に含み、シャカンと音を立て、ジュッポを点火させるとステックが突き刺さったノアタオルに噴きかけた。
勢い良く燃え上がるノアタオルを観ると社長は、
「それでこそ、デスメタルバンド DMCよ。対バンとしてノアは避けてはとうれそうにないね。来週のディファへの乱入は、ぐちょ濡れコカンにかけて、私が成功させてやんよ。」
そう言うと社長は姿を消した。残った三人は黒い燃えカスとなっていく緑色なノアタオルをただじっと見つめていた。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
11 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:08:37 ID:w16wf4GD0
根岸が1ルームの自宅に帰ると携帯が鳴った。着信は俊くんと出ている。そう、
根岸俊彦、根岸宗一の弟である。そして、今、彼が悩んでいる原因に関係していた。
「はい。」
「ガーチ。チケット手に入ったと。」
「いや、ま、まだ。」
「ガーチ。早くしてや、ローリングしちゃるぞ。でも、やっぱりの、東京でもノアチケットはそうそう手に入らんか。」
「ね、ねえ。俊くん、ノアなんて東京じゃ全然、はやってないよ。」
「ガーチ。なわけないやないか。兄ちゃん、日テレないんか、黄金時間で毎週やっとるやろが、知ったかすんなや。びっくりするやろうが。」
(そうだった。あっちは時差放送だった。でも、いくら、時間差放送だからって三週間前の放送を時間帯まで変えて、19時に放送しなくてもいいのになぁ。)
「じゃあ、ほら、前に俊くんが好きだったデトロイトメタルシティのチケットが手に入ったんだけど変わりに。」
「ガーチ。そんなあいらんわ。三沢さんから比べれば八百長きぐるみシャウトだし、興味ないよ。そんなあより、奈良の大仏を三沢さんは肘だけで一晩で作ったんだ。まじローリング。」
「と、俊……」
「あ、スパルタンXおわっちょん。じゃ、チケット頼んだでぇ。 ノアだけはガチ。」
ガチっと乱暴に電話は切れた。根岸は肩を落とした。当初は家族に自分の恥部とも言えるバンドを聞かれている恥ずかしさはあったが、
それでも兄に忘れた敬意を払う弟、四国のクラちゃんとして母や父、姉に愛されるキャラクターとしてのクラウザーU世に何処となく満足していた。
が、それは家族がノアを知る事であっさりと崩壊した。弟の尊敬は三沢さんに移り、愛すべき家族のキャラクターは愛知のヨネちゃんとなった。
DMCのグッツがゴミ箱に捨てられたのを見た時は、恨みはらさでおくべきか であった。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
12 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:10:21 ID:w16wf4GD0
傷心しながら相川由利に根岸は電話をかけた。2コールで繋がると
「根岸くん、今、電話しようとしてたところだったの。ねぇ、ねぇ、聞いて。」
「なあに。」(この声、癒されるなぁ。今度、一緒にアンジェラ・アキでも聞きながらアップルティーでも飲みたいなぁ。)
「今日の三沢さん凄かったんだよ。回転エルボー2連発で森嶋さんを場外にオーバーザトップロープしたのよ。」
「…………」
「その後の命知らずのトペコンヒーローときたら………」
相川はDMCの悪口を見つけたDMCファンの立ち読み成りきり読者苦情で、音楽レーベルから外されたが、運良く激戦区であるスポーツ紙しかもプロレスリング記者見習いと大抜擢されたのだ。
興味なかった相川も三沢さんの闘争を一目見た瞬間から彼の虜となった。そして、毎日のように根岸に今日の三沢さんをしてくるようになったのだ。それでも今までは声が聞けるだけでよかったが三沢さんとの対峙を決めた根岸は、
「で、試合後の三沢さんの汗ワイパーが……」
「八百長中年デブ裸で股座濡らしてんじゃねーぞ。このマンカス女。」
電話を切った。きった後、自分は最低だと思い悩やみ、夜明けを迎える頃に対三沢さん戦への心構えを決めた。
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13 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:11:35 ID:w16wf4GD0
「いくぞ。」
ジャキ様はベースを片手に二人を促す。初めて自分達のフィールド以外に踏み込んだ三人は足を止めた。
「すげぇ。」
ジャキ様の率直な感想だった。デスメタルバンドで歓声には慣れているはずだった。が、ノアは違っていた。
歓声は選手入場と退場。後は食い入るようにノア選手を目で追いかける。高速なノア選手の動きを追わなければいけないため、歓声を上げる暇などない。一瞬でもノア選手を瞳に焼け付けなければならないのだ。だが、
一方の選手が劣勢に成ると声援になり、また攻勢に進める選手は一気に突き進めるよう手拍子が鳴る。
そう、ジャキ様が漏らした言葉の意味はファン層の違いについてだった。DMCファンは自分達に酔っている様で実はDMCファンである自分達に酔っているのだ。
アウトロー的に自分達に似合っているバンド。その名を出しただけで最悪と思って貰えるステイタス。しかし、ノアヲタと呼ばれるノアファンは自分達をノアヲタとは名乗らない。
実際、世界の特権階級の人総てがノアヲタなのだ。自分を誇示するのではなく、ただ単に世界最強と呼ばれるノア選手を見惚れたいだけなのだ。
自分もいつかは自分のベース弾きだけを血豆の潰れたこの指だけを追ってくれるファンを持ちたいとジャキ様は言葉と共に思った。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
14 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:13:08 ID:w16wf4GD0
「す、すごい人だね。こんな中、乱入なんて。」
「あ、根岸、今頃になってびびってるのか?」
「で、でも。」
ジャキ様はメイクで表情が判らない顔を笑わせたようにクラウザーU世を見ると、
「DMCの社長がやると言ったんだぜ。デスメタルなんて知らなかった俺等を見出したあの人がよ。」
クラウザーU世は自分のワンルームを破壊し、ウイスキーを片時も放さず、公然と大麻を吸うデスレーズ社長を思い出し、あの人なら本当にと思った。
「そろそろだぜ。」

プロレスリング ノア メインイベント  三沢さんvsスイミング大森(さん)
が始まろうとした所、東口入り口でそれは起こった。
「オラ、オラ、オラ、道開けろ。」
メタル仲間、グリとグラをつれてのまさに乱入だったが、試合を終えたばかりの森嶋さんと鉢合わせするといくら力自慢のグリ、グラだった瞬時に叩きのめされた。
デスレコーズ社長は汗だくの森嶋さんを見て、にやりとする手に持っていた中身の入った酒瓶を叩き付けた。
柔らかいと思われる森嶋さんの体だが、瓶は粉々に砕け、酒は森嶋さんの体に降りかかった。全くダメージがない森嶋さんが瓶の破片を体から払おうとするとデスレコーズ社長は抱きついた。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
15 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:17:21 ID:w16wf4GD0
それを見た本間さんは
「女の力じゃ何も……」
しかし、私服でヤクザ丸出しで観戦していた百田さんが状況のやばさに気付き、
「モリシ、逃げろ。」
大声で怒鳴ったが時既に遅かった。女社長は、ライターを取り出すと、
「ここで点火したらどうなるか。わかってるんだろうなぁ。」
やられた。
観衆はデスレコーズ社長が顔を西に向け、声指した方に視線を送る。そこには、
デトロイト メタル シティ  右にジャキ様 左にカミュ そして中央にヨハネ=クラウザーU世がスポットライトに照らし出された。
ノアの観客のほとんどが彼ら存在自体知らなかったが、その中の数十名は彼らを知っていた。DMC三人の姿を一目見ると、レッドその他、私財を売り払い何とかチケットを手に入れたDMCファン集団が暴れだした。
持ち込んだCDラジカセで大音量でSATSUGAIをかけるは、横の人を殴るは、スプレーでノアシャツや大会パンフにDMCと書くは、他人の持っているポップコーンを奪うは。紙屑に火種が紛れ込んだように燃え上がった。
その暴虐ぶりに解説席に座っていたある男は立ち上がった。
「オラ。死ね。ノアヲタが。」
レッドは殴り、倒れこんだノアヲタに止めを刺そうと腕を上げるとその手首を掴まれた。
上を見上げると鉄人 小橋選手が立っていた。かつてないほどの力。チョモランマ連峰を思わせる上腕筋。
ケンカ、SATSUGAIには自信があったが見の前の小橋選手はSATSUGAI出来ないとすぐに理解できた。いや、彼が拳を作っただけで自分がSATSUGAIされるのは明確だった。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
16 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:18:38 ID:w16wf4GD0
子犬のように震えだしたレッドに、
「仲良く。お願いします。プロレスでは乱闘、乱入はよくあることで、まあ、入場曲がないからそのセンスない曲は認めるけど、後はね。もし、なら表行こうか。」
ギラリと眼光鋭くさせ、レッドの手を離した。戦意を失ったレッドは、
「はい。」(やべぇ、オ、俺、この人に掘れそうだ。)
大人しく従った。リーダーの服従にその他のファンの静まった。
「そうだ。良ければ一緒に解説席に来ない?」
「はい。お供させてもらいます。」

「小橋選手。ありがとうございました。紳士なノアファンにはどうもああいうのは。」
解説席に戻った小橋は、
「いやあ、若いだけですよ。騒いで騒いでいい事です。ただ、場違いですよね。でも、聞き分けいい子でよかったですよ。」
「でも、表に出た小橋選手、ファンは見たかったんじゃないですか。」
「……見たいですか。……大変な事になりますよ。……ははっははは、なんてんね。でも、試合の方は大丈夫ですかね。今日のは三沢さん楽しみにしてたのに。」
「あ、心配ないですよ。もう、スイミング大森(さん)はこれ幸いとリングから逃げ出してますから。」
「相変わらず、早いですねぇ。これで三沢さん対デトロイトなんとかを楽しめるわけですね。乱入するくらいですからどんな猛者ですかね。」
「DMCです。」
「えっと貴方は。」
「DMCファン代表 ビクトリーレッドです。」
「そうですか。」
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17 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:20:11 ID:w16wf4GD0
西口から三沢さんが待つリングに向かうDMC面々。一人は家族、恋人を取り戻すため。一人はいやいやながら。一人はプロレス=女子プロレス=ハイレグレオタード=初期アジャ=オェ。
思惑が交差しながら、リング上から見下ろす三沢さんに近づいていく。クラウザーU世はリングサイドに目をやると招待した家族がいた。もう既に三沢さんコールをしているまだ青い見るからに成り立てのノアファンだ。
また、記者席には相川が座っている。がこちらには誰も振り向かない。だが、
この人を倒せば、またみんな戻ってくる。
ヨハネ=クラウザーU世はリングに降り立った。
「いいの一人で。」
緑の地球に優しい格闘神三沢さんが声をかける。クラウザーU世はリング下にいるジャキ様(俺を見るなよ)、カミュを見た後、
「貴様ごとき俺のシイタケで十分だ。」
叫び、マントを脱ごうとする。その間にレフリーが三沢さんコールをする。
「赤コーナー、最強格闘神 三沢光晴。」
コールが終え、クラウザーU世コールになろうとした時、
「青コー……。」
「えっ、おっと、とと。」
脱いだマントをコーナーポストにかけようとするとギターにマントの解れが絡み、解こうと急いだが、いきなりコールされた事に驚き、振り向く事で体勢を崩し、ギターを上段に構えたまま、三沢さんに突撃した。
「で、でた。非情なるギター。しかも48のプロ殺しバージョンα。クラウザーさんは三沢さんを本当にSATSUGAIする気だ。」
レッドが解説席から立ち上がる。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
18 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:21:30 ID:w16wf4GD0
三沢さんは軽くステップを踏んだ後、難なく、左に避けたが、
(転ぶ前に。そうだギターを杖にして。それ、ア、勢いが強すぎて。)
リングに振り下ろし、ギターを支えに転ぶのを避けようとしたクラウザーU世だが、ギターはクラウザーU世の体を支えきれず、三沢さんのいる右側に振り払われた。
「ずげぇ。」
「甘いですよ。バックががら空きです。」
小橋選手が指摘する。その通り、二撃目をかわし、三沢さんはクラウザーU世の背後につく。
「バックドロップ決まりますよ。」
だが、
(やばい。ロープに当たる。うあ。)
クラウザーU世はギター持った手を上に上げたまま、ロープに当たり、ロープの反動でギターを持った腕は後ろへ大きく反れた。
ゴッ
クラウザーU世はリングに倒れたが、だが、倒れただけでは発たない音が物語っていた。
「す、すごい。すごすぎるぞぉ。三沢さんに打撃を与えるなんて、何者だぁ、クラウザーU世とは。」
「魔界の帝王であり、デトロイト メタル シティのボーカル兼ギターリストです。」
後ろに回った三沢さんの額にギターは当たったのだ。かつて警官を顔面複雑骨折まで負わせた攻撃力を誇るが、三沢さんにはきてない様だ。クラウザーU世はリングサイドを見る。まぐれだと呟く弟の姿がそこにあった。揺れ動いている心。クラウザーU世は立ち上がり、
「はははは。今日はお前を掘ってやる。負けをみとめるなら今のうちじぁ。」
と後ろを向き、尻を指しながら言った。が、その油断がよくなかった。相手は超人三沢さんである。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
19 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:23:24 ID:w16wf4GD0
「ぐぁ。」
クラウザーU世は尻に激痛を感じた。三沢さんが素早く三年殺しをしたのだ。三沢さんは一度、浣腸を決めた指の匂いを嗅ぎ、
「負けを認める。いい言葉だよね。でも、認められない人間もいるんだよね。」
その指で額の汗を拭った。
「汗ワイパー。」
小橋選手が意味もなく拳を作る。
「ここから大変な事になりますよ。三沢さんがアレを使う時は相手を認めた時だけ。つまり、セメントマッチです。」
三沢さんは脂肪のついた腹部に緑色のタイツを上げる。良く見るとそこいら辺にいるオジサンと変わらない体系。クラウザーU世はそれに加え、自分の攻撃が当たった三沢さんに対して、
(実は三沢さんて大した事なかったりして、本当に八百長裸踊りでは?てか、DMCの資本主義の豚に似てるし、なら。)
クラウザーU世はギターを持ち上げ、
「まだ、欲しいなら幾らでもくれてやる。風林火ヤオ。速き事風の如く、静かなる事林の如く、侵略する事炎の如く、ノアレスリングは八百長の如し。」
ギターを振り回す。
「や、やべぇ。非情なるギター四連続だぁ。」
「八百長八百長八百長八百長八百長八百長八百長八百長八百長八百長八百長八百長。」
「おっと、更に1秒間に12回の八百長発言。クラウザーU世、勝負をかけて来ましたね。三沢さん、精神的に大丈夫かぁ。」
ギターを交わしていた三沢さんは避けるのを止めるとはぁ〜〜〜と息を吸いこんだ。
(チャンスだ。)
クラウザーU世は頭頂部目掛け、叩きつけようとする。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
20 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:24:51 ID:w16wf4GD0
空気が震える。会場全体がざわつき始める。誰もが空気の震えだと思っていた。だが、
「これは空気の震えじゃない。耳を傾けて見ろ。ほら。」
一人のノアヲタが言い、皆その震えに集中すると、
「ガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチガチ……………………………………ノアだけはガ〜〜〜チ。」
「な、これは。ガチって聞こえるぞぉ。何回だ。一回、十回、十二回、百回、うおぉぉぉ。一秒間に千回だとう。スゲェ。」
三沢さんは振り下ろされたギターに対し、ローリングし、右肘を当てた。クラウザーU世は吹き飛ばされた。
「ざまみろ。きぐるみ男。」
ただのゴボウ男であるクラウザーU世は立ち上がれないほどのダメージを負ったが三沢さんは攻撃を止めない。クラウザーU世の金髪のカツラを掴むと片側を引きちぎり、ロープに投げる。
反動で跳ね返る半分が黒いマッシュルームカットが露になったクラウザーU世に止めの旋回式エルボーを見舞った。
「完全に決まりましたね。もう立てないでしょう。僕等でもアレの2連発はきついですからね。」
「クラウザーさんのパワーがぁ、無くなりかけてる。あんなダサヘアーに。くそ。」
嘆くレッド。大の字で伸びるクラウザーU世の耳に、
「クラウザーって何が帝王だよ。」
「やっぱ八百長裸シャウトだな。」
「三沢さんはだけはガチ。」
様々敗者である自分に声が聞えてきた。だが、声に混じり、何かを叩く音が、
(これは……ドラム音。)
目で音を追う。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
21 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:25:44 ID:w16wf4GD0
そこにはコナーポストを持参したステックで叩く、カミュの姿があった。ドラムセットのないこの場でクラウザーU世応援のため、身近なもので音を出していたのだ。曲は自分達の代表曲 SATSUGAI。クラウザーU世が作詞、作曲したものだ。
(西田君。)
カミュの行動を見たジャキ様は自ら、放送席の電源を奪うとベースに繋げた。
「いくぜ。SATSUGAI。クラウザー カモン。」
(和田君。そうだ。僕がDMCじゃない。僕等がDMCなんだ。)
KOされていた筈のクラウザーU世の指が動く。
「どうした。オーディエンスがお前の地獄からの帰還をお待ちかねだぜ。」
「……go to DMC。」
レッドはどう考えても完全な負け状態にも関わらず、クラウザーU世に声援を送っていた。以前なら絶対の強者、支配者で有るクラウザーU世以外は認めたくなかったが今は三沢さんに負けているクラウザーU世を認めての声援だった。
それが次第に他のDMCファンにも伝わり
「GO TO DMC  GO TO DMC」
の大合唱となった。そう、それはDMCファンがノアヲタに近づいた瞬間でもあった。
クラウザーU世はプルプルと震えながら、
(悔しいけとやっぱオーディエンスがいると熱くなってくるぜ。)
立ち上がった。だが、激痛と疲労で大量の汗でメイクは流れかかっていた。
「あああ、クラウザーさんは立ったけど、顔が……まだお力がたりないんだぁ。」
だが、クラウザーU世は自身が今出来る唯一の技を繰り出そうとしていた。カミュとジャキ様が繰り出す音楽に乗せて。
「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ。」
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
22 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:27:00 ID:w16wf4GD0
「これは悪魔玉だ。」
「まだ,勝機が。でも、こんな状況で使ったら、クラウザーさん自身タダでは。」
レッドは放送席のマイクを使い、
「クラウザーさんは死ぬつもりなんだぁ。俺等に地獄の帝王としてのデスメタルとしての生き様をみせてくだされるんだ。クラウザーさん、お供します。俺の力を使ってください。」
レッドを先駆けにDMCファンは高々と両腕をあげた。
ファンの力を得たクラウザーU世は口を尖らせた。
悪魔玉を発射し終える頃には白いメイクと殺の字は消え、ヨハネ=クラウザーU世ではなく根岸宗一がノアリングに立っているだろう。
地獄の帝王でもない。DMCファンからしてみればひ弱なゴボウ男が立っているんだ。ここまで自分に熱意を向けてくれるファンに申し訳なく思ったが止められなかった。
それに相川にも正体が知られる事になるだろう。となれば絶交かもしれないが、
これはDMCの戦い、カミュ、ジャキ様はパフォーマンスを止めてはいない。
クラウザーU世に賭けているんだ。
狙撃目標は三沢さん。
「いざ、尋常に。」
顔を向けた。
ガァァァァァァァァ ペッ
世の劣等感を詰まらせた悪魔玉は発射された。
だが、三沢さんの顔に向け、吐かれるはずの悪魔玉はクラウザーU世の口の中に押し戻されていた。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
23 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:29:33 ID:w16wf4GD0
三沢さんは吐かれたその刹那、肘サポーターを外し、クラウザーU世の口に当てたのだ。自身が増強させた劣等感がクラウザーU世を襲う。総てに対し、投槍に自暴自棄な気分になっていく。
(ただのゴボウ男に戻るんだ。家族も仲間もファンも……好きな人も総て失せていく。アハハハ。僕にはちょうどいいかもしれない。さあ、これがクラウザーU世の正体だよ。皆も幻滅するといいさ。)
ヨハネ=クラウザーU世こと根岸宗一は顔を上げた。しかし、メイクが剥がれ落ちた顔を上げたにも関わらず、リングを照らすスポットライトの光は降り注いではこなかった。それは、
三沢さんがマジシャンのように緑タイツからグリーンなノアタオルを出し、根岸の顔を隠していたからだ。
「三沢さん。」
呟く。三沢さんは根岸の耳元に口を近付けると、
「マスクマンの正体は自分で晒すものだよ。それにここは君がそれをする場所じゃない。あるはずだよ。君にはその場所が。少なくとも俺が脱いだのもここじゃないよね。昔の話だけど。でも、その御蔭じゃないのかな。今があるのは。」
恥ずかしそうに言った。根岸は涙に濡れながら、高々デスメタルしか出来ない自分が神と呼ばれる三沢さんに挑んだ事を後悔し、だが、誇りに思いながら、
「ギブアップ。」
した。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
24 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:30:30 ID:w16wf4GD0
ゴングが打ち鳴らされ、根岸はノアタオルで顔を隠されたまま、カミュ、ジャキ様に抱きかかえられ、リングを降りると、三沢さんはその姿に、
「グットファイト。DMC。」
三人に親指を立てた。
三沢さんのその声に反応する用に客席からはノアヲタ、DMCファン関係なく三人に向け、拍手が喝采された。その中には、根岸俊彦、相川由利も含まれていた。
西口出口に三人がつくと、デスレコーズ社長はナイフを片手に持ち、
「テメー、根岸。殺害も掘られもしねぇで戻ってくるなんてなんてぇ、デスメタルの面汚……。」
「社長。静かに。」
ジャキ様が止める。根岸はカミュの背中で寝ていた。その気持ち良さそうな寝顔を見ると、
「ファ〜ック。とんだメタルモンスターだぜ。」
出来る限りの言葉で称えた。
クラウザーさんは三沢さんのパクリ
25 :お前名無しだろ[sage]:2008/08/22(金) 23:31:19 ID:w16wf4GD0
「ガーチ。やっとつながったと。兄ちゃん。昨日はありがと。あない日に仕事なんかせんと見に来ればよかったとに。」
「う、うん。どうしても抜けられなかったんだ。」
「ガーチ。まあ、しょうがなかいね。それと、兄ちゃんまだこないだのチケットあるかの。」
「チケット?。」
「ガーチ。そ、チケット。あ、SATSUGAI終わっちょん。大至急、送ってや。ノアだけはガチ。」
電話は切れた。どうやら、音楽とプロレスとを根岸俊彦は分けて愉しむ事にしたらしい。続けざまに、相川由利から着信した。
「あ、やっとつながった。根岸君、今いい?」
「うん。」
「昨日の三沢さん、カッコよかったんだよ。相手のきぐるみに塩送るなんて男の中の男よね。」
「……そ、そだね。」
相川は変わらないのかと思いきや、
「で、そのきぐるみがね。あのブタみたいにブーブー歌うDMCの最低男だったの。でも、三沢さんが倒してくれてすっきりしちゃった。あんなブタは……」
自分に対しての悪口だったが、それでも話題にもされなかった前よりかは、いいや、手放して気付いたが、これが自分が望んでいた日常だったのだ。根岸は相川からクラウザーU世の悪口を聞きながら、
「 ノアだけはガチ だよね。」
いきなりの言葉に相川は驚いたが、三沢さんへの感謝の念を込めて、大きく叫んだ。後日、1秒間に15回の ノアだけはガチ 発言をヨハネ=クラウザーU世が成功したのはデスメタルレジェンドとして語り継がれる事となった。


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