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彼氏いない歴774年
【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】

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【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】
339 :彼氏いない歴774年[sage]:2020/03/15(日) 17:43:10.32 ID:Vt2uv9vp
かつぎとは?

江戸時代にあった妻とする方法の風習の一つ
男がある娘を妻にしたい場合に友人たちに娘の家に押しかけてもらい娘をかついで逃げ、男のいる小屋に運び込む
娘が男の妻になることを了承したら親にも伝え祝言する
娘に断られたら友人たちが娘を家に戻す
【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】
340 :彼氏いない歴774年[sage]:2020/03/15(日) 17:46:26.36 ID:Vt2uv9vp
吉村昭の漂流は 
江戸時代の史実を元にした物語である

その中で登場する音吉という男性とお繁という女性のエピソードを紹介する
【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】
341 :彼氏いない歴774年[sage]:2020/03/15(日) 17:51:15.98 ID:Vt2uv9vp
「相手は、だれだい」
かれは、たずねた。
「お繁なんだ」
音吉が、恥ずかしそうに言った。
長平は、安堵を感じると同時に、意外にも思った。お繁は漁師の娘で、二十三歳になっている。
十七、八歳で大半の娘がとついでゆく中で、お繁は婚期を逸している。
その理由は、人並はずれた大柄な体と男まさりの気性の激しさであった。
【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】
342 :彼氏いない歴774年[sage]:2020/03/15(日) 17:55:49.59 ID:Vt2uv9vp
数ページ後

長平は、若者たちとかつぎの手順を話し合った。
有無を言わさずお繁をかついで逃げ、この番屋に運ぶよう指示した。

「あんな大女を、この音吉がこなせるのかね」
若者の一人がからかうように言った。
長平は笑いながら、かれらをうながして立ち上がった。
【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】
343 :彼氏いない歴774年[sage]:2020/03/15(日) 17:59:46.82 ID:Vt2uv9vp
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かれらは、口々にお繁と音吉が不釣り合いだと言い合った。
音吉が、お繁を妻にしたいと願う気持ちが理解できないとも言った。
お繁は、人並はずれた大きな体をしていて、声も男のように太い。
健康で、力仕事もすすんで引き受け、よく働くが、女らしさのないことが致命的で、嫁のもらい手はいない。
【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】
344 :彼氏いない歴774年[sage]:2020/03/15(日) 18:03:31.95 ID:Vt2uv9vp
それとは対照的に、音吉は、小柄でひ弱な体つきをしている。
目鼻立ちのととのった色白の顔は、女性的ですらある。
そうした音吉が、かれよりも逞しいお繁に魅せられていることが不可解に思えるのだ。
たで食う虫も好き好きだ、とか、捨てる神もあれば拾う神もあるなどと、かれらはにぎやかに話し合いながら松林沿いの小路を進んだ。
【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】
345 :彼氏いない歴774年[sage]:2020/03/15(日) 18:06:50.23 ID:Vt2uv9vp
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長平たちの気配に、お繁がふり返った。
「かつぎに来た」

長平が低い声で言うと、若者たちがお繁に走り寄り、その体に縄をからめた。
お繁は、叫び声をあげ、若者たちに拳をふるった。
が、若者たちは、お繁の体を容赦なくかつぎ上げると、蓆の外にとび出した。
【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】
346 :彼氏いない歴774年[sage]:2020/03/15(日) 18:12:48.37 ID:Vt2uv9vp
数ページ後


長平は、かれらとともに番屋に近づいた。
焚火の傍には、小柄な音吉が立ってこちらに眼を向けていた。
若者たちは、お繁の体を砂の上におろした。
体は荒縄で幾重にもしばられ、口には手拭で猿轡がかまされていた。
「こいつに爪でひっかかれた」
男の一人が、血のにじんだ首筋に手をふれ、顔をしかめた。
お繁は、眼をいからせて長平たちをにらみつけている。
身の自由は失っていて抵抗はあきらめているようだったが、光った眼には、激しい憤りの色がうかんでいた。
「お繁を小屋に運べ」
長平が、男たちに命じた。
【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】
347 :彼氏いない歴774年[sage]:2020/03/15(日) 18:17:24.39 ID:Vt2uv9vp
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一刻ほどたった頃、小屋の板戸がひらいた。
音吉が姿をあらわし、その後からお繁が出てきた。
彼女の体には縄は巻かれていなかった。
長平は、髪を直しているお繁に眼を据えた。
お繁は、大柄な体を音吉の背後にかくすようにして、眼を伏し加減に立っている。
男まさりのお繁とは別人のようにしおらしく見えた。
【身長170cm以上】長身の喪女あつまれ3【平均158cm】
348 :彼氏いない歴774年[sage]:2020/03/15(日) 18:21:04.13 ID:Vt2uv9vp
音吉が近づいてくると、
「お繁さんは、承知してくれたよ」
と、妙にうわずった声で言った。
長平は、お繁にあらためて視線を向けた。
お繁は、砂の上に裸足で立っている。
「音吉の言う通りかい」
長平が声をかけると、お繁は恥ずかしそうにうなずいた。
「それじゃ、親に掛け合うぜ」
お繁が、黙ったままぎこちない仕草で頭をさげた。


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