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477 :名無しさん@介護・福祉板[sage]:2019/05/16(木) 19:59:02.63 ID:fECEfs7M - 【ともに生きる やまゆり園事件から】 2016年08月08日
○ 冷 め 切 っ た 風 潮 表 面 に 「起こるべくして起こってしまった」。 和光大学名誉教授(79)は、相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件を知った時、そう感じたという。 知的障害がある三女(39)と同居している。 「障害者は不幸を作ることしかできません」「日本国が大きな第一歩を踏み出す」。 容疑者(26)は、衆院議長に宛てた手紙にそう書いて、重度障害者を次々と刃物で殺傷したとみられている。 同教授は「今の社会にとって、『正しいことをした』と思っているはずです」。 そして、「共感する人も必ずいるでしょう」と言った。 「 いまの日本社会の底には、生産能力のない者を社会の敵と見なす冷め切った風潮がある。 この事件はその底流がボコッと表面に現れたもの」。 不幸を生み出す障害者を代わりに殺してあげたというような代行犯罪に対しては、はらわたが煮えくりかえるような怒りを感じている。 「命とは何かを問うとき、その人の器量が問われる。障害者はいなくなってしまえばいい、というのは浅い考えだ」 娘は、言葉を発することが出来ない。自分で食事ができず、排泄(はい・せつ)の世話も必要だ。 「 命は尊いとか、命は地球より重いといった 『 きれいごと 』 は言えない。 『 あの子がいなければ 』 と 『 あの子がいてくれたから 』 という相いれない気持ちが表裏一体となり、日々を過ごしている 」 そ の 日 々 を 「 一 定 ( い ち ・ じ ょ う ) の 地 獄 」 と 表 現 す る 。 「 地 獄 で あ る こ と が 普 通 」 に な っ て し ま っ た よ う な 生 活 だ と い う 。 「 そ の 生 活 の な か で 、 ” ふ っ と 希 望 が 湧 く 瞬 間 が あ る ” 。 理 由 は 分 か ら な い 。 命 と は 、 分 か ら ず 、 は か れ な い 価 値 を 持 つ 」 憂慮するのは、超高齢社会に突入した日本社会が迎える窮状だ。 2025年には団塊の世代が後期高齢者になり、認知症患者が700万人に達するとみられている。 尊厳死や安楽死といった「死」への考察、「IQ20以下は人ではない」とする米国の生命倫理学者の考え。 障害者を社会の中でどう受け入れていくのか、親として考え続けてきたことが、一層問われていくと思っている。 ◇ 「津久井やまゆり園」で起きた事件をいったいどう考えたらいいのか。随時掲載します。 企画特集 1【ともに生きる やまゆり園事件から】 http://www.asahi.com/area/kanagawa/articles/MTW20160808150150001.html
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478 :名無しさん@介護・福祉板[sage]:2019/05/16(木) 20:04:51.22 ID:fECEfs7M - 障 碍 者 施 設 殺 傷 事 件 を 改 め て 問 う
悪 意 な き 悪 を め ぐ る 考 察 2016年夏に神奈川県相模原市で起きた大量殺傷事件、 … 「人類史上特筆すべき事件」。なぜ起きたのか。単に一人の特殊な人間の異常な犯行に過ぎないのか … 事件が起きたのは知的障碍者福祉施設 … 元男性職員が刃物で入所者19人を刺殺、入所者と職員の計26人に重軽傷を負わせた事件。 (容疑者はとっくにつかまっている。だが、誰が、誰をなぜ殺したのか ―― こんな肝心なことが正直よくわからない。のどもとにせせりあがっていいているものはある。 それを言葉にしようとすると言葉がボロボロと崩れる。思わず嗚咽する。闇にただよう血の匂い。重大事なのに語り得ない。言葉にならない) 「事件の質と衝撃の強さに比べ報道の量が本当に少ない。 表面的には報じても論ずるのは難しい。みんなイヤ、見たくない。考えたくない。」 「文学世界がすでになくなっちゃっているという印象。今は現実が物語世界を食い破っている。 現実の方がよほど残酷。ガルシア=マルケス、ヘミングウェイ、ドストエフキー『悪霊』、冷酷さ、ニヒリズム、それとも違う」 「ある夏の日の未明、青年が重度障害者を刺殺して回る、狂気ではなく、悪意でもなく、 むしろ『善意』と『使命感』を抱いて。その風景が自分を掻き乱す。あの風景は何なのか。 そして、次に起きる何を予見しているのか」 「実はあの青年と同じ負の情念を社会が共有しているのではないか」 「あの青年の背中を押したものは何か。この社会があの青年を衝き動かしたのではないか。 日常のベールを一皮めくると血まみれの惨劇がある。人の生産性の話をするまでもなく、 その血しぶきの飛沫を浴びていない人間はいないはずだ」 「現実の青年を見てみると、彼は獄中で『アンネの日記』を感動して読んでいる。 あの殺害と『アンネの日記』が彼の中で矛盾することはない気がする」 「 … 彼は無関心な者より本質的には差別者ではなく、入所者に関わってしまった人、 『お気の毒です。ああいうことはいけません。誰にも生きる権利があります』と言うだけで、 関わりを持たない人間より、むしろ人間的ではないか、殺人は許されざるという前提を除けば」 青年を擁護しているわけではない「人類史上特筆すべき事件」を理解するには、 犯行を糾弾するだけではなく、それを犯した人間お内面を探らなければ何一つ解けないという考え。 そして、加害者を単なる異常者とは思えなくなってくる。 多くの人間は自分の中にある悪意と善意、あるいは虚無と熱情を均衡させ、悪や善と共存する。 (無用者はいらない、あからさまなことは、胸をかすめても、絶対にいわないことのなっている。 社会はみな黙って示し合わせている。すさまじい悪意を出したり引っ込めたりして、 上手に使い分けている。そういう社会) 青年を「想像力を超越したありえない存在」「人間界にとってきわめて特殊な著しい例外」として、 突き放し、それ以上考えずに済ますのはたやすい事かもしれない。 「時代を解くのは難しい。人は物事を従来のタテマエ『善』で語るが、その手法が通用しない。 共生にせよ、人権思想にせよ、不規則発言に対し我々は正義で反論する。 でも、今までの建前はもはや通用しない」 「21世紀現在、正義は破綻し始めている。根の部分に悪意がないところが怖い。 悪意のないどうしようもなさ、悪意のない悪 … 」 「相模原事件の後に何が来るのか。あの風景以上のことが今後展開するのではないか。 … 」 (サンデー毎日2019年2月3日号)
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479 :名無しさん@介護・福祉板[sage]:2019/05/16(木) 20:07:42.66 ID:fECEfs7M - 包 摂 す る 社 会 の た め に
日本産婦人学会の倫理委員会は、妊産婦の血液から胎児の染色体異常を推定する NIPT(新型出生前診断)を実施できる医療機関を増やすために、施設要件を大幅に緩和する指針改定案を大筋で了承した。 今回の緩和の狙いは「産婦人科や小児科ではない専門外の医師が、丁寧な説明をせずに検査を行う認定外施設の広がりに歯止めをかける」ことにあるという。 当初、学会の指針に基いて認定されたのは17施設だった。それが今は90を越える。 そこでは臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーが、検査を希望する妊婦に適切なカウンセリング゙を行い、心理的なケアを行うことになっている。 だが、この新しい医療技術が普及し、その精度が喧伝されるうちに、無認定の医療機関での検査が横行するようになった。 こうした認定外施設は、医師からの予約や紹介状を必要とせず、若年の妊婦でも受けられ、初回の来院でも採決ができ、検査結果が出るのも速く、精度が高いなどと広告している。 そして何よりも費用が安くて済むというのが最大の売りだ。反面無認定の施設では遺伝カウンセリングの提供はなされず、用水検査が必要となった場合には別途費用がかかる。 いずれにしても認定外施設のNIPTの実施は、学会の方針に反して近年増加傾向にある。 この広がりに対し処分等では追いつかないので大幅な規制緩和措置によって、何とか学会の視圏に収めようというのが目論見のようである。 しかしながら、この指針で本当に「安価・簡便・迅速・精度」を謳い文句とする無認定施設の「広がり」をとめることができるだろうか。 あまり期待できない、むしろ助長してしまう虞すらある。 仮に費用に差がないとしても、そこには認定施設にはない簡易性や即効性がある。これにより、無認定施設は検査希望者のニーズを満たしているのである。 だから学会の指針など無意味だ、などと主張しているのでない。 そうでなくて、6年前の診断開始時に、もっと本質的な指針で望むべきだったといいたいのだ。 NIPTが「命の選別」に直結してしまうのではないか、という懸念は当初から指摘されていた。 私は開始前にといておくべき問題を2点に絞って提示しておいた。 1「胚や胎児など出産前の子供≠フ倫理的・法的地位はいかにあるべきか」 2「先天的な傷害や疾患を持つ子供≠『生むか・生まないか』の判断を親など当事者のみの決定にゆだねてしまってよいか」 さらに施行後、最終的に胎児の異常が確認された場合の中絶率が95%近くに及んだことを踏まえ、 「多くの親たちが、多くの家族が、そして多くの医師や看護師たちが、碌な公的ケアもなく、こんあ問いに苛まれているのだ。 この苦悩の数は『新型出生前診断』の更なる普及で今後、もっと増えていくだろう」 NIPTの普及が炙り出した諸課題を一つも可決できず、状況の変化に引き摺られるように規範を緩めていくだけ ・・・・。 ことによると学会は2013年4月1日、不用意にパンドラの箱を開け放ってしまったことに気付いていないのも知れない。 NIPTコンソーシアムのアンケート報告によると「検査前にカウンセリングを受けることで『子供を持つということについて改めて考える機会になった』 と90%の妊婦」が回答したそうである。 にも拘らず、最終的な中絶率はなお9割を超えている。 妊婦、夫婦の苦渋の決定を責めることはできない。人々を過酷な選択に追い込んでしまう社会の側の問題、国の障害者福祉やノーマライゼーション政策の問題ではないのか。 (週刊文春2019年2月28日号)
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