- 植松聖は神!批判する奴は死ね! [無断転載禁止]©2ch.net
817 :名無しさん@介護・福祉板[]:2018/11/22(木) 19:33:07.60 ID:PM3nYo4e - 構造改革路線の罪 格差拡大 社会を分断 推進役「自戒の念」 温かさ どう回復 1
早くから構造改革の必要性を訴えてきた経済学者が、「転向」したとして話題を呼んでいる。 昨年12月に出版した著書の中で「『構造改革』だけで人は幸せにならない。『功』よりも『罪』の方が大きくなってきている」と、 長年の主張を軌道修正したからだ。小泉構造改革の旗振り役となったことへの自戒の念を込めて、 世界に様々な矛盾を引き起こしたグローバル資本主義の問題について寄稿してもらった。 [[ し っ ぺ 返 し ] ] 未曾有の世界金融危機が我々に突き付けたもの、それは「グローバル資本主義」が持つ巨大な「牙」の実像だ。 言うまでもなく、グローバル資本主義とは、 利潤を求める国際資本がより高い収益を求めて自由に国境を越えて移動することが正義だとするイデオロギー、 あるいはそれに依拠する国際政治経済体制だ。 グローバル資本は、世界に残る未開拓の地域、生産性の低い国や効率の悪い企業を嗅覚鋭く探し当て、 そこに集中的に資本を投資することで開発を促進し、生産性を引き上げ、世界経済を活性化させる。 グローバル資本主義は確かにここ20年ほどの世界経済を大いに活性化させた。 新興国がここまで成長できたのも、資源ブームに乗ってそれほど有名でもない国が急に経済成長を始めたのもそのためだった。 その結果、世界経済は年率5%にも上る急成長を遂げることに成功した。これは、大きな功績であったといってよい。 しかし、この活況に浮かれた私たちを待っていたのは、とてつもない「しっぺ返し」だった。 グローバル資本主義がとうとうその巨大な牙をむき出しにした。 私はかつて、細川内閣と小渕内閣の時代に規制緩和や市場開放などを積極的に主張した。 小渕内閣では首相の諮問機関である「経済戦略会議」の議長代理を務め、 様々な提言を行い、そのいくつかが後の小泉構造改革に盛り込まれた。 私は、間接的な形ではあるものの、小泉改革の片棒を担いだことになる。 当時の私は、グローバル資本主義を推進することが日本経済活性化の切り札となると信じていた。 欧米流の「グローバルスタンダード」に合わせることが不可欠だと信じて疑わなかった。 それが日本社会に様々な副作用をもたらすことを予想できなかった。
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818 :名無しさん@介護・福祉板[]:2018/11/22(木) 19:34:31.71 ID:PM3nYo4e - 構造改革路線の罪 格差拡大 社会を分断 推進役「自戒の念」 温かさ どう回復 2
[ [ 三 つ の 傷 ]] 私は、昨年12月、「懺悔の書」として「資本主義はなぜ自壊したのか」(集英社インターナショナル)を出版した。 その中で時間の念を込めて指摘したかったのは、その巨大な「牙」負わせるであろう「傷」に対する確固たる認識を持たずに、 グローバル資本主義をさらに推し進めることの愚かさと危険だ。 「傷」とは、第1に「バブル崩壊と世界大不況」、第2に「貧困層の増大と社会の崩壊」、そして第3は「地球環境破壊の加速」だ。 第1の「バブル崩壊と世界大不況」については、多言を要しない。 多くの経済学者が何度も警告してきたように、資本主義の本質は「投機」である。 儲かりそうだという情報があれば、投機家がそこに群がり巨大な投資を行う。 逆に損をするかもしれないという情報が入れば、投機家は一斉に売りに殺到する。 その結果、「真実の価値」とは無関係に無謀な価格付けが行われてしまう。 高すぎる価格付けが行われた時がバブルであり、それはやがて崩壊する運命にある。 実際、この20〜30年の世界は、バブルの生成と崩壊の繰り返しだった。1987年の米国ブラックマンデー、 90年代初頭の日本バブルの崩壊、97年のアジア通貨危機、2001年のITバブル崩壊、そして今回の世界大不況。 バブルの生成と崩壊は、決して異常な事態ではなく「常態」なのだ。これが、小学生にもわかるバブル生成と崩壊のストーリーである。 「資本の自己増殖」(金儲け)という「強欲」に目がくらんだ我々「大人」には見えなかったということだ。 第2の「貧困層の増大と社会の崩壊」も深刻だ。現代のアメリカ大企業では、経営トップは何と平社員の400倍の報酬を得ているという。 40年前、この数字は、「たったの」40倍だった。 米国では、健康保険に入れない人々が5000万人近くいる。 この状態で手術を受けることになると、たいていの人が過大な責務を抱え込んで破産してしまう。 最先端の医療技術を誇るアメリカだが、それを享受できるは大金持ちだけ。 最貧層が受ける医療水準は、お隣のキューバよりも低いという統計もある。
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819 :名無しさん@介護・福祉板[]:2018/11/22(木) 19:35:34.04 ID:PM3nYo4e - 構造改革路線の罪 格差拡大 社会を分断 推進役「自戒の念」 温かさ どう回復 3
[ [ 貧 困 率 ワ ー ス ト 二 位 ]] 問題なのは日本だ。 「平等社会」と言われてきた日本も先進国の中ではアメリカに次ぐ「貧困大国」になってしまった。 正確にいえば、所得税や社会保障給付など、 国による所得再分配が行われた後の「貧困率」(中位所得者の所得の半分以下しか稼げない貧困層の比率)でみると、 日本は、アメリカに次いで、世界ワースト2位だ。貧困率で見ると、アメリカが17.1%、日本が14.9%。 社会保障が行き届いている北欧諸国はわずか5〜6%にすぎない。 非正規社員の急増など、日本は、もはや「平等社会」ではなくなった。 その結果、日本社会は分断され、この社会が本来持っていた「一体感」「温かさ」「安心・安全」、「人の絆」や信頼関係が棄損され、 人々の孤立が目立つようになった。長期的な目で見ると、日本にとって極めて大きな損失だと思う。 第3の「地球環境破壊」もグローバル資本主義によるところが大きい。 なぜなら、規制が厳しくなれば、グローバル資本は規制の緩やかな地域に投資先を変えるため、地球全体では環境破壊は加速するからだ。 グローバル資本主義に一定の歯止めをかけない限り、急速に進行中の地球環境破壊を止めることはできそうもない。 世界は今、大不況からどうやって脱出するかに全力をあげている。 それが極めて重要な政策課題であることは間違いないが、もっと本質的なのは、グローバル資本という「モンスター」に これからどうやって鎖をつけるのかということだろう。 グローバル資本のさらなる自由化を求める「新自由主義」を推進するだけでは、金融危機も、格差拡大も、社会の棄損も止まらない。 とりわけ、とりわけ、貧困大国となった日本社会をもう一度「一体感」のある温かい社会に戻すには何が必要なのか。 このことこそ、我々が今、真剣に問い直さなければならない喫緊の課題なのではないだろうか。 (2009.2.11 読売新聞)
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