- ゆうきゆうが精神疾患のある十代女性と肉体関係 15
380 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:02:05.78 ID:yvC0gra+M - りゆらりと立帰りしところ、裏のうち騒がしく「さても胆太き者どもかな」と口々に言う。何事かと聞けば隣長屋に明店あきだなあり
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381 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:05:46.36 ID:yvC0gra+M - しに突然暮方くれがた二人の男来りてその家の建具類を持ち去る、大方おおかた家作主の雇いしものならんと人も疑わざりしを、深沢
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382 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:09:28.81 ID:yvC0gra+M - が見咎めて糺ただせば詞ことば窮して担いかけし障子襖ふすまを其所そこへ捨て逃げ去りしなりというに、東京という所の凄すさまじ
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383 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:13:10.46 ID:yvC0gra+M - さ、白昼といい人家稠密といい、人々見合う中にて人の物を掠め去らんとする者あり。肌へ着けたりとて油断ならずと懐中へ手を差し
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384 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:16:51.93 ID:yvC0gra+M - 入れて彼の胴巻を探るに、悲しやある事なし。気絶して其所そこに倒れんとするほどになり、二階に駆け上りて裸になりて改めれどな
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385 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:20:33.95 ID:yvC0gra+M - し。泣く悲しむという事は次になり、ただ茫然たるばかり、面目なきながら深沢に話せば、これも仰天し、「実は伯父ご様の御文中に
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386 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:24:14.94 ID:yvC0gra+M - も若干の学資を持たせ遣したりとあれば、それを此方こちらへ御預かり申さんとは存ぜしが、金銭の事ゆえ思召す所を憚はばかりて黙
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387 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:27:56.27 ID:yvC0gra+M - 止たりしが残念の事を仕つかまつりたり」と言うに、いよいよ面目なくますます心は愚にかえりて我身も頼もしからず。今さら学資を
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388 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:31:37.57 ID:yvC0gra+M - スリ取られたとは在所へ言いもやられず、この上は塾僕学僕になりてもと奮発せしかど、さる口もなく空しくこの家に厄介となり、鼻
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389 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:35:19.35 ID:yvC0gra+M - 紙の事まで深沢の世話になるようになれば、深沢は頓着せぬ様子なれど女房は胸に持ちて居ずもがなの気色見えたり。余も心退けて安
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390 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:39:01.14 ID:yvC0gra+M - からねば「いかなる所にても自活の道を求めたし」と言えば、深沢も「折角我等を人がましく思いたまいて伯父ごより御添書ありしに
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391 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:42:43.33 ID:yvC0gra+M - 学校へも入れ申さぬは不本意なれど、御覧の如くの体ていなれば何事も心に任せず、ここに新たに設けし活版所あり、しばらくこの職
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392 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:46:24.75 ID:yvC0gra+M - 工となりたまいてはいかに、他の業ならねば少しは面白くも候わん」と勧むるに、この事は他の業よりは望む所に近ければただちに承
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393 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:50:08.27 ID:yvC0gra+M - 知して活版職人となりぬ。浅草諏訪町の河岸にて木造の外だけを飾りに煉瓦れんがに積みしなれば、暗くして湿りたり。この活版所に
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394 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:53:49.64 ID:yvC0gra+M - 入りてここに泊り朝より夕まで業に就き、夕よりまた夜業とて活字を取扱う。随分と苦しけれど間々に新聞雑誌などを読む事も出来、
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395 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 00:57:30.16 ID:yvC0gra+M - 同僚の政治談も面白く、米国のある大学者も活版職より出たり、必竟ひっきょう学問を字を習い書を読む上にのみ求めんとせしは我が
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396 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:01:11.31 ID:yvC0gra+M - 誤ちなりし、造化至妙の人世という活学校に入りて活字をなすべしと、弱りたる気を自ら皷舞して活発に働きしゆえ、大いに一同に愛
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397 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:04:52.58 ID:yvC0gra+M - 敬せられ、思いの外の学者なりと称えられたり。月日の経つは活字を拾うより速かに、器械の廻るより早し。その年の夏となりしが四
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398 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:08:34.41 ID:yvC0gra+M - 五月頃の気候のよき頃はさてありしも、六七月となりては西洋擬なぞらいの外見煉瓦蒸暑きこと言わん方なく、蚤のみの多きことさな
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399 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:12:15.95 ID:yvC0gra+M - がらに足へ植えたるごとし。呉牛ごぎゅうの喘ぎ苦しく胡馬こばの嘶いななきを願えども甲斐なし。夜はなおさら昼のホテリの残りて
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400 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:15:55.83 ID:yvC0gra+M - 堪えがたければ迚とても寝られぬ事ならば、今宵は月も明らかなり、夜もすがら涼み歩かんと十時ごろより立ち出で、観音へ参詣して
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401 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:19:37.35 ID:yvC0gra+M - 吾妻橋の上へ来り。四方を眺むれば橋の袂に焼くもろこしの匂い、煎豆いりまめの音、氷屋の呼声かえッて熱さを加え、立売の西瓜す
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402 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:23:18.86 ID:yvC0gra+M - いか日を視るの想あり。半ば渡りて立止り、欄干に倚よりて眺むれば、両岸の家々の火、水に映じて涼しさを加え、いずこともなく聞
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403 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:27:00.98 ID:yvC0gra+M - く絃声流るるに似て清し。月あれども地上の光天をかすめて無きが如く、来往の船は自ら点す燈におのが形を示し、棹に砕けてちらめ
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404 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:30:42.44 ID:yvC0gra+M - く火影櫓行く跡に白く引く波、見る者として皆な暑さを忘るる物なるに、まして川風の肌に心地よき、汗に濡れたる単衣ひとえをここ
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405 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:34:23.88 ID:yvC0gra+M - に始めて乾かしたり。紅蓮ぐれんの魚の仏手に掏すくい出されて無熱池に放されたるように我身ながら快よく思われて、造化広大の恩
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406 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:38:05.62 ID:yvC0gra+M - 人も木も石も金もともに燬やくるかと疑わるる炎暑の候にまたかくの如く無尽の涼味を貯えて人の取るに任すとは有難き事なりと、古
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407 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:41:46.77 ID:yvC0gra+M - 人の作中、得意の詩や歌を誦するともなく謡うともなくうめきながら欄干を撫でつつ歩むともなく彳たたずむともなく立戻たちもとお
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408 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:45:27.58 ID:yvC0gra+M - り居るに、往来の人はいぶかしみ、しばしば見かえりて何か詞ことばをかけんとして思いかえして行く老人あり、振りかえりながら「
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409 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:49:09.14 ID:yvC0gra+M - 死して再び花は咲かず」と俚歌りかを低声に唄うて暗あんに死をとどむる如く誡いましめ行く職人もあり。老婆などはわざわざ立かえ
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410 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:52:50.01 ID:yvC0gra+M - りて、「お前さんそこにそうよっかかって居ては危のうございますよ、危ないことをするものではありませんよ」と諄々じゅんじゅん
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411 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 01:56:37.07 ID:yvC0gra+M - と諭さとさるる深切しんせつ。さては我をこの橋上より身を投ずる者と思いてかくねんごろには言わるるよと心付きて恥はずかしく、
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412 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:00:18.84 ID:yvC0gra+M - 人の来るを見れば歩きてその疑いを避くるこの心遣い出来てより、涼しさ元のごとくならず。されどこの清風明月の間にしばらくなり
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413 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:04:01.01 ID:yvC0gra+M - と居た者が活版所へ戻りて半夜なりとて明かさるべきにあらねば、次第に更けて人の通りの少なくなるを心待にして西へ東へと行きか
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414 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:07:42.87 ID:yvC0gra+M - えるうち、巡行の巡査の見咎むるところとなり、「御身は何の所用ありてこの橋上を徘徊さるるぞ」と問われたり。予もこの頃は巡査
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415 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:11:24.69 ID:yvC0gra+M - に訊問さるるは何にかかわらず不快に感ずる頃なれば、「イヤ所用なければこそこの橋上を徘徊致すなれ」と、天晴よき返答と思いて
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416 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:15:06.21 ID:yvC0gra+M - だと思う２『紫の峡谷ライ・クーダー』およそロック
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417 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:18:53.42 ID:yvC0gra+M - め下したり。「何のために宿所姓名を問いたもうか、通り少きこの橋上月をながめ涼みを取るもあながち往来の邪魔にはなるまじ」と
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418 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:22:35.85 ID:yvC0gra+M - やり返せば、「御身の様子何となく疑わしく、もし投身の覚悟にやと告ぐる者ありしゆえ職務上かく問うなり」と言うに、詮方せんか
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419 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:26:23.72 ID:yvC0gra+M - たなく宿所姓名を告げ、「活版所は暑くして眠られぬまま立出し」とあらましを話せばうなずきて、「然らばよし、されど余り涼み過
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420 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:30:05.95 ID:yvC0gra+M - ると明日ダルキ者なり、夜露にかかるは為悪し早く帰られたがよからん」との言げんに、「御注意有り難し」と述べて左右に別れたれ
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421 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:33:47.97 ID:yvC0gra+M - ど予はなお橋の上を去りやらず。この応答に襟懐俗了せしを憾みたり。巡査はまた一かえりして予が未だ涼み居るを瞥視して過ぎたり
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422 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:37:29.89 ID:yvC0gra+M - 。金龍山の鐘の響くを欄干に背を倚せてかぞうれば十二時なり。これより行人稀となりて両岸の火も消え漕ぎ去る船の波も平らに月の
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423 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:41:10.91 ID:yvC0gra+M - 光り水にも空にも満ちて川風に音ある時となりて清涼の気味滴る計りなり。人に怪しめられ巡査に咎められ懊悩としたる気分も洗い去
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424 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:44:53.31 ID:yvC0gra+M - りて清くなりぬ。ただ看れば橋の中央の欄干に倚りて川面を覗き居る者あり。我と同感の人と頼もしく近寄れば、かの人は渡り過ぎぬ
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425 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:48:35.09 ID:yvC0gra+M - 。しばしありて見ればまたその人は欄干に倚り仰いで明月は看ずして水のみ見入れるは、もしくは我が疑われたる投身の人か、我未だ
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426 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:52:17.05 ID:yvC0gra+M - さる者を救いたる事なし、面白き事こそ起りたれと折しもかかる叢雲むらくもに月の光りのうすれたるを幸い、足音を忍びて近づきて
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427 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:55:59.51 ID:yvC0gra+M - 見れば男ならで女なり。ますます思いせまる事ありて覚悟を極きめしならんと身を潜まして窺うに、幾度か欄干へ手をかけて幾度か躊
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428 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 02:59:40.31 ID:yvC0gra+M - 躇し、やがて下駄を脱ぎすつる様子に走り倚りて抱き留めたり。振り放さんと※(「足へん＋宛」、第3水準1-92-36)もがく
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429 ：優しい名無しさん (ｿﾗﾉｲﾛ MMa7-Mqc2 [18.182.27.97])[sage]：2018/04/12(木) 03:03:21.85 ID:yvC0gra+M - を力をきわめて欄干より引き放し、「まずまず待たれよ死ぬ事はいつでもなる」詞ことばせわしくなだむるところへ早足に巡査の来り
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