- もう限界が近づいて来てる人のスレッド161
463 :優しい名無しさん[sage]:2013/05/07(火) 15:52:47.38 ID:Vqk+iUIe - 昔ある村に親孝行な娘と病気の母親がいたんだと。
母一人子一人なんで娘は小さいころから毎日毎日 寝たきりの母親の介護をしたんだ 近所の友達と遊びたくても遊べなくて 適齢期になっても結婚もできなくてな 不平不満は当然あったけど心の奥にしまって 来る日も来る日も母親の介護をしたんだと。
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465 :優しい名無しさん[sage]:2013/05/07(火) 16:11:14.06 ID:Vqk+iUIe - 娘は毎日近くの観音堂で母親の病気が治るように祈ったんだと。
母親のほうは娘が不憫で毎日寝床から 観音様に娘が幸せになれるようお願いしたんだ でも一向に病気はよくならず歳月だけが流れたんだと。 そんなある晩のこと…
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468 :優しい名無しさん[sage]:2013/05/07(火) 16:29:20.71 ID:Vqk+iUIe - 母親の夢枕に観音様が現れなさったんだと。
観音様のおっしゃるには観音堂の横にある井戸で 毎晩100回水ごりの行をして祈願しなさい 100日これを続ければお前たちの願いをかなえてやる これはお前たちの母娘の愛に免じた特別な計らいだから 他人には話してはならぬと そうおっしゃって観音様は消えなさったんだと。
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472 :優しい名無しさん[sage]:2013/05/07(火) 16:49:18.64 ID:Vqk+iUIe - ところで同じ村にもう一組
同じような母親と娘がおったんだと。 やはり小さいころから娘が母親の看病をしたのだけど こちらの母親は病気のつらさから いつも娘にあたってばかりいて 娘のほうもいつも母親に自分の境遇の愚痴を言って 母親に意地悪をしてたんだと。
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473 :優しい名無しさん[sage]:2013/05/07(火) 16:58:21.10 ID:Vqk+iUIe - 話を戻して孝行者の母娘の方は早速願をかけることにしたんだと。
観音様は私の夢枕に立たれたのだから私がやると 母親は言い張ったんだけど 娘はそんなことをしては母親が死んでしまう 母親が死んでしまっては自分が幸せになっても意味がないと そう言って母親を説得して 自分が願をかけることにしたんだと。
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475 :優しい名無しさん[sage]:2013/05/07(火) 17:17:51.23 ID:Vqk+iUIe - 毎日の野良仕事と母親の世話を済ませたあとで
娘は毎夜毎夜観音堂の井戸水で水ごりをしたんだと。 季節は冬から春に変わるころで 日中は暖かい日もあるけれどまだまだ夜は寒いし 井戸水は冷たくて本当につらかったけれど それでも娘は一生懸命母親の病気が治るようにと 観音様にお願いしたんだと。
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477 :優しい名無しさん[sage]:2013/05/07(火) 17:27:33.52 ID:Vqk+iUIe - 若い娘の身で毎夜100回の水ごりはとてもつらかったんだと。
でもこれで母親の身体のつらさが癒されるのならと 雨の夜も風の夜もがんばって続けて 母親もそんな娘の体を心配して 寝床で毎日毎日娘の幸せと健康を祈って そして母娘が心を合わせての願掛けの最後の夜がきたんだと。
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478 :優しい名無しさん[sage]:2013/05/07(火) 17:38:42.25 ID:Vqk+iUIe - 娘が水ごりの最後の一杯を終えた時
観音堂の扉があいて中から金色に輝いた観音様が現れなさったんだと。 観音様がおっしゃるには 娘よよく頑張った お前の望みはかなえてやる 帰って確かめてみよ ただしこれは特別なことなので他の者には話してはならぬ お前たち母娘のお互いを思いやる心に免じてのことであるからと そうおっしゃって観音様は消えなさったんだと。
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479 :優しい名無しさん[sage]:2013/05/07(火) 17:41:40.72 ID:Vqk+iUIe - ダラダラ長くなって申し訳ない。
ちょっと休憩します。
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491 :優しい名無しさん[sage]:2013/05/07(火) 20:12:02.04 ID:Vqk+iUIe - 娘が今夜100回目の水ごりを終えたちょうどそのとき
観音堂の扉が開いて中から怪しげな男たちが現れた。 「よう姉ちゃん色っぽいカッコじゃねえか」 リーダーらしき男の目配せを合図に 二人の男が娘の手をつかんだ 井戸水に濡れて乱れた白装束が娘の体に張り付き 娘の幼い顔に似合わぬ豊満な体の線が月夜に映し出された 「いや。やめてー」 村はずれの観音堂で娘の声は夜空にむなしく響いた
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