- 【禿の中古車物語その4】
599 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 11:26:56.78 ID:IE9f44vF - GWも終わり。
次回 『北の国から2012』〜禿と奇妙な道産子男爵編〜 第一話『道産子男爵登場の巻』 はじまるよ!!
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- 【禿の中古車物語その4】
600 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 12:00:42.47 ID:IE9f44vF - GW特別企画 『北の国から2012』〜禿と奇妙な道産子男爵編〜
第1話 道産子男爵登場 『したっけ、こればくりっこしようねぇ!なーにちょすってないよ? 男爵はおもむろに自分の愛機を指差すとそう叫んだのだ!第8話 怪魚イトウと男爵より』 これは、2012年4月末に本当にあったお話です。 禿自動車はいつも通り朝9時開店すると、社長の禿・社員N村・バイトO川の3人で朝のコーヒーブレイクを楽しんでいた。 コーヒブレイクの話題と言えば、、隣町にできたピンサロ嬢のテクについて。 3つ駅隣の駅前にあるパチンコ店のコーヒー売り子の胸のサイズ議論。 又は、近所の公園の男女共同トイレでN村が発見してきた「超小型盗撮カメラ内部の映像をどうやってみることができるのだろうか?」 といったような、、朝から激しい議論、討論、、、。 そんな、”どこにでもある”爽やかな朝のひと時である・・・!いきなり一台のミニカトッポ(推定平成5年式、丸めヘッドライトで色はもちろん黄色)が 「ガラガラガララララッ!!!!ガラッシャー!!」と、けたたましいDシャフト音を立てながら展示場脇の駐車場へ滑り込んできたのである・・・!! 3人は顔を見合わせながら心の中でこう思っていただろう・・。 「ちっ!うざそうなのキタゎ・・。ていうか、DQNってなんで朝一番に来るの?ばかなの?しぬの?こっちはまだコーヒー飲んでんの!!」 という心の声はさておき、、、 兎にも角にも、一台のミニカトッポが禿自動車にやってきたのは事実なのである・・・・!! 駐車場に斜めに停まったミニカトッポの中で奇妙な人影がうごめきはじめた。 春の眩しい日差しに、おおよそクーラー故障でエアコンが効いていなそうな車内には陽炎のような人影がゆれている・・。 それから、、、3分後くらいだろうか?3名が固唾を呑んで見守っていると、 ガチャリと開く運転席から・・・奇妙な男爵が舞い降りてきたのだ・・・!! これが、、GW前の禿自動車を揺るがす、、奇妙な物語の序章だったのは言うまでも無い・・。 春の朝の陽が凄く眩しかった素敵な朝は、これを期に混沌な朝へと変化していくのだ・・・。 第2話 「熊っこ」の巻 お楽しみに♪
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601 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 12:29:57.31 ID:IE9f44vF - 第2話 熊っこ
男爵はトッポから下車すると、まっすぐに禿自動車事務所には来ず、、 展示場においてある”代車だが近いうちに廃車する予定”の走行18万キロを走破しているワゴンRの周りをうろつき始めた・・・・・ これ、、誰が行って話聞いてきてやらんとなw もちろん立場の弱い0川が男爵の元へ行くことになった。 0川は丁寧に語りかけたそうだ・・。 「あのぉ、、おはようございます。今日はお車を見に来られたのでしょうか?」 すると、男爵は思いもよらぬ一言を返してきたので・・・ある! 「あいや!熊っこかと思ったぜよ!あんたぁ毛深くてみったくないなぁ・・。苦労してるっしょ?w」 直訳すると、「ちょwお前熊かよ?w毛深くて不細工極まりないねw苦労してるよね?w死んでよし」 みたいな意味だ。 大よそ文明人が初対面の人間に対して放つ言葉ではないw 0川はめげずに答えた。 「いえいえ、、そんな、苦労だなんて、、、それより、車、、見にきたんですよね?」 0川は年齢32歳、少しはげで毛深く身長155cmで体重87キロ、かつての禿の盟友てつろう似のナイスガイだ。禿自動車にバイトで採用された理由は、、 「禿が、自分よりも劣っている不細工でチビだったから・・・」と後のインタビューで語っている。 と、それはさておき男爵はというと、、 身長170前後、痩せていてで髪の毛は薄く、推定年齢50才、顔は「あとうかい」に似ている。 服装は、春だというのにドカジャン、ジャージ(黒に白い2本線入り)、ロングな長靴。 そんな男爵は、再度の0川の問いかけにこう答えてきた。 「いんや、やっぱあんた、熊っこだよ!」 次回 第3話 俺の新車の巻
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- 中古車屋でだまされないために勉強する為のスレ
408 :名無しさん@見た瞬間に即決した[]:2012/05/06(日) 12:32:59.13 ID:IE9f44vF - え?
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- 【禿の中古車物語その4】
602 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 12:58:14.08 ID:IE9f44vF - 第3話 俺の新車の巻
5分後、くやしそうな表情のO川が事務所に帰ってきた・・・。 「どれ・・・」と、重い腰を上げたのは我らが禿、その人である。 禿は数分ほどO川に講義をした。 禿はO川にこんなありがたい講義をした・・。 「おい、O川君、まあ君は販売経験無いから仕方ないが、お客様に何を言われても動じない。相手はお客様だ、お金を払っていただけるのだから、何か言われても冗談で笑い飛ばす余裕を持て。」 「お客様の車をけなすな!どんなボロでも大切に乗ってきた愛車なんだ・・。家族?と言っても良い存在かな?」 「まあ、ここは俺が言ってくるから、お客様の対応などを良く見て盗むんだぞ。」 そういい終えた禿は、なにやら満足げな表情で阿藤のいるワゴンR前まで歩いていった。 「いらっしゃいませ!お客さん!今日は軽自動車をお探しに来られたのですか?」 笑顔で明るく朗らかに語りかけた禿に、男爵はこう切り返す・・・ 「あいや!なんだなんだここんちは!さっきの熊っこよりもはんかくさくてみったくないうすら禿がきたなや!!」 無情な言葉は、実は傷つき易い禿のハートに深く刺さった・・・。 禿はそれでもみんなの見ている前でもあるので取り繕いながら、、 「あのぉ、そちらのワゴンRは売り物じゃないんですよ〜もう古いんで解体寸前なんです。」と阿藤に伝えるのだが、 阿藤はそんなことをいちいち聞かない道産子なのだ・・! 「ん?なんだ?まあだいたのか?このチビっこ。これ解体か?確かに汚いなそしたら俺のは新車みたいなもんだな!」 続けざまに・・ 「おいちび!ここんちは俺のミニカをいくらで欲しいんだ?クーラー効かないけんど、調子いいべよ!」 このあたりで禿も限界だった!さっき0川に伝授した教えはいずこへ?w 「あのさ!お客さんさ、そんな糞みたいなトッポ要らないよ!!しかも、さっきからチビとかハゲとかなんなんです?あ?」 阿藤はその問いにこう返す・・ 「だども、チビでねぇが!あたまんテッペンうすいべ?毛?ミニカは調子いいべ!まだ12万キロだんべよ!」 2人は30分ほど醜いいい争いを続けていたと言う。 一方0川は禿の接客を見て「うちの社長ねぇ・・あーいうのだけにはなりたくないっす!」と後のインタビューで答えていたそうだ。 っと、、その瞬間だ!!ミニカトッポの助手席がガチャリと開き・・・・!! もう一人の男が舞い降りてきたのだ・・・!! 身長180cm体重100キロはありそうな巨漢だ! 「おう!うるせぇ店だな!ああ?生意気なことばかり言いやがって!!」 禿自動車特有の・・・熱い展開へと、扉が開かれた瞬間でもあった!! 第4話 「神様N村さま」 の巻 お楽しみにネ♪
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603 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 15:05:59.05 ID:IE9f44vF - 第4話 神様N村さま
男はミニカトッポ(黄色)の助手席からゆっくりと降り立った・・・。 身の丈180cmオーバーの巨漢だ・・・! 元来ビビリで160cmの「チビ・ハゲ・デブ」の禿はたまったもんではない!! とりあえずみんなが見ているので・・冷静なふりをして 「おたくはどちら様です?・・・か?」 と尋ねるのが精一杯だ・・・! 何しろ男は上下半袖デニムから出た手足も筋肉質でゴツく・・・なにやらわからないが猛り狂っているのだ! 服装こそスギちゃんだが、、その顔は往年の「うえだうまのすけ」そのものなのだ・・! 禿の問いかけに気が付いた上田は「あ・・ん?ん・・なも・・の・・ど・どーでもいいんだ・・よ!お・・俺のツレの敵だろお前・・ら?」 と、インディアン風カタコト言葉で臨戦モード全快である・・! それにしても、巨漢でゴツイ奴はなぜかカタコトが多い。 体がでかいため、脳から出た命令が体内を駆け巡り、伝達する速度が遅いのが原因なのだろうか? それはさておき、上田は禿の元へと歩み寄ってきた・・・! ビビル禿,,,っとその時だ!禿自動車の暴れ牛N村が禿の前に立ちふさがった! N村も上田に負けず185cm90キロ!見た目はナッパに似ているヤンキー崩れなので・・・・ある! 「脳はだめだが、腕には多少の自信がある」と、後のインタビューでも語っていた。 N村は「さ、禿社長、、、後ろに下がっていて下さい。」 と、まるで生まれたての鳥の雛の様な禿の産毛のある頭をふわりとなであげると、やさしい口調で禿を後方へといざなう・・。 ついに両雄激突の舞台は整ったのだった。 第5話 「腹減った」の巻
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604 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 15:14:36.97 ID:IE9f44vF - 第5話 腹減った
硬直したシーンは5分ほど続いた。 最初に動いたのは上田である・・・! 「お・・おまで・・も・・おでの敵か・・?」 カタコトで呟いた上田に対し、N村の取った行動は以外だった・・。 「腹減らない?」 すると、不思議な事に上田も”ソレ”に同調したので・・・ある! 「腹減った」 その後、2人は好きなラーメンの種類を教えあったり、N村がマックアメリカンバーガーの制覇話、 負けじと、上田が吉牛でマイどんぶりを持っている話題・・。 心のつながった巨漢2人は近所のラーメン屋に行くと言い残すとその場を去った。 第6話 「で?」 の巻
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605 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 15:44:34.76 ID:IE9f44vF - 第6話 「で?」
残された3人はその後どうなったのだろう? 禿は阿藤に対し「いい大人が喧嘩しても仕方ないですし、軽自動車お探しなんでしょ?」 と優しく問いかけた。 阿藤は少し反省した様子で、 「あいや、俺もしづれいなこどさ言ってすまって、もすわげないべ。」と丁寧に詫びた。 そして、実は自分は北海道から1週間前に出て来たこと・・・ 北海道では自分を知らない奴はモグリだということ・・・ おととい51歳になったとらしい・・・ 実は、北海道の釧路に3人のフィアンセを残してきたこと・・・ ミニカトッポの調子が良いという自慢話・・・ 実は上田とは、出会ってからまだ2日も経っていないということ・・・ 上田とは2日前行った日雇い現場で出会って意気投合して友達になったこと・・・ 昨日、現場監督を怒らせて現場を首になったこと・・・ 北海道ではイトウ釣りの名人だったということ・・・ 今までの経緯をおもむろに語りだした。 禿はそれを聞きながら・・・心の中で「で?」と、思っていたという。 第7話 「軽自動車株式会社」の巻
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606 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 15:58:32.09 ID:IE9f44vF - 第7話 「軽自動車株式会社」
あのぉ、「軽自動車をお探しにきたんではないんですね?」 長い身の上話に嫌気がさした禿は、生まれたての雛の様な頭髪をふわりと揺らしながら阿藤に問いかけた。 阿藤は、「あ、、悪い悪い!じ・・実はね、俺らぁ〜2人で軽自動車株式会社を建てようと思ってる」 びっくりしたのは禿である・・・! 軽自動車株式会社なんて言葉は生まれてこの方聞いたことも無いのだ。 恐る恐る、どんな会社なのかを阿藤に問うかけてみると・・ 「ほれ、上田はあんなだろ?!だからよ、おれら2人で良い軽自動車買ってよ。荷物注文して運ぶのよ!」 禿は「ぇ?それって運送業・・・・で・・すよね?」と問いかけるが、 阿藤は遠い目をしながらこう答えてきた・・。 「いや・・そういうんじゃない。それは仕事だべ?俺らのは荷物を注文してさ、、ちょっとだけお礼もらって運んでやるんさ!」 ※誇らしげに鼻の下を擦りながらそう言い放つ阿藤は・・・「基地外」みたいだったと、後日インタビューで禿は回答している。 禿は、ソレを聞き、ニコリと微笑むと腕を腰の後ろに組み、、ゆっくりとゆっくりと事務所に向かった。 阿藤は自分の話題を無視されたのが気にいらなかったようで、 「おい!社長さんよ!!んじゃあれだ、交換ちゅうーのはどうさ?」 渾身の問いかけを投げかけてきたのである・・・・!! 第8話 「怪魚イトウと男爵より」 の巻
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607 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 16:05:28.73 ID:IE9f44vF - 第8話 「怪魚イトウと男爵より」
「交換?って、、何をですか?」と、答えたのは禿である。 それに対する阿藤の回答はトンデモないものだった。 「おれよ、イトウ釣りの名人っしょ?だからよ、イトウをバンバン社長に送るしさ」 といい終えるや否や、展示場においてある12年落ちのE50エルグランド3500ccXを指差しながら・・・続けざまにこう言い放った・・・! 『したっけ、こればくりっこしようねぇ!なーにちょすってないよ? 男爵はおもむろに自分の愛機を指差すとそう叫んだのだ! 謎の言葉の内容を紐解いていくと、軽自動車株式会社を創立する人が、 良い軽自動車を探しているのに、自分のミニカトッポと、禿自動車においてある3.5リッターの古いエルグランドをす取っかえしてくれ! といった、意味不明でわけの分からない提案をしてきているのだ。 軽じゃないの? 株式の意味知ってるの? イトウなんていらないよ? ミニカトッポなんて無料でも要らないよ? 禿の胸中は奇妙な男爵の発言で揺れ動いているのだ。 第9話 「軽より広いから・・・」 の巻
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608 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 16:19:34.43 ID:IE9f44vF - 第9話 「軽より広いから・・・」
禿は「あのエルグラなんですが、軽自動車株式会社に使うんですか?」 と、小さな子供に問いかけるように尋ねた。 阿藤は、少々気をよくしながら「いやいやまさかぁ〜あれは事務所っしょ!そこらの公園で寝泊りすんのに便利っしょ」 そうこうしている間に、N村と上田が帰ってきた。 N村は禿の耳元にこうささやいた・・・。 「社長、こいつら、なんか寝泊りできる車探してるみたいなんですよ。でね、上田は貯金30万あって、さっき全額下ろしてきたみたいなんす」 禿自動車のエルグラは25万円のプライス。 うまくいけば上田や阿藤の城にすべく、販売できる額でもある・・! しかも、エルグラはどうせ売れなくてAAにぶん投げようとしてたし、もしもぶん投げたら5万くらいにしかならないので・・ 阿藤に「・・・あんたたち、きにいった!これ20万でもってきなよ!」と、捲くし立て始めた。 1時間後、自倍1ヶ月分サービスで仮ナンバーを仮に行った阿藤・上田・つきそいのN村が帰ってきた。 次回 最終回 『夢の城』 の巻
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609 :禿 ◆YsYDMwVBX6 []:2012/05/06(日) 16:32:02.04 ID:IE9f44vF - 最終回 『夢の城』
禿自動車の近くには大きな公園がある。 春には子供達の野球やサッカーの試合、夏はキャンプ合宿。 秋は大運動会など、数多くのイベントが行われる市営の大きな公園だ。 その駐車場奥に・・・”彼ら”は住み着いたので・・・・ある! 朝は公園の水道で炊事・洗濯。 昼は昼寝しながら野球を聞きビール三昧。 夜は2人っきりのキャンプファイヤーだ・・! 子供も多く、近所の主婦や老人の憩いの場でもある。 そんな場所で、むさくるしく怪しい道産子が炊事やキャンプファイヤーをしているシーンを想像してみて欲しい。 彼らが目指した軽自動車株式会社、その事務所として公園に設置されたエルグランド。 それらは本当に現実だったのだろうか・・・・? なぜ? あれから1週間、禿は公園に出向き彼らの様子を見に行ったのだが・・・ その場所には彼らの姿は無く、GWの終わりと共に静かな駐車場がひっそりとたたずんでいただけなのだ。 さっき小耳に挟んだ話では、この公園に不埒な浮浪者が住み着いたらしく、 数日前に白と黒のツートンカラーの公の機関から来たサイレン付き自動車が、 その2人と遺留品等を全て回収していったらしい。 不埒な2人組は水道を勝手に利用し、女子トイレを使用したり、子供に声をかけたりしたらしい。 犯罪こそ起こしていないそうだが、怖い話だ。 さて、そんな浮浪者の話はどうでもいい。 問題は、軽自動車株式会社を立ち上げた2人の事だ・・・。 なぜ、、あの2人は消えてしまったのだろうか? あれは夢だったのだろうか? いや、そんなはずは無い、なにせ阿藤の捨てていったトッポは、今もまだ禿自動車で解体業者の引き取りを待っているのだから・・・。 完
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