- レミリア・スカーレット個別スレ 三十九の符
790 : 【大吉】 [sage]:2019/02/08(金) 00:51:36.55 ID:c2MBIghH0 - ,. -───-- 、_
rー-、,.'" `ヽ、 _」::::::i _ゝへ__rへ__ ノ__ `l く::::::::::`i / ゝ-'‐' ̄ ̄`ヽ、_ト-、__rイ }^ヽ、 .r'´ノ\::::::::ゝイ,.イノヽ! レ ヽ,_`ヽ7__>、_ノ ハ } \ /ヽ/ r'´ ィ"レ´ ⌒ ,___, ⌒ `! i ハ } ! i ヽ / / ハ ハ/ !/// ヽ_ ノ ///i ハ i ノ } _」 ⌒Y⌒Y´ノ ハ ハノ iヽ⌒Y⌒Y´ 〈,.ヘ ヽ、 〈 i ハ 〉 ノ レ^ゝi >.、.,_____,,...ィ´//レ'ヘノ / ::::i \ \/ ::::|_/ i 、 ::::/ ポテ \_ _) ::/ ポテ ヽニノ'
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791 :名無しさん祈祷中・・・[sage]:2019/02/08(金) 01:00:03.08 ID:c2MBIghH0 - おぜうといえば近代推理小説の祖といわれる作品にも出てくるね
ある夜のこと、私たちは妖怪の山山中の、長い、景色のいい山道をぶらぶら歩いていた。 二人ともなにか考えこんでいたらしく、少なくとも十五分間はどちらからもひと言もものを言わなかった。 と、まったく突然に、霊夢がこう話しかけた。 「いやまったく、あいつはカリスマブレイクね。そりゃあゆっくりのほうが向いてるわね」 「たしかに、そのとおりだぜ」と、私は思わず返事をしたが、初めは私が心のなかで考えていたことに 話し手がちゃんと調子を合わせていた不思議なやり方に気がつかなかった (それほど私は考えに夢中になっていたので)。 それからすぐ我に返って、ひどくびっくりした。 「霊夢」と私は真面目に言った。 「これは私にはちっともわからないぜ。あっさり白状するが、私はびっくりしたのぜ。 自分の感覚が信じられないくらいだ。どうして霊夢にわかったのぜ? 私の考えていたあの――」と、 ここで私は、霊夢がほんとうに私の考えていたやつのことを当てているかどうかをはっきり確かめるために、 ちょっと言葉を切ったのぜ。 「――レミリアのことでしょう」と彼女は言った。 「なぜあんたはあとを言わないの? あんたはあの吸血鬼のしゃがみガードは可愛らしくてカリスマブレイクだと 腹のなかで言っていたじゃない」 これはまさしく私の考えていたことだった。レミリアというのは、もと紅魔館の主として絶大なカリスマだったが、 ぎゃおーたべちゃうぞーと口走り、モケーレムベンベの役をこなせなくて、さんざん悪評を受けたのであった。
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792 :名無しさん祈祷中・・・[sage]:2019/02/08(金) 01:02:15.35 ID:c2MBIghH0 - 「どうか話してくれるのぜ」と、私は大声で言った。
「どんな方法で――さとりの第三の目を手に入れたとかじゃないとしてだぜ――私の心のなかを見抜くことができたのかということを」 事実、私は口で言うよりももっとびっくりしていたのぜ。 「あの焼芋屋よ」と巫女は答えた。 「モケーレムベンベとか、そういった役をするにはゆっくりおぜうがお似合いという結論を、あんたにさせたのはね」 「焼芋屋だって! ――驚くぜ、――焼芋屋なんてオリキャラは私は一人も知りやしないぜ」 「私たちがこの山へ入ったときにあんたにぶっつかったあの神よ、――もう十五分も前だったかな」 そう言われて私は思い出した。いかにも、我々が霧の湖からこの山へ入ったときに、 頭に大きなスイートポテト籠をのせた焼芋屋が、誤って危うく私を突き倒しそうになったのだった。 だが、それがおぜうとどんな関係があるのか、私にはどうしてもわからなかった。 霊夢の様子には法螺吹き(ハッタリー)のようなところはちっともなかった。 「じゃあ説明するわ」と彼女が言った。 「あんたにはっきりわかるように、まず、わたしがあんたに話しかけたときから、あの焼芋屋と衝突したときまでの、 魔理沙の考えの経路を逆にたどってみることにするよ。鎖の大きな輪はこう繋がる、 ――おぜう、ハザードシンボル、核融合、地獄極楽、三途の川、瑕疵なき要塞、果物屋」 まあ自分の生涯のある時期に、自分の心がある結論に到達した道順をさかのぼってみることを、 面白いと思わない人は、あまりないだろうぜ。 この仕事はときどき実に興味のあるもので、初めてそれを試みる人は、 出発点と到着点とのあいだにちょっと見ると無限の距離と無連絡とのあることに驚くのぜ。 だから、この紅白巫女がいま言ったことを聞いて、それが真実であることを認めるほかなかったときの、 私の驚きはどんなであったろう。彼女はつづけて言った。
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793 :名無しさん祈祷中・・・[sage]:2019/02/08(金) 01:03:26.10 ID:c2MBIghH0 - 「もし私の記憶がまちがってなければ、妖怪の山へ入るすぐ前に、私たちは十進法のことを話していたのよ。
それが私たちの最後の話題だったね。この山へ入ったとき、 頭に大きなスイートポテト籠をのせた焼芋屋が急いで私たちとすれちがって、 川が流れているところに集めてあった河原の積石の上に魔理沙を押しやった。 あんたはそのばらばらの石ころにつまづいて、すべり、川にはまってドロワをちょっと濡らしたので、 むかっとした不機嫌な様子で、ぶつぶつ言って、積んである石を振り向いて見たが、あとは黙って歩きだした。 私はなにもあんたのすることにとくに注意していたんじゃない。 が、近ごろ、どうも観察ということがせずにはいられなくなっているのよ。 あんたはずっと水面に眼を落していた、 ――むっとした表情をしたまま、川の幅や石をちらりちらりと眺めながらね (だから君がまだ川のことを考えていることが私にはわかったのよ)。 そのうちに私たちはあの瑕疵なき要塞とかいう未踏の渓谷へやって来た。 そこには、河童が独自の技術で開発した小舟が試験的に浮かべてあった。 ここへ来るとあんたの顔は晴れやかになった。そしてあんたの唇が動いたので、 きっと『三途の川』という言葉を呟いたのだなと私は思った。 あそこはこういった渡し船がないと困る川だからね。 あんたが『三途の川』と呟けばかならず死んだ時のことを考え、サボタージュの泰斗のことを考え、 ついでに地獄や極楽のことを考えるようになることを、私は知っていた。
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794 :名無しさん祈祷中・・・[sage]:2019/02/08(金) 01:07:00.37 ID:c2MBIghH0 - そして、ついこのあいだ私たちが地霊殿で異変解決に向かったとき、
あんたが、あの地獄鴉の超熱い火の玉の弾幕に、 なんと異例にも、警告音と点滅表示の演出がついていたが、メルトダウンってなんだろうな、ということを私に話したから、 あんたがきっと地獄極楽メルトダウンを思い出し、上の火球と下の火球を思い浮かべると予期していたんだ。 すると、はたしてあんたは上を見上げた、下を見た。 で、私は、自分が今まであんたの考えにちゃんと正しくついてきたことを確信したのよ。 ところできのうの文々。新聞に出たレミリアに対する辛辣な悪口のなかで、 その執筆者射命丸は、レミリアが文花帖でスペルカードにつけた名前のセンスを皮肉って、 晒しものとして引用した。というのは、あの 魔符「全世界ナイトメア」 というスペカのことよ。 この弾幕は三方向に弾幕が放たれ、放射能のハザードシンボルがモデルになってるのはあんたも知っている。 で、お空のスペカの印象的な演出に関したあんたの興奮した興味の持ち方から、あんたがそれを忘れるはずがないのを私は知っていた。 だから、あんたが地獄極楽メルトダウンと全世界ナイトメアという二つのスペカをかならず結びつけるだろうということは明らかだった。 はたしてあんたがそうしたということは、あんたの体に浮んだ弾幕アクションのポーズでわかった。 あんたはあのかわいそうなお嬢様にカリスマガードを出させたことを考えたのよ。 それまではあんたはドロワが濡れてこごんで歩いていたが、そのとき体をぐっと十分に伸ばした。 そこで私はあんたがレミリアのカリスマガードを見下ろすシーンを思い浮かべたということを確信したのよ。 で、そのときにあんたの黙想をさえぎって、ほんとにあいつは――あのレミリアは ――カリスマブレイクだから、ゆっくりのほうが向くだろう、と言ったの」 ttps://www.aozora.gr.jp/cards/000094/files/605_20934.html
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