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名無しさん祈祷中・・・
お前らが推薦した東方二次を俺が購入していくスレ

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お前らが推薦した東方二次を俺が購入していくスレ
173 :名無しさん祈祷中・・・[]:2018/02/14(水) 00:18:13.25 ID:dDtgbZSl0
天子に死神をけしかけているのは、衣玖である。同時に衣玖は、天子が死神に負けるとも思っていない
立て続けに死神の襲撃を受ければ、天子はきっと、自分の親族が自分を消そうとしているのだと疑うだろう
そして天子の性格なら「やられる前にやる」だろう、と考えている。つまり衣玖は天子に名居と比那名居の
一族を、幻想郷に下るときにやったような芝居の脅しではなく、本当に討ち取ってほしいのだ
「は?なんで」と思う天子に早苗は「愛やな」という。愛かどうかはどもかく、早苗の推理は
小野塚の調査も含めてあらゆる状況証拠に合致しており、これが真実だと確信するのに十分だった
かくして天子は衣玖と対峙すべく、命蓮寺を経ち、最初からこの顛末に至ることをお見通しだった
HOTOKEのゴーサインも得て、天界へと戻っていく

かつて天子は、天人は人間より優れ、ゆえに人間を救う存在なのだと考えていた
遥か昔、地上で大きな地震が起きると知った時、名居や比那名居にかけあって地上を救わねばと主張した
しかし、名居も比那名居も未だ悟りに至らぬ自分たちにできるのは災厄を見届け刻むことだけだと言った
この出来事に正義感に燃える天子を失望したが、そんな天子を永江衣玖は見ていた

衣玖は天子のように慈悲深いわけではない。ただ「天災を予知し伝える」ことを存在理由とする妖怪である
名居や比那名居の言動は衣玖の予報を殺し、天子の言動は衣玖の予報をより多くの人に活かすものである
天子は正義のために、衣玖は存在理由のために、原初に一致した理想は結局今日まで実現することはなく来た
その間衣玖は天子を見つめ続け、固執にも似た思いで期をうかがっていた。本人たちは認めないだろうが
恐らくは早苗の言う通り、愛と呼べるカテゴリーだろう。あえていうなら偏愛である

天子が思うまま自由に生きることは自分にとっての幸せにつながるに違いないと確信している衣玖は
「死神を差し向けた事の報復」という絶好の動機をお膳立てし、天子が上意討ちを果たして当主の座に収まる
ことを期待していた。しかしそれは結局、クサレ親族と言えど慈悲をかける天子の本位に叶うのものではないし
同時に友人を騒乱をけしかけた黒幕として処断することも本意ではなかった。天子は衣玖を討ち取ると
死んだということにして逐電した。衣玖は最後に、自身がここまで性急に、乱暴に事を運んだ真の理由を
一縷の期待を込めて天子に語る。近い未来、2011年3月、やまだかつてない規模の地震が起こる、というものである
それはともすれば、1995年の神戸の地震を上回る規模である。天子はまた、無力にギャンギャン泣くことに違いない
そう予告された天子は、今度こそ、本家を説き伏せてでも、自分一人でも必ず減災の為に地上へ降りると衣玖に固く誓った

あらすじ終わり



当然パラレルの話ではあるが、こうして天子の活躍で未曽有の災害をもたらす「はずだった」東北大震災の被害は
燃えたぎる救済ハートに活眼した天人と、それに従う天女の手で被害を最小限に食い止められたのであった、という
オチになっている。『逃げなかった馬鹿なやつがいる』が不謹慎扱いされる世の中ではあるので、当然に不謹慎と言う
そしりは免れ得ないが、小説として落としどころとしてはきれいに持ってきたなという印象を素直に受ける
本作はあっちゃこっちゃへと話が飛ぶ割に「ムダ」な素材が無く、全てが天子の成長や行動に資するようにできているという点で
非常に緻密で、あたかもお釈迦様の掌の上のようなインガオホーの原理が敷き詰められた合理的な作品だと思う

一点だけ難点としては、感情表現が心理描写を「ボカシすぎ」だとも感じた
たとえば「AはBだから…あとは分かるね?」とかそういう系統の書きぶりが結構多く、後々まで読めば確かに意味は通じるが
逆に言うと後まで読まないと意味が通じない、だから戻って読み返さなければならない、みたいな事が結構あった

もともと「天子をハメようとしているのは誰だ」という推理要素も強い作品なのでミステリーを読み慣れている人にはハビトゥス的な
読解方法があるのかもしれないが、普通にヒューマンドラマとして読む分には「つっかえ」になってしまっている気がした
お前らが推薦した東方二次を俺が購入していくスレ
184 :名無しさん祈祷中・・・[]:2018/02/14(水) 23:37:34.79 ID:dDtgbZSl0
>>144
「映画と秘封と秘封と猫と猫と秘封と映画と」読了した

中東のカスピ海西岸の国、アゼルバイジャンに全長2300メートルの三毛猫が出現する話

シン・ゴジラの20倍以上の大きさの怪物は、歩くだけで数多の建造物群をすりつぶし
猫パンチで衝撃波を生み、にゃああああああと鳴くだけで大気を揺るがし、一つの国と
人々の暮らしを破壊した。怪物はアフラ・マズダから「マズダ号」と名付けられた

あらゆる科学的常識をあざ笑う事態を前に、人類は驚くほど迅速に「冷静な判断」を下した
各国の核兵器結集し、「マズダ号」を、その足元でまだ辛うじて生きていた人々もろとも消し去った

本編は、その数日後から始まる

突如蓮子から連絡を受けたメリーは、不機嫌な顔で深夜1時手前のラーメン屋にいた
そこへ遅れて現れた蓮子は、心のこもっていない謝罪と嘘くさい呼び出し動機を並べると
ギトギトのラーメン、餃子、生ビールなど、女子大生的な「オサレ」や「カワイイ」からは
およそ程遠い物体を、蓮子の牛丼屋でのバイト代に換算して1日分にも相当する量注文し、
二人で胃袋に詰め込んだ。飄々としている蓮子だったが、これが「ヤケ食い」であることも、
その原因があの猫にあることも、メリーは言わずともわかっていた

「不謹慎だけど、心躍るわよねえ」と蓮子は言った。店のおばちゃんが蓮子を睨んだ
また蓮子は不公平だとも言った。アゼルバイジャンがあんなに大変なことになったのに
蓮子は、いや多くの世界人類は、アゼルバイジャンについてそれほど多くの事をしらない
だから、なぜそいつがアゼルバイジャンに現れたかも、人々はさほど興味をもっていない

『ダーウィンの悪夢』というドキュメンタリー映画がある。先進国に輸出するためにアフリカの
河川では大量のナイルパーチ(白身魚)が養殖されており、本来の生態系が壊されていること、
人々が輸出品から出る廃棄物、つまり腐った魚の骨や皮を食べて飢えをしのいでいること、
輸出された魚が武器に代わってアフリカに再輸入されることを"虚偽を交え"報道する映画である
果たして主要生産物であるナイルパーチはアフリカの人々を幸せにしたのか、不幸にしたのか、
そんなことはもう誰にもわからないし、そんな問いに当のアフリカ人は深く興味を払ってはいない
「それがあの猫に関係あるの?」とメリーが反問すると、「それを聞いているのよ」と蓮子は答えた

店を出た二人は午前2時を回った冬の繁華街を歩く。蓮子はまた、語りだす

『ターミネータ2』という映画がある。『ターミネータ1』は、人間と機械が戦争する未来から
殺人マシンがやってきて、将来人間側のリーダーになる少年を暗殺しようとするという作品だが、
『ターミネータ2』は逆に、人間側のリーダーになる少年を守るために、未来から殺人マシンが
やってくる。まあそれは置いといて、この映画の冒頭に、少年の母親=サラが予知夢を見て、
近い将来地球上で核戦争が起こると周囲に恐慌した様子で語って、キチガイ扱いされる
あの猫はサラなんだろうか?近い将来訪れる厄災を知らせるためにやって来たんだろうか?

この問いかけに、メリーは違うと思う、と答える。あの猫自体がすでに厄災だからである
蓮子は「うん」と答え、「アイムティーバック」と言いながらメリーのパンツをつかむと、
思いっきりケツに食い込ませた。メリーは、キラークイーンを歌いながら蓮子をタコ殴りにした

裏路地から出た所にローソンの光を見つけた二人は、しこたまおでんを買い込むと
近くのハッテン場でない公園で、ハフハフとおでんを食べる。蓮子はまた、語り始める

『ファイト・クラブ』という映画がある。シティナイズされ鬱屈とした都会のフニャチンたちが
"ただ殴り合うこと"を目的としたサークルを創設し、殴り合っているうちマッチョイズムを
思い出す。マッチョイズムってのは、つまり男根主義ってのはツッこむことだ(複数意味)
日常では自分の世界の中に入ってこないモノだとか感情だとか女性だとかに手を伸ばし
掴んで、自分の世界の中へと引きずり込むことだ(独自解釈)、つまりあの猫の正体は…

と、そこまで揚々と語った蓮子の口元におでんの卵カスがついて滑稽だったので、
メリーは何気なく取ってあげた。大事な所で水を差された蓮子は、悔しそうにメリーをにらんだ
それが可愛かったのでメリーが蓮子のほっぺをつねると、 蓮子は本気の顔で怒りだし、
"猫のように"うなってサッと走り出してしまった。意外な行動に驚いたメリーは、蓮子を追った
お前らが推薦した東方二次を俺が購入していくスレ
185 :名無しさん祈祷中・・・[]:2018/02/14(水) 23:41:30.04 ID:dDtgbZSl0
ようやっと蓮子を捕まえると、蓮子はオンボロの廃棄自転車を整備していた
この自転車でちょっとアゼルバイジャンまで行ってくる、1週間かかるのでその間代弁頼む
と、蓮子はメリーに言った。おととしの12月の暮れに、ビールをしこたま飲んで野獣と化した
蓮子にいろんな処女を奪われているメリーは、自我を失って暴走する蓮子のエネルギーの
すさまじさを知っていた。だから嘘ダルオ!?と思いつつ、蓮子なら本当に実行しかねんとも
考えられ、それを止めるのが自分の役目だと、必死に蓮子をなだめた。こうしてすったもんだ
痴話げんかをおっぱじめた二人に対し、先刻から警戒を払っていたK察がついに動く

メガネをかけた男性巡査は、穏やかながらもネットリとした口調で二人に近づくと、
「親にはバラさないから」「学校にも言わないから」などと甘い誘い文句を並べつつ、
いやらしくも二人の素性をあれやこれやと聞こうとしてくる。世に言う「職務質問」である

一方的に身の危険を感じた蓮子はメリーを守るために立ち上がり、右腕を前に突き出し、

「マスタアアアアアスパアアアアアアアアアアアアアアク」

と叫んだ
マスタースパークは出なかったので、仕方なく掌底で男性巡査の顎を打ち抜いて倒した

公務執行妨害に及んだ蓮子は、メリーの手を引いて、"猫のごとき"驚くべき速さで逃げた
このままアゼルバイジャンに行けるんじゃないかという速さで逃げながら、蓮子は泣いていた
蓮子は悔しかった

『ショーシャンクの空に』という映画がある。無実の罪で牢に入れられた囚人が、
希望も知性も失わず期を捉え、脱獄する話である。まあ、それはこの際どうでもいい
その映画にブルックスという囚人が出てくる。重い罪を犯して、何十年も監獄にいて
ようやく刑期を終えて、いざ出所したら、そこはもう、自分の全然しらない世界だった
なにせブルックスが牢屋に入ったのは、車もまともに走っていない時代のことだった
結局見知らぬ社会になじめなかったブルックスは、出所後のアパートの一室で首を
吊って自殺する。「ブルックスはここにいた」と書き残して。その言葉が、この社会、
この世界に対してできる、ブルックスの最大限残せるもの、存在証明だった
ブルックスが何の罪で囚われたにせよ、こんな理不尽が、世の中にあるだろうか

蓮子はこの世界の物理法則が嫌いだった、というか信じていなかった(理系のくせに)
物理法則では説明のつかないことなんて世の中にゴロゴロある、真実は物理法則を超越した、
オカルトという世界にこそある。だから秘封倶楽部を作って、メリーとつるんで、デンデラにも
博麗神社にも夢の世界にまで旅行した。なのに、あの全ての物理法則を覆すかのような猫は
自分のいる京都ではなく、アゼルバイジャンとかいう僻地に顕現した。もどかしかった
せめて、あの猫の出現でなにか流れがかわったんじゃないかと思ってマスタースパークを
撃とうと思ったけど、出なかった。結局自分は、何一つ幻想と接触できない運命にある

だからメリーのことは愛しているけれども、同時にすごく憎くてうらやましくて嫌いでもある
幻想の境界を飛び越え、時々赤い目をして、式神を操り、冬眠までする、メリーのことが
てかメリー(とか名乗って女子大生ごっこしてる、八雲紫)、あなたの事が

正直メリーにはなんのこっちゃ分からなかった。ただ、蓮子が古い映画の話をしていたのは
よっぱらいの放言ではなく、猫の出現にかかる「なんらかの理由」を蓮子なりに探し、
それを必死に説明しようとしていたのだということは理解した。メリーは蓮子が泣きつかれて
眠るまでオーヨシヨシと抱きすくめると、そのまま自分も浅い眠りに入った

翌朝、警察の手から逃げ込んだコンクリートの建物の中で目を覚ました二人は、
気だるい体を抱き合って起こし、ゆうべの話の続きをしながらドアを開けて外へ出る

そして、二人の目に真っ先に飛び込んできたのは、暴れ狂う2300メートルの猫の姿だった
そう、不可思議は世界中のどこにでも、もちろん蓮子の手の届く…てか踏みつぶされそうな
すぐ近くの場所にさえ、存在していたのである。世にも奇妙な物語みたいな展開である
「どういうことなの?これどういうことなの?」と狼狽する蓮子に、お前が望んだ世界だろがいと
苦笑しつつ、メリーは、「とりあえず体の節々痛いから大学サボって家で映画でも見ようず」と
持ちかけるのだった
お前らが推薦した東方二次を俺が購入していくスレ
186 :名無しさん祈祷中・・・[]:2018/02/14(水) 23:57:36.61 ID:dDtgbZSl0
作中の言葉を拝借すれば、宇佐見蓮子にとってもっとも肝要で度し難く、譲れないのは

「村上春樹(の小説)」のように、自分の理不尽な運命や人生をどう理解するかという哲学ではなく、
自分がどうであれ、理不尽なものは理不尽だと率直に述べ上げる感性というか怒りなのだそうである

ただ、その割にはと言ってはおかしいが、村上春樹風の作風・文調を感じる作品でもある
ふんだんかつ、あまりにも余計な飛躍や例えを孕みつつ、宇佐見蓮子は「謎の巨大な猫」の
生まれいでた理由について大真面目に考察し、それがイマイチメリーには伝わらない話、
合理的な人物たちが、合理的な会話により、詰将棋のように真相に迫っていく展開ではなく
過不足アリアリの不完全な会話のやり取りの節々をむしろ楽しむタイプの作品である
伝わらないもどかしさ、意味を理解できないわずらわしさを蓮子やメリーと一緒になって
楽しめばよい、ヒロシゲで蓮メリの向かいのシートに座ってたおっさんの気分で読めばよい
作品だと思われる。非常に面白かった

なお、蓮子が推奨してくる映画は、なぜかぼくも全部見たことがある
きっとこの蓮子ちゃんとはいい酒が飲めると、ぼくは勝手に思う
いやむしろ、映画の解釈をめぐって口論になるかもしれんけど


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