- 【日本】高城剛6【脱出中】
511 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2023/06/09(金) 05:45:13.55 ID:+2YJSTPQ - 今週は、フロリダ州オーランドにいます。
あまり知られていませんが、この街にあるディズニーワールドは、長年、治外法権同然でした。正式名称「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」は、6パークを有する世界最大のテーマパークとして知られており、総面積122平方キロメートルと北海道夕張市より大きな敷地を誇り、山手線内面積の1.5倍もの敷地があります。 従業員数だけで6万人を超え、まさにマジック・キングダムなのです。 歴史を振り返ると、1950年代の終り、カリフォルニアのディズニーランドの集客に成功したウォルト・ディズニーは、次の理想郷を作ろうと巨大な土地を探しました。 そこで、湿地帯ばかりで誰も手をつけないオーランドに目をつけ、州と条件付き契約を結び開発に着手します。 この条件とは、のちにディズニー法と呼ばれる「リディー・クリーク改善法」で成立した特別区の設置による、事実上の自治権の承認でした。 その自治権には、土地利用の規制と計画、建築基準法、地表水管理、排水、廃棄物処理、公共事業、道路、橋、消防、救急医療サービス、環境サービスなどのサービスなどが含まれ、さらには警察、事業免許等の交付、病院等の設置、アルコールの製造・販売の規制権限等も有し、上下水道、道路などの建設・管理・運営などを含む、司法と教育権を除く広範な特別権限があり、地区が郡や州に提出しなければならない唯一の分野は、固定資産税とエレベーター検査だけでした。 このような状況が21世紀に入っても続いていたのです。 しかし、「ミニ・トランプ」と呼ばれるロン・デサンティスがフロリダ州知事に当選してから事態は、急変します。 海軍出身のデサンティスは、2012年に下院議員に当選後、リバタリアン議員が集まる「ハウス・フリーダム・コーカス」を創設。 ティーパーティーを主導し、ここでドナルド・トランプと昵懇になりました。 その後、2018年にフロリダ州知事選に僅差で当選。 昨年11月のフロリダ州選挙で再戦を果たし、地盤を盤石なものとしました。 いまでは、来年の大統領選への出馬まで囁かれています。 現在の後ろ盾は、世界ヘッジファンドの創業来利益ランキング1位「シタデル」の創業者兼CEOで、ビルダーバーグ会議のメンバーであるケネス・グリフィン(年収5000億円!)です。 「シタデル」は、大手投資銀行を押しのけて米国全体の株式取引の25%、個人投資家だけに限れば40%を占めるため、米国最大のマーケットメーカーとして君臨します。 グリフィンのような超富裕層急進保守派に後押しされ、保守陣営から大きな支持を得ることに成功したデサンティスは、州立学校で性的少数者に関する教育の制限に乗り出します(州立大学でジェンダー研究や批判的人種理論を禁止)。 ところが、これにディズニーが猛反対して両者が対立。 今年の2月、州議会でディズニーに対する報復措置として、特別区域の監督機関の委員5人を知事が指名できる法案を可決し、事実上の自治権を剥奪したのです。 フロリダ州最大の雇用主であるディズニー・カンパニーを、あまりにも「覚醒している」という理由で処罰したデサンティス。 今後、保守とリベラル戦争に巻き込まれ、魔法が解けた「マジックキングダム」は、夢から「目覚めた」普通の国になるのかもしれません。
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