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名無しさん@お腹いっぱい。
【日本】高城剛6【脱出中】

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【日本】高城剛6【脱出中】
438 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2022/09/15(木) 15:29:20.03 ID:PuAXx1yQ
今週は、エチオピアのカファにいます。

8世紀中頃、カルディと言う名の羊飼いの少年が飼っていた一匹の羊が、突然ピョンピョンと飛び跳ねはじめました。
なにやら木に成っていた見慣れない赤い実を食べた様子で、カルディも恐る恐るその実を口に入れてみたところ、なんとも言えない甘酸っぱさがあって、しかも、なんだかウキウキ気分。
こうしてコーヒーの豆(アラビカ種)が発見され、カファ→カフェ→コーヒーと名を変え世界中に知られることになります。

コーヒー発祥の地、カファ。
ここは、いまでも世界有数のコーヒーの産地ですが、実はエチオピアのコーヒーの大きな特徴は、国内消費が非常に高いという点にあります。
年間生産量650万袋のうち約半分が国内で消費され、残り半分が輸出される地産地消農産物なのです。

エチオピアのコーヒーは一人で楽しむものではなく、家族や友人、仲間たちとテーブルを囲み、会話や交流を楽しむソーシャルツールです。
女性が鍋でコーヒーを炒って挽いた後、ジェベナと呼ばれる特殊な抽出用ポットでお湯と混ぜ合わせます。
香木をモクモク焚きながら濃い目のコーヒーを小さなカップに注ぎ、さらに新しい熱湯を加えて2回を抽出。
およそ1時間ほどかけて行うこの作業は、おもてなしの心や社会的な規範とされ、家族の団欒にも欠かせません。

また、エチオピアの農家の多くは1ヘクタール以下の小作農で、販売予定もない自分たちの分を自分たちだけで育ている人も多く、これらは「ガーデンコーヒー」と呼ばれています。
その他、輸出向けを狙い、英国のブランドマネージャーが携わるプランテーションも多々ありますが(日本の大半のサードウェーブ豆はこちらです)、平均的な生産者は商業販売用のコーヒーをほとんど栽培していません。

つまり、エチオピアに行かなければ、輸出向け大量生産とは異なるエチオピアン・ガーデン・コーヒーを飲むことはできないのです、と五年前に訪れた時にわかり、今回、やっと再訪することができました。

各家庭によって異なるフレッシュなコーヒーを独自製法で作るエチオピアン・コーヒー。
今週は、先週に引き続き「2022年夏私的なベスト・ヘッドフォン(アンプ編)」を発表する予定でしたが、すっかり日々コーヒー三昧で心臓もバクバクし、それどころではありません。
たぶん一種の急性コーヒー中毒で、頭のなかの85%がコーヒーに占められています。
それほど、エチオピアン・コーヒーと紫の煙の中で行われる「儀式」には、中毒性があります。

改めて考えると、どうやら僕の文章はその地に出向かなかれば書けない様子です。
秋葉原に行かなければ書けない文章があり、同じく、エチオピアに来なければ書けない文章があります。
確かに今年キューバで撮った映画脚本の大半も、行ってから書きました。
これは、昨今話される「どこでもできる仕事」とはまったく逆で、「そこじゃなきゃできない仕事」を、僕はいつも行っているんだな、とコーヒー中毒になったいま、自分なりに考える今週です。
まるでビート・ジェネレーションの作家のように。

ちなみに成田空港はガラガラで、日本から出るのも入るのも、まだまだ相当な時間がかかりそうです。
世界は変わりましたね、良くも悪くも。


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