- いつかきっと
169 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2018/05/18(金) 06:09:59.04 ID:Znb69nNg - 蜜月続く株・原油・金利―リーマン前と類似見え隠れ(スクランブル)
2018/05/18 日本経済新聞 朝刊 日経平均株価と米国の金利、そして原油がそろって上昇する「蜜月」が続いている。セオリーとは異なる現象だが、持続性はあるのだろうか。 過去の景気拡大期を想起させる一方で、リーマン・ショック前との類似点も見え隠れする。 17日の株式市場では、大手銀行株が軒並み高となった。米長期金利が3・1%近くまで上昇したのを受け、利ザヤが改善するとの思惑が広 がった。一方、原油価格が再び上昇し、JXTGホールディングスが2%高となるなど石油関連株も買われた。 □ □ 市場では「セオリー外の動き」との声がもれた。米金利が上昇してドル高になると、ドル建てで取引される原油価格は割高感が強まるため下が りやすい。原油高になると、ガソリン価格の上昇を通じて消費を抑えるとの連想から株安になりやすい。こうした市場関係者の感覚と異なるから だ。 4月以降、米金利は0・4%弱上昇し、ニューヨーク原油は1バレル60ドル台半ばから71ドルに水準を切り上げた。日経平均は17日の上昇で 8週連続の上昇となる可能性が高まった。 2月に米金利の上昇で市場が混乱した際には「金利高、株安、原油安」という関係だった。3カ月前と何が変わったのか。三井住友アセットマネ ジメントの吉川雅幸チーフマクロストラテジストは米金利の上昇要因の違いに着目し「2月はインフレ懸念、今回は米景気期待」と指摘する。 2月は米雇用統計で賃金の上昇が加速し、金融引き締めの懸念が強まった。足元では、減税の効果がじわじわ出始め、米景気の先行きに期 待が高まる一方、賃金や物価は安定している。「良い金利上昇」のイメージが強い。 過去を振り返ると、米金利と原油、日経平均の蜜月が続いたのは景気の拡大期に多かった。直近では2016年半ばからの世界の同時回復期 に連動した。新興国の成長の勢いが強かった05〜06年などもそうだ。 原油高はコスト高につながり企業業績の重荷になりそうだが、好景気を背景にした原油高なら、コストを吸収して業績も伸びる。JPモルガン・ア セット・マネジメントの重見吉徳ストラテジストは「アベノミクス相場の初期は原油が1バレル100ドル前後でも業績が拡大した」と指摘する。 □ □ 死角はないのか。東海東京調査センターの平川昇二チーフグローバルストラテジストは「08年前半と似ている」と指摘する。当時は米金利や日 経平均は下落からの戻り局面にあり、原油は1バレル140ドル台の最高値に向けて上昇していた。一方、05〜06年と違って、産業用途が多く 景気への連動性が強い銅の価格はほとんど動いていなかった。今年は銅価格の上昇が止まっており「景気減速のサインでは」と危惧する。 原油高は景気拡大ばかりが原因ではない。トランプ米政権がベネズエラやイランへの制裁を強め、供給が減ることへの懸念もある。銅には中 国需要の減少も指摘される。 08年7月には原油高を受けて欧州中央銀行(ECB)が利上げをした苦い経験がある。「欧州の賃金は原油高に反応しやすい」(三井住友アセ ットの吉川氏)とされ、ECBが市場の予想以上に早く、引き締めに動くリスクもある。 米連邦準備理事会(FRB)が利上げを進めるなか、各市場は新たに均衡する水準を探っている。蜜月が、市場が発見した新たな均衡だと楽観 するのはまだ早そうだ。
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