- 【8306・8316・8411】メガバンク 3 [無断転載禁止]©2ch.net
352 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2016/10/07(金) 06:03:39.92 ID:V9u4rE04 - 見えざる手を冒す(2)マイナス金利拡大の恐怖―日銀の一手、銀行に遠心力(日本国債)
2016/10/07 日本経済新聞 朝刊 1ページ 1154文字 書誌情報 8月末に財務省が実施した2年物国債入札。発行額の半分を占める1兆1500億円もの国債を三菱UFJモルガン・スタンレー証券が 落札した。ベテランの債券トレーダーも「ここまでの買いは見たことがない」と驚く「爆買い」だった。 系列証券が買い グループの中核、三菱東京UFJ銀行は7月に国債入札の特別資格「プライマリー・ディーラー」を財務省に返上した。国債市場から距離 を置いたと騒がれても、三菱UFJ銀は「スタンスが変わったわけではない」(内田和人常務執行役員)と説明してきた。「有言実行」とばか りに系列証券が国債入札で前のめりの姿勢を見せている。 だが銀行と証券会社はそもそも国債市場で果たす役割が違う。証券が銀行の代わりを務めるのは難しい。証券会社は購入した国債を すぐ投資家に転売するつなぎ役にすぎない。大量に発行される国債を買い、長期保有する重責を担ってきたのが銀行だ。だからこそ、 最大手銀行の資格返上に財務省も動揺した。 系列証券の派手な振る舞いの陰で、肝心の銀行はやはり着々と国債離れを進めている。 三菱UFJ銀は4〜6月に国債保有を1・5兆円減らし、6月末の保有残高は25・7兆円(信託銀含む)。残る2メガ銀は「三菱UFJ銀の ようにプライマリー・ディーラーを返上しません」と市場への献身ぶりをアピールするが、保有する国債を減らす行動は三菱UFJ銀と変わら ない。3メガを合わせた6月末の国債残高は43・1兆円で、3月末に比べると8兆円弱も少ない金額だ。 流れは止まるどころか勢いづく兆しさえある。「もし日銀がマイナス金利を深掘りすれば、国債の長期保有はますます難しくなる」。メガ 銀関係者は異口同音に言う。 一段のマイナス金利となれば国債の利回りは低下し、投資対象としての魅力は薄れる。加えて、国債ではなく貸し出しに資金を振り向け てくれという銀行への圧力が間違いなく増すからだ。 実際、日銀は9月に金融緩和を総括的に検証し、将来の緩和はマイナス金利の深掘りを軸にする考えを強くにじませた。メガ銀の懸念 は現実味を増してきた。 官製市場の色彩 日銀の一挙一動に惑う様子は財務省理財局も似通う。「日銀が長期金利まで管理すれば債券市場はすっかり官製になってしまわない だろうか」(幹部)。官製の色彩が濃くなれば企業や人材が市場に集まりにくく、ちょっとしたショックで国債消化に支障を来すもろい構造 になりかねない。 日本国債をめぐり財務省・日銀・銀行が相互に協調し依存し合う「鉄のトライアングル」はきしみつつある。日銀の金融緩和は副作用とし て国債市場に遠心力をもたらし、国債管理政策の根底をも揺さぶっている。
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1 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/10/07(金) 06:05:20.77 ID:V9u4rE04 - 見えざる手を冒す(1)「量から金利へ」新手法―官製固定相場に危うさ(日本国債)
2016/10/06 日本経済新聞 朝刊 1ページ 1165文字 書誌情報 9月30日午前10時すぎ、日銀の通告で長期金利がピクリと0・020%跳ねた。満期まで残り5年超10年以下の国債買い入れ額を これまでより200億円減らす。21日の金融政策決定会合で「ゼロ%程度」に誘導すると決めた、発行間もない10年債も含んでいた。 日銀にとって銀行同士が日々の資金繰りに使う「今日借りて明日返す」極めて短い金利を操るのはお手の物だ。金利が下がり過ぎ れば市場に出回るお金を減らす。だが同じ手法が翌日物より約3650倍も期間の長い国債にも使えるのか。 日銀も市場の疑心は意識する。実は21日の決定当日に有力な市場参加者だけ内密に集め、幹部がこうささやいていた。 「我々には無限の能力がある。試さない方がいいですよ」 30日に日銀が通知した国債買い入れの減額は日銀が短期金利の操作で使った「対話と圧力」と同じ手法だった。市場は「日銀が 長期金利の不規則な動きに警告を発した」と受け止めた。 購入継続に限界 「期間が長い金利の形成はなるべく市場メカニズムに委ねることが望ましい」。日銀のホームページは今も長期金利誘導の難しさを説く が、黒田東彦総裁は10月3日の国会で「もはや古い。改定したい」と答弁した。 常識破りの政策に踏み出すのは、日銀がすでに債券市場に出回る国債の多くを買いつくしてしまったためだ。これまで緩和の柱だった 年80兆円ペースの国債購入はいつまでも続けられない。一方、取引が減った分だけ市場が狭まり金利は操りやすくなった。緩和を長く 続けるため、政策の軸足も量から金利に移した。 ヘリマネに似る 「政府の借入金利を無期限にゼロに抑える政策は(政府の借金を中央銀行が埋める)財政ファイナンスの要素を持つ」。バーナンキ米 連邦準備理事会(FRB)前議長はブログでこう指摘した。 日銀は市場の期待に働きかける金融緩和政策の時間軸も「物価上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで」と一段と強めた。財政 資金を供給するヘリコプターマネーと紙一重の領域にある。 自民党は9月20日、党則で2期6年までと定める総裁の任期を延ばす議論を始めた。異次元緩和から3年半。2%目標に届かない 黒田総裁は2018年4月までの自らの任期を超えてアベノミクスを支える決意と映る。 長期金利は経済の力強さや財政の健全さを示すその国の体温計。人々のインフレ予想や財政リスクに左右される。「長期金利を操 ろうなんて傲慢だ」。日銀内にも不安を残したまま「官製固定相場」が走り始めた。 ◇ 日本国債の利回りである長期金利。「神の見えざる手」が決める市場の均衡に逆らう試みはいつか限界を迎える。たまるマグマの行方 を追う。
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2 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/10/07(金) 06:05:59.03 ID:V9u4rE04 - 見えざる手を冒す(2)マイナス金利拡大の恐怖―日銀の一手、銀行に遠心力(日本国債)
2016/10/07 日本経済新聞 朝刊 8月末に財務省が実施した2年物国債入札。発行額の半分を占める1兆1500億円もの国債を三菱UFJモルガン・スタンレー証券が 落札した。ベテランの債券トレーダーも「ここまでの買いは見たことがない」と驚く「爆買い」だった。 系列証券が買い グループの中核、三菱東京UFJ銀行は7月に国債入札の特別資格「プライマリー・ディーラー」を財務省に返上した。国債市場から距離 を置いたと騒がれても、三菱UFJ銀は「スタンスが変わったわけではない」(内田和人常務執行役員)と説明してきた。「有言実行」とばか りに系列証券が国債入札で前のめりの姿勢を見せている。 だが銀行と証券会社はそもそも国債市場で果たす役割が違う。証券が銀行の代わりを務めるのは難しい。証券会社は購入した国債を すぐ投資家に転売するつなぎ役にすぎない。大量に発行される国債を買い、長期保有する重責を担ってきたのが銀行だ。だからこそ、 最大手銀行の資格返上に財務省も動揺した。 系列証券の派手な振る舞いの陰で、肝心の銀行はやはり着々と国債離れを進めている。 三菱UFJ銀は4〜6月に国債保有を1・5兆円減らし、6月末の保有残高は25・7兆円(信託銀含む)。残る2メガ銀は「三菱UFJ銀の ようにプライマリー・ディーラーを返上しません」と市場への献身ぶりをアピールするが、保有する国債を減らす行動は三菱UFJ銀と変わら ない。3メガを合わせた6月末の国債残高は43・1兆円で、3月末に比べると8兆円弱も少ない金額だ。 流れは止まるどころか勢いづく兆しさえある。「もし日銀がマイナス金利を深掘りすれば、国債の長期保有はますます難しくなる」。メガ 銀関係者は異口同音に言う。 一段のマイナス金利となれば国債の利回りは低下し、投資対象としての魅力は薄れる。加えて、国債ではなく貸し出しに資金を振り向け てくれという銀行への圧力が間違いなく増すからだ。 実際、日銀は9月に金融緩和を総括的に検証し、将来の緩和はマイナス金利の深掘りを軸にする考えを強くにじませた。メガ銀の懸念 は現実味を増してきた。 官製市場の色彩 日銀の一挙一動に惑う様子は財務省理財局も似通う。「日銀が長期金利まで管理すれば債券市場はすっかり官製になってしまわない だろうか」(幹部)。官製の色彩が濃くなれば企業や人材が市場に集まりにくく、ちょっとしたショックで国債消化に支障を来すもろい構造 になりかねない。 日本国債をめぐり財務省・日銀・銀行が相互に協調し依存し合う「鉄のトライアングル」はきしみつつある。日銀の金融緩和は副作用とし て国債市場に遠心力をもたらし、国債管理政策の根底をも揺さぶっている。
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3 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/10/07(金) 06:11:30.85 ID:V9u4rE04 - 対価の実態(上)上乗せ欲しさ、ゆがむ保険販売――成績ありき、顧客二の次(手数料にメス)
2016/10/06 日本経済新聞 朝刊 金融サービスの対価である様々な手数料。マイナス金利政策などで運用が難しくなる中で利用者の手数料負担はずしりと重くなって いる。その実態にもっと目を光らせたほうがいいかもしれない。 「力関係変わった」 ある中堅保険会社の幹部は販売委託先の保険ショップで嫌みを言われることが増えた。「A社さんはもっと弾んでくれたけど」。暗に販売 手数料の上乗せを迫られた。自社の営業職が少ない外資系生保などは保険ショップに頼らざるを得ず強気に出られない。 保険ショップ経由の保険販売は業界全体の15%弱を占め、約10年間で2倍近く増えた。同幹部は「販売会社の発言力が強くなり、我々 との力関係も大きく変わってきた」と言う。 保険ショップが急速に存在感を高めているのは、うまみの大きい販売手数料と無縁でない。保険会社が保険ショップなどの代理店に支 払う手数料率は通常、その販売力に応じて4〜6程度のランクに分かれる。 例えば病気などで働けなくなった際に目減りした収入を補う「収入保障保険」。ある保険会社は最上位の格付けを持つ販売代理店には 初年度に年間保険料の99・7%にあたる手数料を支払うが、最下位の代理店向けは57・7%にとどまる。 代理店が手数料率を引き上げるには年数回の査定で販売実績を証明しなければならない。ひと月に年換算で3千万円分の保険を売る と最上位に昇格するが、「成績ありき」で来店客の意向とかけ離れた商品を薦める誘因にもなりかねない。 「3カ月間で1千件の新契約を取っていただければ別途500万円を支払いますよ」。保険販売の現場では「ニギリ」と呼ばれる商慣行も 広がる。ある業界関係者は「目標達成が自己目的化すれば、契約者の意向など踏まえている場合じゃなくなる」と批判する。 すべての代理店が手数料ありきではない。ある大手保険ショップは客の要望を時間をかけて聞き独自のシステムが最適な商品を提示す る。運営会社社長は「商品選びに手数料率の多寡が入る余地はない」と言う。 料率開示の動きも ゆがむ販売現場に切り込むべく金融庁も動く。「(手数料などの)販売サポートによる付与競争が保険料を上昇させる一因」。9月に同庁 が公表した金融レポートに業界は騒然とした。 キャンペーンと称する手数料上乗せだけでなく、優秀な販売員を食事会や研修旅行に招くといった商慣行を排除する可能性をにおわせた ためだ。別の関係者は「金融庁はどこまでやるつもりなのか」と身構える。 国会や世論の批判も踏まえ、大手銀行や一部の地方銀行は外貨建て保険などの運用型商品で保険会社から受け取る手数料率の開示 を10月から始めた。保険ショップが保険会社から受け取る分の開示はまだだ。金融庁は金融機関に顧客本位の経営を迫る倫理上の大 原則を徹底させるべく動いている。謎の多い保険手数料の部分開示はその一歩。パンドラの箱は開くか。
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4 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/10/07(金) 06:13:28.54 ID:V9u4rE04 - 対価の実態(中)ATMひっそり消える優遇策―マイナス金利、個人に波及(手数料にメス)
2016/10/07 日本経済新聞 朝刊 「どうすれば世論の反発を招かず実施できるか」。都内のある銀行の内部では、ひそかに住宅ローン関連の手数料引き上げの検討が 進んでいる。ローンを繰り上げ返済した場合の費用負担を重くして、顧客がより低い金利の銀行の住宅ローンに借り換えるのを防ぐ狙いだ。 値上げ派は「他行へローン乗り換えを阻止するために必要」と年内の実現を主張。ただ行内には「奇策」に対する反対意見も強く、簡単 には議論が収まりそうにない。 銀行が顧客に負担増を求める動きはATMの分野でも広がる。ソニー銀行がまとめた調査は衝撃的だ。個人がコンビニエンスストアの ATMで負担する手数料は平均で年2952円、全体の約2割は5000円以上。銀行取引で多くの個人が何気なく支払っているATM手数 料はこれだけ膨らんでいる。 現在の大手銀行の普通預金金利は年0・001%だ。1千万円を預けている人の利息は年100円だが、平均してその数十倍のATM 手数料を払っている計算だ。実質的に預金に「マイナス金利」を課されているともいえる。個人の不満を銀行側も当然意識しており手数料 引き上げには神経を使わざるを得ない。 「今回は送金だけ」 「他の銀行より過度に(顧客に)有利な手数料体系を見直すべきでは」。ゆうちょ銀行はマイナス金利に伴う運用収益の悪化を受け、 手数料収入の拡大に踏み切った。今月からは自行口座間のATM送金手数料は月4回目以降を有料にした。 行内では夜間・休日のATM手数料を有料化する案もあったが批判は免れない。「今回は送金手数料だけにした」。関係者は言外に 「次」の可能性もほのめかす。 三井住友銀行は10月21日から個人向け手数料を一部見直す。預金残高10万円以上の顧客向け優遇措置をなくし、平日午後6時以 降にかかる本支店ATMの時間外手数料などが有料になる。 会員へ誘導狙う ただし同行の会員向けサービスに加入し、給与受取口座への指定など一定の条件を満たせば引き続き手数料は無料だ。銀行側は 会員サービスへの誘導を狙うが、会員ではない利用者たちは着実に負担が増える。 銀行の手数料引き上げはどこまで広がるのか。カギを握るのは日銀のマイナス金利政策の行方だ。3メガバンクなどはマイナス金利の 深掘りに備え、水面下で預金口座に手数料を導入する検討を進めている。 「当面は法人などの大口客が対象で、個人に課すのは難しい」。メガ銀首脳は口をそろえる。だが、収益環境がさらに厳しくなった際に ATM手数料引き上げや既存の手数料優遇策の撤廃といった「隠れ値上げ」に動く可能性を否定はできない。
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353 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2016/10/07(金) 06:14:51.95 ID:V9u4rE04 - 投資戦略を聞く―三井住友銀行副頭取の高橋精一郎氏、デフレ脱却行方を注視(日本国債)
2016/10/07 日本経済新聞 朝刊 アベノミクスが始まり間もなく4年になる。当初の主役は間違いなく金融政策だった。日本はリーマン・ショックの影響が震源地の欧米 に比べ小さいはずだったが、東日本大震災も発生し、1ドル=70円台の円高や株価低迷に見舞われた。後れをとった分は日銀の異 次元緩和などで取り戻せた。 だが過去十数年分の経済の低迷を一気に取り戻せたかというと、そう簡単ではないことも明らかになった。アベノミクスの今後は、働き 方改革などの構造改革に注目する局面に移りつつある。 日本は国債残高の多さを理由に株・債券・為替が軒並み売られるトリプル安に陥るリスクが指摘される。ただ、こうしたパニック的な展開 を今すぐ懸念する必要はないだろう。過去にも金利の急上昇(債券価格の急落)を見込んで外国人投資家が円債売りを仕掛けたが、こと ごとく失敗した。 格下げされた際に我々の経営課題の一つである外貨調達に響くかもしれない。国債に連動して銀行の短期格付けも下がれば、外貨 調達コストが上がるリスクがある。 米格付け会社S&Pグローバルは日本国債の格付け見通しを「安定的」としてデフレ脱却や財政再建の行方を確認する構えだが、我々 もこの動向を注視する。 日銀の金融緩和でデフレ脱却が進めばいずれ金利が上がるとみて、我々も運用資産を国債から株式や外国債券に移した。日本国債 はメーンの投資先ではなくなり、金融取引の担保のために一定量を持つ程度だ。今後も国債の入札には応じていき、特別資格(プライマ リー・ディーラー)の返上は考えていない。
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5 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2016/10/07(金) 06:15:13.77 ID:V9u4rE04 - 投資戦略を聞く―三井住友銀行副頭取の高橋精一郎氏、デフレ脱却行方を注視(日本国債)
2016/10/07 日本経済新聞 朝刊 アベノミクスが始まり間もなく4年になる。当初の主役は間違いなく金融政策だった。日本はリーマン・ショックの影響が震源地の欧米 に比べ小さいはずだったが、東日本大震災も発生し、1ドル=70円台の円高や株価低迷に見舞われた。後れをとった分は日銀の異 次元緩和などで取り戻せた。 だが過去十数年分の経済の低迷を一気に取り戻せたかというと、そう簡単ではないことも明らかになった。アベノミクスの今後は、働き 方改革などの構造改革に注目する局面に移りつつある。 日本は国債残高の多さを理由に株・債券・為替が軒並み売られるトリプル安に陥るリスクが指摘される。ただ、こうしたパニック的な展開 を今すぐ懸念する必要はないだろう。過去にも金利の急上昇(債券価格の急落)を見込んで外国人投資家が円債売りを仕掛けたが、こと ごとく失敗した。 格下げされた際に我々の経営課題の一つである外貨調達に響くかもしれない。国債に連動して銀行の短期格付けも下がれば、外貨 調達コストが上がるリスクがある。 米格付け会社S&Pグローバルは日本国債の格付け見通しを「安定的」としてデフレ脱却や財政再建の行方を確認する構えだが、我々 もこの動向を注視する。 日銀の金融緩和でデフレ脱却が進めばいずれ金利が上がるとみて、我々も運用資産を国債から株式や外国債券に移した。日本国債 はメーンの投資先ではなくなり、金融取引の担保のために一定量を持つ程度だ。今後も国債の入札には応じていき、特別資格(プライマ リー・ディーラー)の返上は考えていない。
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