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307 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2016/10/02(日) 06:09:18.32 ID:zy2hkrTw - 金融緩和なぜ効かぬ?、成長力低下、刺激伝わりにくく、進まぬ構造改革、長期停滞の懸念。
2016/10/02 日本経済新聞 朝刊 いくら金融緩和を進めても、低インフレや低成長から抜け出せない――。日米欧の中央銀行がこんな袋小路に入り込んでいる。 高齢化や技術革新の停滞などで経済の地力が落ち、緩和による刺激が経済全体に伝わりにくくなっているためだ。地力を上げる ために必要な構造改革は遅れがちで、長期停滞を懸念する声も増えている。 「中央銀行は万能ではない」。日銀の黒田東彦総裁は9月30日、日銀本店で開いた国際会議でこう話した。異次元緩和政策 を導入してから3年半。異例の緩和措置を次々に打ち出したが、目標である物価上昇2%達成のメドは立たない。いつもは強気 の黒田総裁から珍しく本音がこぼれた。 金融緩和を進めても経済や物価が思ったように刺激されない大きな原因に、経済の地力(潜在成長率)の低下がある。日銀の 推計によると、潜在成長率は1990年代初めには4%程度あったが、今ではゼロ%近くに張り付いている。 今年4〜6月期の国内総生産(GDP、改定値)は物価変動の影響を除いた実質で年率0・7%増。景気が悪いように感じるが、 いまの日本経済の地力からすれば、実力通りかそれ以上の結果ということになる。 経済の地力が落ちるとどうなるか。中央銀行が政策金利を引き下げても企業はなかなか投資にお金を回さず、家計も消費に 慎重になる。この現象は景気を刺激も冷やしもしない「中立金利」(物価上昇分を除く実質水準)が低下していると言い換えること ができる。 日銀が9月の総括的な検証で公表した中立金利の推計値は「ゼロ近傍」。物価上昇率がゼロなら、金利をマイナスにする必要 がある。日銀がマイナス金利政策などの非伝統的な政策を進めているのはこのためだ。 中立金利の低下は日本だけの現象ではない。米サンフランシスコ連邦準備銀行のウィリアムズ総裁らの推計では、米国、カナ ダ、ユーロ圏、英国のいずれも、この四半世紀で大きく下がった。特にリーマン・ショック後の低下が目立ち、米国やユーロ圏では 今やゼロ前後だ。「日米は大幅なマイナスではないか」(みずほ総合研究所の小野亮氏)との指摘すらある。 いくら金融緩和をしても効果が限られ、日欧では緩和がさらに長期化するのは必至だ。米経済が緩やかに拡大しているにもかか わらず、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに動きにくい背景にもこうした事情がある。 世界中で経済の地力が落ちているのはなぜか。「将来への不確実性から人々が貯蓄を増やし、需要面では人口増加ペースの 低下が設備投資の縮小などにつながった」。世界経済の長期停滞論を唱えるローレンス・サマーズ米ハーバード大教授は30日 の日銀での会議で、中立金利低下の原因をこう分析してみせた。 電力網や自動車、航空機の普及があった20世紀と比べ、生産性を大きく高める技術革新が起きていないことが停滞の原因と する説も根強い。 黒田総裁の就任以前は日銀が金融緩和を進めさえすれば経済は成長するとの意見もあったが、緩和の限界が迫るなか、すっ かり鳴りを潜めた。「構造改革や成長力強化に向けた取り組みによって、自然利子率(中立金利)を高めていくことも重要」。 日銀は総括検証のなかに、政府への注文を忍び込ませた。 日米は大幅マイナス? ▼中立金利 経済に対して緩和的でも引き締め的でもない中立的な金利のこと。物価上昇分を加味した実質金利が中立金利 を下回ると経済は刺激され、逆に上回ると冷やされる。中期的には潜在成長率に近い水準になる。中央銀行の金融政策を決定 するうえで重要視されるが各種推計には幅もある。自然利子率、均衡実質金利ともいう。
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