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318 :名無しさん@お腹いっぱい。[]:2016/07/03(日) 06:23:21.45 ID:3b9POc7k - 英「EU離脱」の衝撃波―他国の不始末、被る日本(けいざい解読)
2016/07/03 日本経済新聞 朝刊 4ページ 1182文字 書誌情報 英国の欧州連合(EU)離脱で全世界の市場に激震が走った。2008年のリーマン・ショックの再来か。身構えた人もいるだろう。 2つのショックを比べてみよう。 リーマン・ショックは、大手投資銀行の破綻を引き金にした米国発の金融危機連鎖である。世界中の需要が蒸発し、日本経済は 苦境に陥った。為替市場で円高が進行したことも、日本企業には泣きっ面に蜂だった。 今回の引き金は英国の国民投票という政治イベント。リーマン破綻後の教訓から、日米欧の中央銀行はドル資金を潤沢に供給 する体制を整えた。イタリアの銀行などに問題は残るが、大手の金融機関が破綻の懸念に直面するわけではない。 英国のEUからの離脱には時間を要するので、その間は企業活動に不透明感が強まる。ただし、主要国が軒並みマイナス成長と なる事態が再現されるとは思えない。 今回、懸念されるとすれば、為替市場の円高リスクだろう。英国の国民投票をにらみ、6月24日の東京市場で円は1ドル=100 円を突破し、99円ちょうどまで急騰した。絵に描いたような「無秩序」な値動きといいたいところだ。 「無秩序な乱高下への介入は容認される」。主要7カ国(G7)や20カ国(G20)の合意からしても、政府・日銀が円売り介入に踏み 切れる市場環境と思える。ところがこの局面の介入はゼロ。 ルー米財務長官は、日本の円売り介入にいい顔をしない。その“にらみ”が効いているようだ。米国は自由な市場への介入を嫌う。 そんな建前論を別にすれば、悩ましい問題がいくつかある。 ひとつは欧州の混乱を引き金に、逃避通貨としてドルも買われていることだ。日本が介入すれば、ドルの実効相場を一段と押し上 げかねない。 もう一つ見逃せないのは中国の変調だ。9月にリーマンが破綻した08年は、夏場から中国は人民元相場をドルに連動させた。 ところが今回は英国の国民投票後も、人民元の対ドル相場の一段安を容認。対ドルで5年半ぶりの元安となった。 しかも今の中国は、リーマン破綻後に4兆元の経済対策で世界の需要を引っ張ったような役割を、キッパリと否定している。自ら の構造調整の過程では成長鈍化も甘受する、との姿勢を習近平政権は鮮明にしている。 中国は世界経済のけん引役を放棄した。それだけならまだしも、経済運営が手詰まりになった際に、通貨安競争に加わりかねない。 米通貨当局はそんな胸騒ぎを覚えている。折しも英ポンドは対ドルで31年ぶりの安値に沈み、連れてユーロも大幅安になっている。 「米国が日本の介入をけん制しているのは、中国が通貨安に打って出る口実を与えたくないからですよ」。日本の通貨当局はそう 解説する。 それはそれで一理あるにせよ、英国の指導者と国民の不始末のとばっちりを、関係のない日本がなぜ被らされるのか。ショックは いつも別の顔を持ってやって来る。 (編集委員 滝田洋一)
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