- □■□■□ ヴィッセル神戸 Part 172 □■□■□
560 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 15:34:01 ID:6dQxVLoO0 - test
スマソ
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561 :474[sage]:2006/09/14(木) 15:47:19 ID:6dQxVLoO0 - >>473
電話の主は、プラハの英雄・イワン・ハシェックだった。 「ホルヴィ、、、俺に力を貸してくれないか?」 「どうしたんだ、イワン。今どこにいるんだい?」 「コウベ。 ・・・ジャパンの、だよ。」 惹き込まれるように、ノイズだらけの声に聞き入った。 パベルは、代表のコーチだったハシェックがよく話していた ”東洋の島国”のことを思いだしていた。 パベルは助けを求められたとき、一度も断った事が無かった。 29年間、つらい時もそれを誇りに生きてきた。 「OK, イワン。すぐに行くよ。少し待っててくれ!」 長い電話の最後に、ホルヴィはそう言っていた。
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563 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 15:49:57 ID:6dQxVLoO0 - >>561
空港からコウベに向かう車で、ホルヴィはずっと窓の外を眺めていた。 ハーバーハイウェイを通り過ぎるころ、夕闇の海に架かる赤い橋の アーチを見ながら、プラハのことを思い出していた。 プラハに海は無かったが、大きな川にアーチが美しい橋が架かっていた。 一度壊れかけたホルヴィの心は、自分でも 気がつかないうちに少しずつ闘志を取り戻していた。 そして、再び挑戦するこの日を待っていたのだ。 「このチャレンジは、きっと上手くいく」 なぜだかはわからないが、ホルヴィはそう確信した。
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564 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 15:52:32 ID:6dQxVLoO0 - >>563
このチームには、なぜか外国人に対する懐疑の目があった。 その他にも、なにかあちこちがギグシャクしていると思った。 しかしホルヴィは、このチームのそんな雰囲気さえも一変させる。 勤勉な練習態度とその人懐っこい笑顔、天性のギャグセンスで すぐにチームメイトと打ち解け、周囲のムードを柔らかいものに変えていった。 そんなチームメイトから”丁寧なあいさつだ”と教えてもらった日本語がある。 「俺のおもしろさは、まだまだこんなもんじゃないぜ!」
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565 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 15:54:28 ID:6dQxVLoO0 - >>564
魚を生で食べる。みんなで裸になってオンセンに入る。 最初は奇妙に思えた、そんな日本の習慣にもずいぶん慣れた。 2004年シーズン、ヴィッセル神戸は 途中加入の元チェコ代表・ホルヴィの活躍で 1部リーグ残留を果たした。 シーズン終了後、ホルヴィは迷うことなく残留を決めた。 ここに自分を導いてくれたイワンは、もう居なかった。 だがここに、神戸に残りたいと願う自分がいる。 そして何より、自分を必要としてくれる仲間(サポーター)がいる。
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567 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 15:58:56 ID:6dQxVLoO0 - >>565
2005年、ホルヴィはもがいていた。 心に迷いはない。ここでサッカーをする。これからも。 妻も神戸が気に入っている。子供はモーヴィの大ファンだ。 しかしスラブ民族である自分、そして妻のこと。 祖国の記憶も無いまま、どんどん大きくなる娘。 その漠然とした不安はホルヴィのプレーにも影を落としていた。 2005年11月20日 ついにヴィッセル神戸のJ2降格が決定。 混乱するチームの中でもがくホルヴィに、一通のオファーが届く。 それは古巣スラヴィア・プラハからのオファーだった!
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568 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 16:00:50 ID:6dQxVLoO0 - >>567
しかしホルヴィはまたしても残留を決めた。 契約もまだ残っていた。新しい監督もハシェックが尊敬するすばらしい人。 そして何より、仲間との”約束”をホルヴィは忘れていなかった。 そして2006年 ホルヴィの新しいチャレンジが始まる。 「 トモニイコウ。 あの場所へ帰るために!」
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569 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 16:01:45 ID:6dQxVLoO0 - >>568
38℃を超える猛暑の中、いぶきの森球技場。 何かが違うキックの感触に、かすかな戸惑いを覚えるホルヴィがいた。 持病を抱える腰か、背中か。試合で痛めた右足首か。 いや違う。今まで経験したことが無い体の微妙な変化。 まさか衰えて始めているのか?もう俺はそんな年なのか? この年の春、ホルヴィは31才の誕生日を迎えていた。
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571 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 16:03:18 ID:6dQxVLoO0 - >>569
長く厳しいJ2の戦いも終盤を迎え、神戸は快進撃で2位に浮上。 ホルヴィも僅かな衰えを闘志と経験で補い、チームの躍進を支えていた。 突然の出来事だった。 監督が、スチュアート・バクスターが帰国することになった。 スチュアートは多くを語らなかったが、娘のそばにいてやる必要がある、と言った。 ホルヴィは自分に問いかけてみた。 妻の、そして子供ために、スチュアートのように勇敢に行動できるだろうか? チームは、監督を中心に選手、サポーターとより結束を強め、 東京ヴェルディ戦で10人で掴んだ劇的な逆転勝利。 試合後、スタンドの仲間たちのところへ走って行った。 仲間たちと一緒に叫んでいた。 " We Are KOBE! We are KOBE! "
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572 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 16:05:08 ID:6dQxVLoO0 - >>571
久しぶりのウイングでの札幌戦をドローで終えた夜、 自宅の電話が鳴った。 ひどく遠い、雑音だらけの声。 なにか予感めいたものが、ホルヴィの脳裏を駆け抜けた。
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573 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 16:10:25 ID:6dQxVLoO0 - >>572
『 いまチームがJ1昇格に向かってひとつになっているときに、 母国であるスパルタ・プラハよりオファーが入り、私自身、 本当に悩みに悩み抜きましたが、移籍することを決断しました。 私はヴィッセル神戸で素晴らしい2年間を過ごすことができました。 そして、この素晴らしいクラブの一員であったことを誇りに思っています。 神戸のみなさんは、私のキャリアの中でも最高のサポーター(の方々)でした。 みなさんの中には、私の突然の帰国に対して納得のいかない方や 怒る方もいらっしゃるとは思いますが、私がいなくても、 ヴィッセル神戸は今年必ずJ1に昇格すると信じています。 そして、ヴィッセルはその後も、J1でずっと戦いを続けていくことのできるチームです。 みなさんには、私のスパルタ・プラハでの活躍を見守っていて欲しいですし、 来年は(UEFA)チャンピオンリーグに出場できるように頑張りたいと思います。 ヴィッセル神戸は私の心の中に永遠に生き続けていくことでしょう。 We Are Kobe! Pavel Horvath
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574 :U-名無しさん[sage]:2006/09/14(木) 16:11:53 ID:6dQxVLoO0 - >>573
−終− *この物語は事実をもとに普通のおっさんがインスピレーションを得て 新たに書き下ろした全くの妄想であります。 登場人物は実在の人物とは全く関係ありませんし かなーりの矛盾点がありますが、ダメだしは許してください。。
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596 :574[sage]:2006/09/14(木) 18:05:13 ID:6dQxVLoO0 - ホルヴィが大好きでした。
自分自身にこの移籍を納得させるために 頭に描いたストーリーを5行、10行と書いてるうちに 気持ちが入っちゃって止まらなくなってしまいました。 あとで読み返してみると、ホルに対して失礼な内容が かなりあり、少し反省しております。 ごめんなさい、ホルヴィ。 プラハでの活躍、必ず見ています。 それでは、また、、あとで。
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624 :574[sage]:2006/09/14(木) 21:25:53 ID:6dQxVLoO0 - 共感してくれる人がいて嬉しい&安心してます。
しかし読み返してみると誤字脱字は多いし 特に夜中に書いた前半部分は捏造が酷いですね。。。 このままの状態で保存ってのもマズイので 適当に直したり、、ご自由に扱ってもらって良いかと思います。 コピーライツは神戸本スレ@2chでしょうか。 ここの住人ならば保存ナリなんでもして下さい。 ってなんか偉そうですね・スマン とりあえず誤字と訂正 >>569「衰えて始めて」→「衰え始めて」 >>473「生まれたばかり娘気持ち良さそうに眠っている。」→ 「生まれたばかりの娘が気持ち良さそうに眠っている。」 >>571「仲間たちと一緒に叫んでいた。」→「そして仲間たちと・・・」 では私はナナシに戻ります。 We Are KOBE!
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