- 【醤油】もう二度とスロもパチもやめる P3 【税金】
167 :醤油王子 ◆su2rK4jBVwko [sage]:2010/11/24(水) 01:27:42 ID:mpF2EqDK - お疲れ様です。あっという間に休みは終るな。
続き書いて寝るか。
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168 :醤油王子 ◆su2rK4jBVwko [sage]:2010/11/24(水) 01:48:00 ID:mpF2EqDK - 時間は9:30ぐらいだったと思う。ついに整理券配布の時間が来た。
並び順にパチンコかスロットかどちらかの整理券を一枚もらえた。俺とよっさんはもちろんスロットの券をもらった。 ほとんど諦めているところに見えた希望の光は、現実よりも明るかった。 もらった整理券番号は20後半の番号だった。Kにある獣王は20台程度だったためマジでギリギリの番号だ。 よ「あー…さすがにちょっと厳しいな」 俺「クソジジイが話してる感じだと意外といけるんじゃないかと思ったのに…」 よ「まあみんな獣王だろw」 俺「十人花火の親方に流れれば…」 よ「ねーよwww」 そんな話をしながら一旦車に帰ろうとした時 「あれ?きよし君と醤油君?」 聞きなれた声がした。
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169 :醤油王子 ◆su2rK4jBVwko [sage]:2010/11/24(水) 02:01:03 ID:mpF2EqDK - 俺とよっさんは声が聞こえた方向へ顔を向けた。そこにはAの常連である名人がいた。
名「あwやっぱりそうでしたかw」 よ「おおw来てたんですかw」 俺「おはようございます」 名「おはようございます。今日はやっぱり獣王ですか?」 よ「そうだったんですけどとれなそうな番号ですね」 俺「名人何打つんですか?」 名「私も一回獣王のEを打ってみたくてね…」 そう言いながら名人は嬉しそうな顔で整理券を見せてくれた。名人の手には輝く番号「一番」の整理券が握られていた。 その後は車に戻るのはやめて、名人と三人で一服しながら開店を待った。 名人は昨日の夜、死んだばあちゃんがダチョウに乗って夢に出てきたと熱く語った。今日はそのお告げを信じて朝6時から並んだらしい。 「マジで今日は掴める気がするんですよ…!」と興奮を抑えるように名人は語っていた。俺とよっさんは素直に獣王が確実に打てる名人を羨ましがった。 あっという間に時刻は9:50になっていて「整理券お持ちのお客様は整列お願いします」という声が聞こえた。 「じゃあがんばりましょうね」と言って名人は足早に列の先頭に並んだ。 ちょっと間を置いてよっさんと俺も列に並んだ。奇跡を信じて。
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170 :醤油王子 ◆su2rK4jBVwko [sage]:2010/11/24(水) 02:41:45 ID:mpF2EqDK - スロットの列は二列で形成されていた。店員の指示に従って俺とよっさんは隣で並んだ。二列になると意外と先頭までは近くて、名人の頭が見えた。
そして、9:55の開店時間が訪れた。「親方全E告知がありますように…!!」と最後まで神に祈っていたが無駄な努力だった。 店員が中から自動ドアを開けた。その瞬間列の後ろからものすごいプレッシャーを感じた。完全に押されている。 今でこそ入場時に多少の時間と間隔を置いて入場させるスタイルはどの店でも定着していると思うけど、スロット人気が急激に加速していた当時はまだ昔のまま開店時間に一斉に客を入れる店も少なくなかった。 Kもとくに入場時の対策はとっておらず、整理券番号順に並ばせてはいるが、店が開いたら半端ない台取りダッシュが始まった。 「マジでシャレにならんわ…!!」と涙目で前を見ると、半開きのドアに集中する行列の先頭で名人が「おい!?押してるだろ!?おい押すな!!押すな!押すなよ!!」と必死でプレッシャーに抵抗していた。 押すなと言われたら押したくなるのが人の性、名人は前フリも名人の域に達していた。 ドアが全開になると巣を突付かれたハチのように一斉に猛ダッシュで狙い台に向かう客達。その時、事件が起きた。名人がついに、プレッシャーに負けてつまづいて派手に転んだ。 後ろから見ていた俺はドアが開くや名人の頭が消えたように見えた。それをきっかけにして名人の後ろにいた客がどんどん消えていった。 俺も後ろからのプレッシャーに負けてダッシュで台に向かっていたが名人とは違う列だったので難を逃れていた。 綺麗にドミノのように倒れていく隣の列を眺めながら、ふと気が付いた「きよしが危ない」と。
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171 :醤油王子 ◆su2rK4jBVwko [sage]:2010/11/24(水) 03:03:28 ID:mpF2EqDK - 俺は走りながら慌てて後ろを振り返った。
その時、前のめりで倒れる前の客をトリプルアクセルでかわすよっさんの姿を見た。周囲にはバラの香りが漂っていた。 大混乱の行列を横目によっさんは涼しい顔で俺に追いついていた。 「早くいけ!!獣王とれるぞ!!」と言われて我に帰り、よっさんと一緒に獣王の島を目指した。 ダッシュで島に着到着した。島を見渡すとまだ半数近くの台が空いているように見えた。 それでも急いで、並びで空いている二台にタバコを置いて確保した。俺とよっさんは思いがけない棚ぼたに嬉しさを隠せなかった。 よ「よしとれた!!ラッキーだったなwww」 俺「アーマジデアセアセッターマジデ」 よ「てか名人はwwwwwwwwwあれ大丈夫かなwwwww」 俺「笑い事じゃないっすよ消えたっすよ一瞬で」 よ「尊 い 犠 牲 だ な wwwwwwwwwwwwwwwww」 呼吸困難になるんじゃないかと思うぐらい爆笑するよっさんと話しているうちに獣王の島は全ての台が埋まっていた。とにかく台がとれたことは素直に嬉しかったしワクワクした。 まだ打ち始められる10時までは時間があったため自動販売機に飲み物を買いに行った。 戻ってくる途中、おでこの絆創膏が痛々しい名人を、花火の親方の島で見かけた。お互い気付いてたと思うけど、俺は気まずくて無言で通り過ぎた。 そして時間は10時を迎えた。
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173 :醤油王子 ◆su2rK4jBVwko [sage]:2010/11/24(水) 03:35:16 ID:mpF2EqDK - カウントダウンが終ると島全体からメダルを投入する音が聞こえ始めた。俺もすでにスタンバイしておいたメダルを一枚投入して1ゲーム回し、時計で時間を測り始めた。
ドキドキしながらフラッシュを待つ間、ふと周りを見ると島の半数以上が右リール上段を凝視したり、手で覆って影を作ったりしていた。それぐらい攻略法は浸透していた。 そして、30秒が経過した。「チカれ!!チカれ!!チk」と念じていると、デモフラッシュが走った。 右リール上段に止まったフクロウが瞬きすることはなかった。肝心のフラッシュは低確だった。 よ「どうだった?」 俺「アーソノーアレ?テイカクカナー?アレー?」 よ「俺のは高確っぽいぞ」 俺「マジっすか!?あーいいなあマジかよ…」 よ「でも心配だから交換してチェックしてみるか」 俺とよっさんは台を交換してまた1プレイ回してチェックをした。よっさんの台は紛れもなく高確だった。そして俺の台は「低確だなw」とよっさんは言った。 この時点で考えられるのは前日からの据え置きか設定1ということしかないと思っていた。前日は出てないし獣王は満席だったため俺はよっさんに「デカドン打ってます…」と伝え席を立とうとした。 島の入り口付近で未練がましく獣王の島を徘徊する名人の姿を見つけた。席を立とうとしていた俺を名人が見つけた。俺は気まずく感じたが名人はまっすぐこっちに向かってきた。そして 「醤油くんやめるの?」 と俺に聞いた。
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175 :醤油王子 ◆su2rK4jBVwko [sage]:2010/11/24(水) 03:47:14 ID:mpF2EqDK - 俺はきまずかったため転倒事件に関してはノータッチで話を進めた。
俺は名人に 「やめるけど高確判別で低確だったから設定変更での高設定は期待できない」 「前日からの据え置きの可能性はあるけ前日出てないから高設定は期待できない」 「夏頃AVとタイアップしたエロい台が出るらしい」 ということを伝えた。 それを聞いた名人は「今日ここで獣王を打たないとどうしても腹の虫がおさまらない」と言い、それでもいいからその台を打たせてくれと言った。 俺は名人が不幸の上塗りをするのはかわいそうでなんとしてでも止めたかったが、名人の迫力に負けてついに台を譲った。 俺にお礼をいいながら嬉しそうに下皿にピースの箱を投げ入れる名人をなんとも言えない気持ちで見つめながら、俺は獣王の島を後にした。 三時間後、俺はバカボンで800ハマリを食らっていた。 そして、名人が座る後ろには、すでに千両箱が用意されていた。 そう、俺が捨てて名人に譲った台はEだった。
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