- 刑法の勉強法■59
302 :氏名黙秘[]:2021/01/19(火) 12:27:41.16 ID:LeRI8qVO - >>301
「団体・組織の有する金銭の管理をまかされた者は、銀行預金口座の 通帳と印鑑を所持していることで口座の中の預金に対する占有(いわ ゆる預金の占有)をもつ」…この言い方は少し曖昧。解釈が分かれて しまう。 →解釈1…「管理をまかされた者は、預金の占有を持つ。その理由は 『管理をまかされた者』は『通帳と印鑑を所持』しているからで ある」。 →これだと、管理をまかされた者(=払戻権限を有する者)で あっても、通帳・印鑑の所持を失えば預金の占有を失う。 通帳・印鑑の所持こそが重要なのだとすれば盗取者でも預金 の占有が認められる。 →解釈2…「『管理をまかされ』且つ『通帳と印鑑を所持』する者には 預金の占有が認められる」 →これだと管理の委託(払戻権限の授与)と通帳・印鑑の所持 がともにないと預金の占有は肯定できない。よって盗取者に は占有はない。 どちらの解釈が正解なのかは文章から明白ではない。 不動産登記の場合には、単なる名義人(=正当な処分権限なき者)でも 登記があるだけで法律上の支配が認められていることからすれば、解釈1が 整合的ということになる。でもそうすると払戻権限が宙に浮いてしまい、結局 通帳と印鑑の所持だけで占有ありになるじゃないか、となる。
|
- 刑法の勉強法■59
307 :氏名黙秘[]:2021/01/19(火) 17:45:04.63 ID:LeRI8qVO - >>306
他人の物を自由に処分してしまえる状態があれば、それは「法律上の支配」と いえ、「占有」に当たる。ここは鉄板。反論する方が独自説。 銀行実務的には普通、出金には本人確認書類(権限者であることの確認書類)や 暗証番号(主にATM)が必要。なので今まで「通帳・印鑑」で省略してたけど実際 には上記書類・暗証番号がないと引き出せないので「法律上の支配」はない。 で、書籍に載ってる「正当な払戻権限」て用語がミスリードなんだと思うけど、 どうもこの「暗証番号等を本人から委託されて知っている」ことを「正当な払戻 権限」みたいに言ってるっぽいんだな。本人から権限授与されたら暗証番号聞かさ れるし、また暗証番号聞いたんならすなわち権限授与されたんだろう、という思考。 だから「正当な払戻権限」の中身は、実は法的権限ではなく暗証番号を知っている こと、などの自由に引き出し得る状態という事実状態なんだよ。これはまさしく 他人の物を自由に処分しうる状態で「法律上の支配」のオーソドックスな理解と一致 する。 では、本人の委託に基づかず、何かの偶然で通帳・印鑑・暗証番号等を全て入手して しまったという教科書事例はどうなるかというと、この場合、自由に引き出せてし しまうから「法律上の支配」があり、「占有」に当たる。 ただし本人の委託がないから委託信任関係に基づく占有ではないので横領罪は成立 しない。 通説のまともな理解はこれだろう。 違うというなら「なぜ、事実上の処分可能性とは別に法的な権限が『法律上の 支配』を基礎付けるのか」を実質的に説明してくれないと話にならない。
|
- 刑法の勉強法■59
309 :氏名黙秘[]:2021/01/19(火) 17:54:06.73 ID:LeRI8qVO - >>308
おふざけはおやめください。
|
- 刑法の勉強法■59
312 :氏名黙秘[]:2021/01/19(火) 18:20:12.55 ID:LeRI8qVO - >>310
規範的障害を理由に他人物への法律上の支配を否定したら、 そもそも横領罪の構成要件に当たり得る行為には規範的障害 が働いて常に「占有」が否定されることになる。 また、「占有」が否定されるから横領罪は成立しない→規範的障害なし →法律上の支配復活→構成要件該当→規範的障害復活→以下略 になって結論が出せなくなる。
|
- 刑法の勉強法■59
313 :氏名黙秘[]:2021/01/19(火) 18:23:48.35 ID:LeRI8qVO - >>311
これに関してだけはそこに挙げられた学者さん方(の書いた記述)がおかしいと 思います。文字通りに受け取ると非常に不合理になると思います。少なくとも 予備試験・新試で根拠を論証したうえでキッチリ当てはめるといった論述ができ るようなものではないです。権限が無いなら法律上の支配はない(理由付けなし) で言いっぱなしになってしまいます。
|