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元ヴェテ参上
刑法の勉強法■57

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刑法の勉強法■57
691 :元ヴェテ参上[sage]:2018/11/09(金) 18:55:38.32 ID:513Xdc6A
井田総論第2版レビュー試論(1)−総説

 実に10年ぶりの改訂である。その間、判例・学説の進展には目覚ましいものがある。特に、
因果関係論、正当防衛論、共同正犯論の変化は大きい。井田も「はしがき」で「改訂は全体に
及んでいるが、とりわけ変化が顕著であった因果関係、正当防衛、共同正犯、刑罰論と量刑
については、旧版の記述を元にほとんど書き換えるほかはなかった」と述べている。また、
井田は、特に因果関係の改説については、近著の論文で「筆者は、危機に瀕した相当因果
関係説を何とか危機から救おうと努力してきたが、その努力ももはや限界に達したとの認識
に至った」と述べている。そこで、本試論も、因果関係、正当防衛、共同正犯等を中心に論ずる
ことになる。
 ただ、その前に、井田総論は「教科書」としては優れているが、目的的行為論・消極的構成
要件要素の理論を採るので「基本書」としては採用しづらいという声をよく聞く。行為論が試験
に出ることは考えにくいので杞憂だと思われるが、消極的構成要件要素の理論は、犯罪体系
論、構成要件論にとどまらず、違法性論や錯誤論にかかわる問題なので、最初に検討しておく
必要がある。
刑法の勉強法■57
692 :元ヴェテ参上[sage]:2018/11/09(金) 20:33:30.78 ID:513Xdc6A
井田総論第2版レビュー試論(2)−消極的構成要件要素の理論

中義勝は、1971年、『誤想防衛論』を著わし、当時、圧倒的定説であった団藤説に異を唱えた。
団藤説の体系(構成要件ー違法性ー責任)では、誤想防衛の場合、不都合が生じるというので
ある(今でいう「ブーメラン現象」ー名付親は川端博)。正当防衛などの正当化事由も、それが
不存在であれば、構成要件を充足するという意味で、消極的構成要件要素であるとする。これ
が消極的構成要件要素の理論(以下「本理論」という)であり、井田説の特色の一つである。
  殺人構成要件=(199条)+(−35条)
「蚊を殺す行為」も「人を殺害する行為」も、ともに殺人構成要件に該当しないとして同一の
扱いを受けることになる(ヴェルツェル)。
本理論が、構成要件と違法性の区別を放棄してまで、その一体性を主張する根拠は、錯誤
の問題の解決にある。「通説の問題点は、違法性阻却事由の錯誤において、誤信について
過失があったとき過失犯の成立を認めなければならないが、どのようにして過失犯の成立
を認めることができるかが明らかでない」というのが井田の問題意識である(382−3頁)
 学説は本理論に対していたって冷淡である。たとえば「構成要件該当性では類型的な違法性
を基礎付ける事実がその内実をなしているが、違法性阻却事由は全法秩序から導き出される
非類型的なものであって、構成要件の中に取り込むことに性質上馴染まない」(山口211頁)
 錯誤問題の解決は、三段階犯罪論体系を堅持したうえでも可能であるとすれば(西田、曽根、
山口、山中、佐伯仁志)、、分析的思考を犠牲にしてまで本理論を採ることはできない。もちろん、
試験では採り得ない。


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