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574 :カイ ◆c12wmZgb8g (スッップ Sd22-B84l)[sage]:2020/08/28(金) 16:33:28.56 ID:mwFZWfInd - 件の小説、頭の方だけできました。
短編になりそうですね。 原作では地球連邦の卑劣な保身に嫌気が差して敵のヴェイガンに寝返ったレイナでしたが、この話ではダークな要素は無くしました。 『とにかく明るいレイナ』 A.G.150年代……ヴェイガンとの戦いを制する為に地球連邦軍は最新鋭の機体を開発し、その実用化に励んでいた。 ここで描くのはその直前のステップ、つまり試験に力を傾けたテストパイロットの物語。 「はい!お疲れ様ー!」 高機動型の機体、Gバウンサーの発展型から降りてきたのは筋骨隆々の歴戦パイロットではなく、20代の女性パイロット。 凛とした高らか声で他のテストパイロットとスタッフ達に呼び掛ける。 ヘルメットを脱いで露になったのは、柔らかい植物をイメージさせる薄いグリーンのサラサラヘアー。 爽やかなブルーの瞳。 疲れを微塵も感じさせない健康的な表情。 連邦の中でも期待の星、レイナ・スプリガン。 パイロットとしてだけでなく、Xラウンダーとしても一際鋭い感覚を持っていた。
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575 :カイ ◆c12wmZgb8g (スッップ Sd22-B84l)[sage]:2020/08/28(金) 16:34:57.24 ID:mwFZWfInd - 何人かの男性スタッフは涼しげな綺麗さに表情を綻ばせている。
「いやー、凄かったね。今日も。あんなに素早い機体を乗りこなせるなんて。」 スタッフの一人が誉めると彼女は自分の頭に手を当てて 「いえ、皆がいい機体を作ってくれたからよ。 それにチューンナップもバッチリだったし。」 他のスタッフやテストパイロット達にも挨拶して帰ろうとするが、こんな声が聞こえてきた。 「腕は凄いし美人だけどさ、何かデカいじゃん?男並みだし。」 「しっ!聞こえるぞ!」 「…………」 それは彼女が気にしていることだった。 何しろ身長182センチ。 体型は女性らしいスレンダーさがあるが、彼女にメロメロな男でも気後れしてしまうかもしれない。 これでも男装の麗人的なムードがあるらしく、女性からの告白も何度かあったが全て丁寧に断っている。 麗人よろしく澄まし顔で格納庫を後にする。 (あいつ……なんてことを……) 「…………あー、私だってもっと普通の背丈になりたかったよ!」 「おいおい、どうしたんだい?」 「…………え?」
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576 :カイ ◆c12wmZgb8g (スッップ Sd22-B84l)[sage]:2020/08/28(金) 16:35:32.36 ID:mwFZWfInd - 清涼な声を珍しく荒げていると、反対に落ち着いた男性の声が聞こえたので振り返ると……
そこにいたのは茶髪の同年代の男性だった。 普段は余裕のある凛とした顔を赤らめて、蒼い目を左右にキョロキョロするレイナ。 薄い唇は微妙な三日月型を作って引きっている。 「え、あの……私ついついおっきな声だしちゃって…… あの……確かあなたは……」 「最近赴任したジラード・フォーネル。因みに少佐だよ。 君は確か……レイナ・スプリガン少尉だっけ?」 「しょ、少佐です……」 (あ、いけないまたキツい言い方になっちゃった……) 軍隊なので階級は重要だが、今の訂正の仕方はどこか子供っぽい不機嫌さがあるのに気付いて恥ずかしくなるレイナ。 「ああ、これは失礼。同格だね。 さっきの奴の言葉は気にすることないさ。 それじゃあ。」 爽やかに笑って去って行くジラードを私はポツンと見ているだけだった。
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