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A級戦犯/木 神
名無しより愛をこめて
おまいらウルトラQの脚本を創ってください。再X4

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おまいらウルトラQの脚本を創ってください。再X4
116 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 12:40:03 ID:7Z66nIJi0
「結果は、破れタ。『木 神』だケニ流れこんデイタ大地のエネルギーが、ワたシニも流レこンでいル。」
歓声を上げる窪田の髪が黒から赤に変わり始めると同時に、その声も性を感じさせぬ、無機的な声色へと変化した。
「…手始メニ、この山ト、コの森ト、ソして、オマエタちヲ、余サズ灰ニシテヤロウ」
「あ、あわわわ…」
何がおこっているんだ?という顔でなりゆきを眺めていた村人の一人が、騒ぎ出したのを皮切りに、森を荒らしていた村の若者たちは一斉に逃げ出した。
その姿を見て、軽蔑もあらわに窪田=「魔石」は罵倒した。
「自分を守ってくれテイるものを自分で壊しテシまった馬鹿モノども!オマエタチ生キ物ハ、ドイツモコイツモ救イヨウノ無イ馬鹿モノバカリヨ。」
「魔石」の目がまたも赤く光りだした!
「ワタシハ石。ワタシノ命ハ大地ノ命。ワタシノ思イハ星ノ思イ。命短キ愚カモノドモヨ、
我ガ炎、己ガ体デ味ワウガイイ!」
「炎!?…そうか、パイロキネシス(精神発火)!」凍条が叫んだ。「三番目の犠牲者は自宅で焼け死んだ!それがオマエの力なんだな!」
ニヤリと「魔石」は笑い返した。瞳が輝きを増し、髪は燃え立つ炎のように赤く染まった!
(焼き殺されるのか!?)
無駄とは知りながらも、凍条は重傷を負った南を守ろうと、その上に覆いかぶさった。
…魔石の瞳が更に輝く!

……ズゥンッ!!
そのとき、昨夜と同じ地響きが轟き渡った!

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117 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 12:40:43 ID:7Z66nIJi0
「魔石」憤怒の形相で天を仰いだ!
「オノレ、マダ邪魔ヲスル気カ!?」
ギシギシギシィィィィィッ!
ズゥンッ!!
何かが軋む音とともに、もう一度地響きが轟いた!
(何かがやって来る?)
「魔石」の視線の行方をたどった凍条は、目にした光景に瞬間度肝を抜かれた!
歩けぬはずの木が歩く!
緑の巨人=木神が、二本の足を大地から引き抜いて、真っ赤な髪をなびかせる魔性の女=『魔石』と戦うべくやって来る!
「ソウマデシテ、コノ小サナ世界ヲ守リタイノカ!?」
凍条も、やっと昨夜の事件の真相に気がついた。
「夕べの事件は、三乃家のお爺さんを助けたいという『木神』の一念が起したものだったのか!」
三乃家の老人に魔石の魔の手が迫ったとき、大樹は「行って助けてやりたい」と願ったのだ。
その思いが、昨夜の怪異現象の正体だ!
いや、ただ助けたいと願っただけではない、実際助けようとして「魔石」と目には見えない戦いを繰り広げたればこそ、「魔石」は三乃家の老人の首を折るところまでしかできなかったのである。
そしてついに…山と、森と、そしてそこに生きるもの全てを守るため、「木 神」は本当に歩きだしたのだ!
「面白イ!相手ニナッテヤロウ!!」
「魔石」は片手を谷川の方に、差し招くように振った。

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118 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 12:42:21 ID:7Z66nIJi0
「魔石」が片手を振ると、ゴオオオオッ!という音につづいて木々を押しつぶし巨大な岩が降って来た。
それも一つではない。巨岩が次々と飛んでくると、「魔石」をシェルターのように包み込むながら次々折り重なっていく!
ぶつかり合い、重なり合う巨岩は、みるみるうちに巨大な人型をつくり上げた。
そして折り重なる巨岩の隙間を漆喰のように赤い光が埋め、そして、人間の頭にあたる箇所の中央に大きな陥没が生じたかと思うと、突然そこに血のような赤い輝きが迸り出た!
赤く輝く隻眼をいただいた、巨岩のサイクロップス!
「魔石」の巨人がズシンと一歩を踏み出した。
緑の巨人と岩の巨人。
身長50メートルをゆうに超える2人の巨人が、「木神の森」で睨みあった!
「ここにいちゃマズい!逃げますよ、南さん!」
凍条は南の体に腕を回し、強引に助け起した。
だが「魔石」に彼らを逃がすつもりなどあろうはずもない。
真っ赤な視線が凍条らに降り注ぎ、巨岩の左足が振り上げられた!
(踏み潰す気か!?)
南を抱えては逃げられない。しかし、かといって自分ひとりで逃げることのできる凍条ではない!
南を抱えたまま、できる限りの速さで必死に走り出す凍条。
それを嘲笑うかのように、巨岩の片足が唸りをあげて振り下ろされる!
しかし、必死に逃げる凍条のまわりの地面から、激しく土くれを飛ばして太い槍か棍棒のようなものが無数に飛び出し、振り下ろされた巨大な足を受け止め絡みついた!
(これは…木の根!?)
土色の根が「魔石」の足に絡みつくと、緑の蔦が巨人の体をスルスルと這い登った。
森中の草木が、「木神」に加勢し「魔石」に挑みかかってゆく。「魔石」はあっというまに茶色と緑色とに覆い尽くされた。
南を抱えて必死に逃げつつ凍条がふと振り返ると、締め付ける蔦と根の圧力で「魔石」の岩の体が軋みを上げ、細かな破片が飛び散り始めていた。
「木の根は時にコンクリートを砕き、岩をも割る。あるいはこの勝負、『木神』が…」
凍条の脳裏をそんな甘い観測が過ぎった瞬間、「魔石」の目が一際赤く輝いた!


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119 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 12:43:00 ID:7Z66nIJi0
爆発でもしたように隻眼が赤く輝くと、まるで導火線でも伝うように赤い光が岩と岩のあいだのあらゆる隙間を駆け巡り、岩の巨人はあっというまに炎に包まれた。
いや、燃えているのは「魔石」ではない。「魔石」に絡み付いていた蔦と根だけだ。
それが証拠に…
「ホホホホホホ…」
炎の中から「魔石」の笑い声が聞こえる!
「私ノ力ハ炎。イクラ束ニナッタトテ、炎ニ弱イ草木ニ何ホドノコトガ、デキヨウカ。」
体を一揺すりして燃え上がった蔦や根を払い落とすと、またも赤い隻眼が輝いて森のあちこちから一斉に火の手が上がった。
突然の炎に逃げ惑う鳥や獣、虫たちを嘲笑いながら「魔石」は次々と火炎を撒き散らす
「刹那ニ生キ、刹那ニ死ヌ。生キ物トハ、何ト脆イモノデアロウカ。」
ギギィィィッ!
悲鳴のような軋み音を上げて「木神」が全身をザワザワと激しく揺らした。するとどうであろうか?あたり一面が何処からともなくミルクのような霧が湧き出したかと思うと、山のあちこちに散らばっていた火の手が瞬く間に消し止められてしまった。
「火ハ消セバヨイトイウワケカ?ダガ、火ヲ消スダケデハ、私ハ倒セ……。」
最後まで言い終えるより早く、「魔石」の体が見えない巨大なハンマーに一撃されたように大きくよろめいた。「木神」のテレキネシスによる攻撃だ。もともと歩けないはずの「木神」が歩いているのもテレキネシスによるものなのだ。
岩の巨人を粉微塵にせんと、「木神」がさらに全身を激しく振るわせると、岩の表面に大小の亀裂が走り、圧力に屈した大小の破片が激しく零れ落ちる!
…しかし、「魔石」はまだ余力を残していた。
真紅の隻眼が、またも怪しく輝くと、突如として「木神」に紅蓮の炎が燃え上がった!
「…攻撃ニ集中シ過ギテ、防御ガ甘クナッタナ…」
「木神」と「魔石」のあいだの空間に、陽炎のようなものが現出し、奇妙な色あいが表れては消える。「木神」と「魔石」の念動力が空中で激しく干渉しあい、空間を歪めているのだ!
「魔石」の力を撥ね退けられないとみるや、「木神」は今度も霧を呼び出して火勢を殺ごうとした!
しかし「魔石」の赤い瞳が追い討ちをかけるように二度!三度!四度!と続けざまに輝くと、「木神」はついに地獄の業火に包み込まれた……。

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120 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 16:24:01 ID:7Z66nIJi0
「南さん!あと少しだけ、頑張って下さい!!」
「いいから…オレを置いて…」
負傷のため動けない南を抱え、転げるように……と言うより、実際なんども転がりながら、必死に逃げ続けていた凍条に、「魔石」と「木神」の戦いの帰趨を見届ける余裕は無かった。
だが…リフト建設予定地跡まで逃げてきたところで、凍条は足元の異変に気がついた。
(どうしたんだ?この明るさは??)
足元が突然明るい…。不審に思った凍条は、足を止めて「木神」の森の方を振り返った。
「あっ!!」
思わず凍条は息を呑んだ。
「木神」が、天を突く巨大な松明となって燃えていた。
村人や凍条、山の動物や植物を守るため「魔石」と戦い、そして敗れたのである。
ゴウゴウと燃え上がる巨木に向かい、(ありがとう)と凍条が心の中で手を合わせたときだった。

「綺麗でしょ?凍条さん。」

覚えのある声にハッと振りかえると…、行く手を塞ぐように「魔石」が立っていた。
いまは岩の巨人の姿ではなく、窪田の姿に戻っている。
「アナタたちが邪魔しなかったら、昨日のうちに結界を壊せていたのに。ほんと、余計なことしてくれるんだから。」
(巨人の姿でないということは……「木神」との戦いでエネルギーを浪費したということか?それなら……)
しかし、だからといってどうするという手立てもない。
脇のホルスターに収まっているP226では効果無いことは、既に実証済みだ。
「山中だって勝手にアンタたちを呼んじゃうし、もういい加減にしてほしいわ。」
無駄と知りつつ凍条は拳銃を突きつけたが、もちろん「魔石」は眉ひとつ動かさない。
「バカね。さっき撃ってみたのに、もう忘れたの?」
ニタリと笑って「魔石」は続けた。
「…ワタシね、バーカは嫌いなのよね。」
窪田の片目が赤く光った!
(……くそっ、このまま殺られるのか!)
だが絶体絶命の瞬間、凍条はその場にいるのが自分と南、そして「魔石」の3人だけではないことに気がついた!

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121 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 16:25:31 ID:7Z66nIJi0
「魔石」から20メートルほど離れたところに立つ、さび付いた鉄塔の前に、いつのまにか白く小柄な人影がいた。
「『木神』の巫女さんね?」
振り返りもせず「魔石」は言った
「……いまごろやって来ても遅いわよ。アナタの主人はついさっき私が滅ぼしたわ。…もう何ていうか、ひと捻りってヤツよね。」
明らかに「魔石」は、「木神」の巫女の登場をなんとも思っていない。
しかし……
「……それで勝ったつもりか?」
その声は、紛れもない外観相応の少女の声だったが、同時にどこか遠くから聞こえてくるような奇妙な響きも併せ持っていた。
「…アナタ、喋れたの?」
驚いた「魔石」が思わず振り返ると、ヒロコは、初めて真正面から相対する「魔石」を、臆することなく睨み返した。

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122 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 16:31:27 ID:7Z66nIJi0
「魔石」を睨みすえたまま、ヒロコは再び口を開いた。
「悪魔の石よ、老いた『木神』には、オマエと戦っても勝てないことなど最初から判っていた。」
「負けを承知で戦ったというの?…ふん、何を負け惜しみを…」
「故に、戦いの前に『木神』は私に命じたのだ。自分との戦いのあとに、力の弱まった『石』を倒せと。」
「た、倒すだと??」
「魔石」の顔に、嘲りの笑みが浮かびあがった。
「……このワタシを倒すだと??ほほほほ…、人間の小娘に過ぎないオマエが、どうやって私を倒そうというのだ?『木神』ですら勝てなかった、このワタシを?」
森じゅうを「魔石」の高笑いが響き渡った。
「いくらワタシの力が弱まったといっても、オマエのような小娘が?このワタシを?ほほほほほほほほほほ…」
「悪魔の石よ!」
「魔石」の嘲笑を圧する大声で、突然ヒロコが叫んだ!
「私の立っているこの場所の意味がわかるか!?そして、私の持っているこの枝の意味がわかるか!?」
ヒロコがそれまで背中に隠し持っていたものを「魔石」に突きつけると、凍条は思わず叫んだ「橘の枝!?」
「そう、そして私が立つこの場所こそ、かつて切り払われた橘の木があった場所だ!」
バブル期の開発で、分断された「外側の橘の輪」。
その断たれた輪の部分に、橘の小枝を手にしてヒロコは立っていた。
「魔石」の表情が一変した!
「結界を再生する気か!?だが不完全な結界で何ができると…」
「そのとおり、不完全な結界でオマエを倒すのは無理だ。だが、『木神』様と戦った直後の今なら、できぬことではない!」
「な、何イ!?」
木神の巫女は祈るような姿勢で橘の枝を捧げ持つと静かに目を閉じると、ヒロコは自らも橘の木と化したように、みずみずしい橘の小枝を頭上高く差し上げた!
「『木神』の森に住まう草よ!木よ!生きとし生ける全ての友よ!我が結界に、力を貸せ!」

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123 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 16:46:08 ID:7Z66nIJi0
淡いオレンジの柱が、ヒロコの掲げた橘の小枝から立ち登った!
するとそれに呼応するように、一本、また一本と森の中からオレンジの柱が立ちあがる!
いまだ森に健在の橘の木が、ヒロコの呼びかけに応じているのだ。
次々立ち現れるオレンジの光の柱は、ついに「木神」の森全体を囲い込むと、にわかに「魔石」が苦しみだした。
「『魔石』よ!大地そのものと齢を同じくするオマエからすれば、我々の命は一瞬に過ぎない。されど『魔石』よ!心して聞くがいい!命短い我々は、短い命を受け渡すことで、オマエに匹敵する長い時間を越えてきたのだ!」
「ぐあぁ……い、命を受け渡すだと!?」
「そうだ!父母から子へ、そして孫へ、我らは命を繋いできた!そして知るがいい!『魔石』よ!繋ぐ命は、オマエにも負けない!」
ヒロコの正面の光景が、「木神」と「岩の巨人」の戦いのときのように奇妙に歪んだ!
「魔石」の念動力が、別の力に跳ね返されているらしい。二つの力の鬩ぎあいが、空間の歪みを生み、光が曲がり映像も歪むのだ。
凍条の目の前で、歪みの範囲が急激に広がったかと思うと、口では表現し難い色が次々と現われては消えた。
(「魔石」が全力を挙げて結界を破ろうとしている!)
だが、橘の結界は今度も「魔石」の魔力を跳ね返し、ヒロコには指一本ふれさせない!
ヒロコが更に念を込めると、「魔石」の苦しみも更に大きくなる。
「ぐぅあぁ………」
……しかし、酷く苦しみこそしているが、このまま「魔石」を滅ぼせるとは凍条には思えなかった。
(このままではダメだ、でも、何が足りないんだ!?)
オレンジの光の柱をひとつづつ目で追っていくと、一箇所だけ大きく間の開いた箇所があることに凍条は気がついた。
「そうか、新村道!あそこの橘が途切れたままだから、結界の再生も不完全なんだ。」

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124 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 16:50:12 ID:7Z66nIJi0
「ううっ……」
歯を食いしばってヒロコは念を集中していたが、手にした橘の小枝から生じる光の柱が、次第に揺らめきを見せ始めた。
短い命の人の子と、地質年代的存在の「石」とでは、耐える力に差があるのだ。
ヒロコの額に玉の汗が流れ、対照的に『魔石』の口から勝利の笑いが漏れた!
「やっぱり…私の勝ちみたいね。ほほほほほほほ」
ついにヒロコががっくり片膝をついた。橘の小枝こそ捧げ持ったままだが、光の柱は消えやらんばかりだ。

「…やっぱりダメなのか!?」
…ついに凍条すら諦めかけた……そのときだ!
新村道の向こう側、「橘の輪」の途切れているはずの箇所からオレンジの光の柱が新たに天へと立ち登った!
「…ぐ!?ぐああああっ!!」
途絶が無くなり、「橘の輪」が完成した瞬間、「魔石」の口から絶叫が迸った!!
「け、結界が!?結界が完全に?何故だ!?そんなバカな!?」
叫び続ける「魔石」の全身に細かなヒビ割れが走った!
よろめきながらも立ち上がると、力の限りにヒロコが叫んだ!
「滅びよっ!『魔石』っ!」


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125 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 16:55:29 ID:7Z66nIJi0
南と凍条が村役場前までなんとか戻ってくると、新村道を大儀そうに下ってくるある男と出くわした。
苦しい息の下、それでもほっとしたように南は言った。
「最後に現われた…光の柱は…、やっぱり…アナタの…仕業だったんですね…万石先生。」

傷の深い南を、凍条と万石が左右から支えるようにして受付の長椅子に横たわらせた。
「四番目の犠牲者の掌(てのひら)からは柑橘系の臭いがしました。それに…南さんは気がつきましたか?五番目の犠牲者、三乃家の老人の遺体のすぐそばには、橘の小枝が落ちていたんです。それで、私は、村の外で橘の鉢植えでも調達して来ようと思ってたんですが。」
そこまでの必要も無かったんですねと、万石は笑った。
「それで…『魔石』は…どうなりましたか?」
「『木神』の遺志を継いだ巫女が、見事滅ぼしましたよ。」南に代わって凍条が答えた。「…何万年もの歳月を一度に受けたみたいに、あっというまに風化して砕け散ってしまいました……。ところで万石先生。」
凍条もいつのまにか「万石さん」ではなく「万石先生」と呼びかけていた。
「…先生は車ごと谷川に落ちられたのではなかったのですか?」
「確かに落ちましたよ。」万石は実にこともなげに答えた。「…落っこちながら、窪田さんが上から見下ろしてるのが見えたくらいですから。」
「それでは何で?」
…なんで無事なのかということだ。
「判りません。山火事のような気配がして……気がつくと橘の木の根元に倒れていたんです。」
万石が視線を落とすと、いつのまにか南は目を閉じていた。
死んでいるのではない。胸が僅かに上下しているからそれは確かだ。
「万石先生。ひょっとすると…『木神』が念動力で助けてくれたんではないでしょうか!?」
「たぶん…たぶんそうなんだと思います。…理由は全く判りませんが…。」

さすがの万石にも、自分が助けられた理由はさっぱり判らなかった。
「木神」が何故、念動力を用いてまで万石を助けたのか?
それは……足元の花を摘もうとしかけて「せっかく咲いてるんですから、止めときましょう」と言った、万石の優しさに対する「木神」の返礼だったのだ。
おまいらウルトラQの脚本を創ってください。再X4
126 :A級戦犯/木 神[sage]:2008/06/03(火) 16:55:52 ID:7Z66nIJi0
もう「木神」はいません。
「木神の森」も焼き払われ、炭と化した木々が黒い肌を晒しています。
しかしよく見れば、その根元には新たな緑、命を受け継ぐ若葉が顔を覗かせているのに気づくでしょう。
このように次々と命を受け渡すことで、私たちは永劫の時をこえて来たのです。
受け継がれてきた命のバトン。
一つに繋がれた「億」を超える歳月。
その重さというものを、私たちは考え直してみるべきなのではないでしょうか。


A級戦犯/「木 神」

お し ま い

おまいらウルトラQの脚本を創ってください。再X4
127 :名無しより愛をこめて[sage]:2008/06/03(火) 17:18:37 ID:7Z66nIJi0
今回の「木 神」は、土壇場でいろいろと災難に見舞われました。
ラスト部分を投下しようと思ったら、何故かアクセス禁止。
アクセス禁止が解けたと思ったら、こんどはパソコン不調。
おかげで、金曜の終了予定がずれこんで火曜に…。
最後の止めで、溜まった分を連続投下したら連投禁止規定に引っかかりました。
いや、ひどい目にあいました(笑)。

「木神」は基本的に原作に忠実に構成しましたが、一つだけ「魔石」の憑依している対象を社長から社長秘書に変更しました。
そしてジャパネスク・ネタをたっぷり盛り込んだ上に、楽屋オチで名前だけですがウォレス大佐を登場させました。
大佐は某板の某スレに投下した駄文「エニグマ」用に作ったキャラクターで、個人的に気に入ったので部下の軍曹やファン・リーテンともども何処かで再登場させたいと思っていたヤツです。
さて次回は……ほかに投下される方がいらっしゃらなければ、万石先生続投の「甦る顎(アギト)」です。



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