- 【議論】ライダーバトル・フリー対戦スレッド【SS】
91 :仮面ライダーカイザ対王蛇[sage]:2008/03/17(月) 01:12:06 ID:jpfFKZkR0 - ──かつて多くの戦いを見守って来た来た闘技場の扉は、その記憶を抱きしめ
沈黙していた。少し前までは静寂の中に。そして今は、再び、次なる出番を待つ 戦士達のために。 会場を見下ろす放送席には既に、関係者達が詰め寄せている。 令子「さあ世紀の一戦はもう目前です。さてここで、試合前の解説を伺ってみましょう」 そして、マイクを向けられた男は、言った。 影山「光を掴もうとするなって言ったじゃないかー!闇に生きるんじゃなかったのかー! ううう……ずるいよ兄貴は……自分だけスポットライトの当たる場所に……」 令子「あ、あの……えと……ゲストの三原様は……?」 裏方からもうひとりのジャンバー姿の男が出てきて、レポーターになにかささやく。 令子「家に帰った!?なにそれ!?解説どうするのよ」 男は影山を羽交い締めにして退場して行く。 城戸「こら、大人しくしろ、令子さんを困らせるな」 令子「……映像にお見苦しい点がありましたことを、お詫びいたします」 その横から声が聞こえる。 影山「兄貴ー!」城戸「その試合は終わったんだって!」 ……放送して無いけど、とは言わない。 令子「……ではもう一方にお話を伺ってみましょう。仮面ライダーカイザの対戦相手・ 仮面ライダー王蛇こと浅倉威の弟で、浅倉暁様、よろしくお願いします」 暁「あなたたちは何をしているのかわかっているのか!兄をこんなところに連れてきて しかも戦わせるなんて!あなたたちは兄という人間をわかっていない!」 令子「……ええと……試合の解説をお願いしたいのですが……」 暁「今すぐ兄を留置所に戻すべきだ!僕がこれまで兄のせいでどれだけ眠れない 夜を過ごして来たと思ってるんだ!」 令子「そ、それでは、試合前の選手の様子を見てみましょう」
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92 :名無しより愛をこめて[sage]:2008/03/17(月) 01:13:19 ID:jpfFKZkR0 - ──草加雅人の控え室。
仮面ライダーカイザ・草加雅人は、カメラマンと睨み合っていた。 その横で、無愛想な茶髪の若者がつっ立っている。 草加「俺のことを好きにならない奴は邪魔なんだよ」 一文字「兄ちゃん、それが大人に対するクチの聞き方かい。 それに、折角心配してきてくれた友達は大切にしないとだな……」 乾「もういい、俺が来たのは間違いだったようだ」 そう言うと乾巧は、バタンとドアを閉めて出て行ってしまった。 入れ代わりに、園田真理を始め、木村、阿部、高宮、西田といった、流星塾メンバーが 入って来た。後ろのほうに、帰ったはずの三原もいる。 園田「草加君……どうしたの?さっきすれ違った巧が凄い剣幕だったけど」 草加の表情は一変している。 草加「やあよく来てくれたね。君たちの応援のおかげで頑張れるよ。 乾?さあ、知らないな。彼はいつもあんなじゃなかったっけ?」 一文字「こいつは……おっといけねえ、仕事仕事……」 そうして一文字がようやくのことでカメラを回し始めたため、放送された草加は、 爽やかな好青年そのものだった。
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93 :名無しより愛をこめて[sage]:2008/03/17(月) 01:13:39 ID:jpfFKZkR0 - ──浅倉威の控え室。
ガシン!ガシン! 扉の奥で異音がする。なにしろ凶悪犯の控え室である。恐いもの知らずで鳴らした 女流カメラマンの神丘令も、流石に入ったものかと逡巡していた。 中には他にだれもいないはずだ。 そこに、ひとりの男が颯爽と駆けつけて来た。 飛田「特ダネ特ダネ……お、姉ちゃんがまだ入っとらん。これは出し抜くチャンス……」 廊下で立っていた神丘令の前をあっさり通り過ぎて、控え室のドアをばたんと空けた。 神丘「あ」 そうして丁寧に、ドアを閉める。 飛田「おっと……しっかり閉じとかんと、スクープを独り占めにできんからな」 少し、時間が経過した。もう、異音は聞こえてこない。 神丘は、恐る恐るとドアをあけてみた。 入り口がひとつしかない部屋の中には、誰もいなかった……。
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94 :名無しより愛をこめて[sage]:2008/03/17(月) 01:14:23 ID:jpfFKZkR0 - ──再び放送席。
令子「するとその、ミラーワールドが勝負の決め手になると?」 城戸「はい令子さん!このデッキを持ってると、へへ、鏡の中に入れるんすよ」 令子「令子さんは要らない。では、そうすると、王蛇は好きに鏡の中に身を隠せる わけですね?」 当初予定していた解説者がまるで使えないため、急遽、裏方から、生まれて初めて 話をする側に立った城戸真司は、アナウンサーが憧れの先輩であることもあって 舞い上がっていた。 城戸「それだけじゃないですよ。デッキを持ってるとミラーワールドの中は、こう、 なんというか、こう、感じるというか勘が働くというか、とにかくわかるんです。 でもデッキを持っていない人にはまるでわからない。だから突然モンスターが 襲ってくるんです。しかもミラーワールドに連れ込まれると、神崎製ライダー以外は すぐにしゅわしゅわーっとなってですね。しかも変身しないと出られないし、 ライドシューターが無いと入ったところからじゃないと出られないし、それに……」 令子「……それは、まさに一方的ですね。では王蛇の圧勝だと?」 城戸「そうそう!あいつ非道いんですよ令子さん!俺なんかこれから変身するぞって 時に横から思いっきり棒でぶん殴られたんですからね!」 三原「……弱い奴から喰われる……と言ってました」 結局連れ戻された三原が震えている。過去に恐い目に遇ったらしい。 令子「果たしてカイザに勝ち目はあるのでしょうか。三原さん?」
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95 :名無しより愛をこめて[sage]:2008/03/17(月) 01:14:55 ID:jpfFKZkR0 - 三原「でもカイザのベルトは、武器が豊富ですからね。
斬れる撃てる、束縛もできるブレイガン、913フォンも銃になります。 デジカメのメリケンサックと、あとポインターを使ったキックはやはり束縛効果が。 それに、草加君が毎日磨いているサイドカーは、バトルモードになると、怪獣型の ロボットになって、ミサイルを雨あられと撃てます。格闘させてもジェットスライガー 壊すぐらい強いので、たぶんモンスターより強いんじゃないでしょうか。 その……ユナイトベントでしたっけ」 城戸「そう!あいつ三枚も契約のカード持ってるんですよ!ずるいよな全く! ジェノサイダーっての、でかいし火の玉吐くし!」 三原「それが狙い目と思います。ジェノサイダーは案外脆いとも聞きますし、 スポーツ万能の草加君でも、スペックだけでもカイザは低いです。 ニュースで警官隊を素手で薙ぎ倒してた浅倉威に、王蛇のパワーだと、格闘でも 分が悪いですが、モンスターさえ倒せば大きく優位に立てます」 城戸「なるほど!メカゴジラの方が強いわけですね!」 そこへ、連絡が入る。 令子「さあ、試合開始の時間になりました。選手が入って来ましたよ」
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96 :名無しより愛をこめて[sage]:2008/03/17(月) 01:18:03 ID:jpfFKZkR0 - 扉は、開かれた。
一方の扉からは、サイドバッシャーに乗って、草加雅人が入場して来た。 サイドカーが照明を反射してきらりと光り輝いている。 草加は中央にサイドバッシャーを停めると、ヘルメットを脱ぎ、手を揚げて 声援に応え──その手に持った、913フォンのボタンを押した。 もう一方の扉からは、浅倉威が、鉄パイプを手に雄叫びをあげて走って来る。 その表情は嬉々として喜びに満ちている。 途中、呼び止めて鉄パイプを取りあげようとした警備員が殴り飛ばされたが、 概ね平和裏に入場は行われたと言ってよいだろう。 観客コールは、完全にベビーフェイス対ヒールの様相を呈している。 通路裏から様子を見ている乾巧は、どれだけこれが続くのだろう、何故奴は こんなにも上手くやれるのだろう、俺と違って、と、顔をしかめた。 「変身」「変身」 「試合開始です!」 とりあえず今日はここまで……本編はまた今度書く。 あと一週間経ったので>>100よろ。
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