- こんな北岡秀一を踏み台にした!? MS-09
255 :名無しより愛をこめて[sage]:2006/07/27(木) 00:15:12 ID:Puxtngk/0 - お前俺のスレにも同じの書いていただろ、と>>254にガルド兄弟を差し向ける全裸
夏だからな…と遠い目になるなんちゃら山 トリビアを見て試しに(31)の弁護士バッヂの裏を見てみる城戸真司 先生!早く元に戻って下さいよ!と(25)@みんな好き勝手にやってるっス!
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- 文の終わりに「ゴルゴムの仕業だ!」を付けるスレ
159 :名無しより愛をこめて[sage]:2006/07/27(木) 12:49:05 ID:Puxtngk/0 - うちの大学が今日から八月過ぎまで試験なのもゴルゴムの仕業だ!
待ち続けたゲームの発売日だというのに…! ちなみに余所の大学は大抵今日で試験終了らしい。許さんぞゴルゴムゥゥゥゥゥ!
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- 裁鬼さん達が主人公のストーリーを作るスレ 肆乃巻
217 :高鬼SS作者[sage]:2006/07/27(木) 21:40:00 ID:Puxtngk/0 - 一本投下させていただきます。
タイトルは確かに京極夏彦作品から取ってますが、内容はいつも通りです。 ただ、ほんのちょっとだけミステリっぽい展開にはなっていますが。 それではどうぞ。
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- 裁鬼さん達が主人公のストーリーを作るスレ 肆乃巻
218 :仮面ライダー高鬼「姑獲鳥の夏、魍魎の匣」[sage]:2006/07/27(木) 21:41:53 ID:Puxtngk/0 - 1975年、葉月下旬。
伝説ともなったコウキの「三十匹殺し」から暫くの時が経った。 新たに支給された音撃棒・大明神を少しでも早く使いこなせるようにするべく、コウキはいつも以上に鍛錬を積んでいた。 と言うのもこの「大明神」、最強の音撃棒を作ってやるというあかねの言葉通り、「聖域」に生えた霊木で作られているからである。 魔化魍はおろか鬼すらも寄せ付けない三輪山の霊木で作られた「大明神」は、屋久杉を使ったものよりも高い霊力を込めている反面、使用者にも負担を掛けるのだ。 そのため、耐性を得るには兎に角使い続けるしかないのである。これはあかねがコウキの腕を見込んだうえでの判断だったのであろう。 さて、そんなある日の事、イブキに付き合ってウブメ退治に出かけたコウキは案内してくれた地元の「歩」から奇妙な噂を聞いた。 死体が消失しているのだという。 確かに火葬場に運ぶまでは死体は存在していた。だが、火葬場から返ってきた遺体の骨は明らかに少なくなっているというのだ。 「野犬とかの可能性は無いのですか?」 「私達も初めはそう思ったのですが、火葬場の近辺にはそのような足跡は何も無くて……。ひょっとしてこれも魔化魍の仕業なのでしょうか……」 本当に困ったという感じで「歩」の男性がコウキに話す。 キャンプに戻ったコウキは、イブキにその話を聞かせた。イブキも興味を持ったようだ。 「死体消失……ですか」 「ウブメの件が片付いたら、とりあえず火葬場へ調査に行ってみようと思うのだが……」 イブキもそれに同意した。そこへ、戻ってきた式神を確認していた勢地郎がウブメの発見を報告してきた。
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219 :仮面ライダー高鬼「姑獲鳥の夏、魍魎の匣」[sage]:2006/07/27(木) 21:42:52 ID:Puxtngk/0 - 小雨が降り続ける中、現場の湖へと向かう途中でイブキがコウキに尋ねてきた。
「コウキさんはその死体消失が魔化魍の仕業だとして、一体どんな魔化魍の仕業だと思いますか?」 「死体絡みの魔化魍で真っ先に思い浮かぶのはカシャだな」 「確かに、今は夏ですし可能性は否定出来ませんね」 カシャは活きた餌も食らうが、基本的には死体を好む。 しかし一つ問題がある、とコウキは言った。 「村人がおかしいと思い始めたのは今年の六月からだそうだ。夏の魔化魍が出てくるには少し時期が早すぎるな」 それを聞いて悩みだすイブキ。 「だから可能性として高いのは……モウリョウだな」 「モウリョウ……ですか」 話しているうちに二人は湖へと辿り着いていた。そして現れる童子と姫。 「ウブメはまだ水中に居るのか……」 「イブキ。童子と姫は私がやる。君はウブメに警戒していたまえ」 そう言うとコウキは傘を捨て、鳴らした音叉を額に翳し、その身を炎に包んだ。 童子と姫を倒した高鬼は、両手の「大明神」をまじまじと眺めた。 まだまだ馴染まない。もっと精進しなければ、そう思う高鬼。 遠くで威吹鬼の音撃射の音が鳴り響くのが聞こえた。あちらもそろそろで決着が着くようだ。 と。 「高鬼さん、危ない!」 威吹鬼の叫び声が聞こえた。見ると、鬼石を撃ち込まれ瀕死の状態のウブメがこちらに向かって突っ込んできていた。 「破っ!」 鬼棒術・小右衛門火をウブメの両の目に向けて放つ高鬼。怯んだところを威吹鬼が音撃射で止めを刺した。 舞い落ちる塵芥の中、高鬼が再び「大明神」を眺めながらぼやく。 「やはりまだ駄目だ……」
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220 :仮面ライダー高鬼「姑獲鳥の夏、魍魎の匣」[sage]:2006/07/27(木) 21:43:41 ID:Puxtngk/0 - 魔化魍。
魍が魔に化けるという意味であり、魍とは山川木石に宿る精を意味している。 そしてモウリョウの漢字表記は魍魎。即ちモウリョウとは魔化魍の根源のようなものである。不定形にして捉えどころの無い、そういう曖昧な存在なのだ。 故にこのモウリョウ、発生した時は姿形を持たず、何かに取り憑いて成長する。好物は死体で特に心臓を好む。成長には童子と姫を必要としない稀種である。 猛士では魔化魍に成り損なった不完全な存在との認識が強く、こいつが出てくる事がその年の魔化魍発生傾向の指標になっていたりする。 さて、そんな妙なものが湧いた可能性があるという事で、ウブメを退治し終えたコウキとイブキは勢地郎を連れて村の火葬場へと向かっていた。 「もしモウリョウならば、過去の資料から推測するに何か動物の死体に取り憑いて行動をしている筈だが……」 コウキがそう言うも、あまりにも漠然としていてどうしようもない。 「ニシキさんに救援を頼みますか?関西ではモウリョウは主に代々の西鬼が担当していると聞きますし……」 勢地郎が提案する。 ちなみにモウリョウが虎を嫌うという伝承は、先程の勢地郎の発言通り、虎に似た姿をした代々の西鬼が主に戦っていた事が少なからず関係していると思われる。 「彼は既に別行動中だ。あかねさんが言っていた。我々だけで何とかするんだ」 三人は火葬場の焼却炉の前までやって来た。 黒光りする四角い鉄の匣だ。この中で死体が焼かれるのかと思うと、何とも言えない気分になる。 次に三人は火葬場の管理人の所へ行って話を伺ってみた。 「別に何もおかしな所はありませんな〜」 管理人の老人が間の抜けた声でそう答える。 「ですが、実際に焼き上がった死体が減っているという苦情が何件も来ているのでしょう?」 「気のせいじゃないですかね〜」 多少呆けているのであろうか、どうにも話が進展しない。 三人は仕方なくその場を後にした。 「どうします、コウキさん?」 「暫くこの村に滞在して調査をしてみるべきだと思う。『歩』の人の話だと今夜とある家で通夜が行われるらしい」 イブキの問いにそう答えるコウキ。こうして三人は出棺までの間この村に滞在し、モウリョウの捜索と情報収集を開始する事にした。
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221 :仮面ライダー高鬼「姑獲鳥の夏、魍魎の匣」[sage]:2006/07/27(木) 21:44:41 ID:Puxtngk/0 - コウキとイブキは手分けして村の周辺の水源を調査して回った。モウリョウは水辺に生息するからである。
一方勢地郎は村役場で六月からのこの村での死亡者の数を調べていた。 その夜、宿を借りている「歩」の家の居間で三人はそれぞれの調査結果を話し合った。 「私の方は全く駄目だった。どうやら君の方も同じ様だな」 「はい。水辺に居たのは普通の野生動物のみでした」 次に勢地郎が調査結果を話し始めた。 「六月から今日までだけで、死亡者の数は昨年のトータル数に匹敵していますね。中には『何であんな健康な人が?』というような人物の死亡も確認されています」 「モウリョウめ、運ばれてくる死体だけでは我慢出来なくなったな……」 だが肝心のモウリョウが何に取り憑いて活動しているのか分からない。 「やはり出棺の後、現場に出てくるのを抑える方が確実でしょうかね……」 「だがそれだと逃げられた時が問題だ。何としてでもモウリョウの今の姿を知っておかなくては……」 悩む三人。 モウリョウは水が無いと活動出来ない。しかし水辺にはそれらしいものは居なかった。そしてモウリョウは何か――主に死体に取り憑いて活動する……。 と、コウキの脳裏にある仮説が閃いた。その仮説を確かめるべく、勢地郎にある事を調べるように頼んだ。 「どうしたんですかコウキさん」 「イブキ。いつでも出られるように準備をしていろ。確認が取れ次第モウリョウ退治に向かう」
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222 :仮面ライダー高鬼「姑獲鳥の夏、魍魎の匣」[sage]:2006/07/27(木) 21:45:38 ID:Puxtngk/0 - 草木も眠る丑三つ時。雨はもうとっくに止んでいた。火葬場では、近くを流れる小川から飛んできた沢山の蛍が雨上がりの夜空を彩っている。
そこへ怪しい影が現れた。がさごそと何か音を立てている。それに気付いた管理人の老人が、懐中電灯を片手に外へと出てきた。 「誰かおるのか〜?」 呼びかけるも返事は無い。と、何かが光の傍で動いた。慌てて懐中電灯をそちらに向けて照らす。そこには……。 「あんた、昼間の……」 そこに立っていたのはコウキだった。静かに口を開くコウキ。 「あなたが……モウリョウだったのですね」 沈黙が流れる。それを破るかのように再びコウキが喋りだした。 「モウリョウは死体に宿る。我々は過去の文献に書かれている通り、動物の死体に取り憑いているとばかり思っていた。だが、記録に無いだけで 人 間 の 死 体 に 取り憑いている可能性もあったわけだ」 この村の各家庭の水道料金を調べてみた。そう管理人に告げるコウキ。 「管理人さん、あなたの家の水道代が六月から異常に増えていたよ。モウリョウは水を必要とする。……さっきまで水浴びでもしていたんじゃないのかね?」 確かに、管理人の頭も服もびしょびしょに濡れていた。 「そこで今度は管理人について調べてみた。案の定、通院記録がこの村の診療所にあったよ。かなり重い病気だったそうだ。それだけにお前がぴんぴんしているのを見て医者も驚いていたようだな」 そう。この村の火葬場の管理人は既に死んでいて、そこをモウリョウに取り憑かれたというのがコウキの考えである。そしてそれは当たっていたようだ。 逃げるべく後ろを振り向いた管理人――モウリョウの前に、音撃管を構えたイブキが立ちはだかった。 「観念するんだな」 コウキは音叉を取り出して鳴らすと、額に翳した。炎に包まれ、その中から高鬼が姿を現す。 「……くくく……くくくくくく」 突然、低く不気味な声でモウリョウが笑い始めた。そして。 「来るぞ!イブキ、撃て!」 だが音撃管の圧縮空気弾が命中するよりも早く、モウリョウは姿を変えて攻撃を躱した。 その新たな姿は鬼にそっくりであった。
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223 :仮面ライダー高鬼「姑獲鳥の夏、魍魎の匣」[sage]:2006/07/27(木) 21:46:40 ID:Puxtngk/0 - モウリョウは記録と一緒に絵も残されている。その絵は例外無く鬼のような姿で描かれている。
鬼も魔化魍もある意味同じもの。その境界は曖昧だ。従って、魔化魍の元であるとされるモウリョウが鬼の姿に化しても不思議な事ではない。 赤黒い、多少小柄な鬼に似た姿をしたモウリョウは、口を開き高鬼目掛けて跳びかかってきた。噛み殺すつもりだ。 その攻撃を躱すと、高鬼は「大明神」を構えた。だが。 「シャアッ!」 モウリョウの鋭い爪の一撃が、高鬼の右手首を切り裂き、その衝撃で「大明神」を落としてしまう。 「くっ」 気合いを入れ、傷口を塞ぐ高鬼。そこへ再度モウリョウが爪を突き立てようとしてくる。 「高鬼さん!」 音撃管でモウリョウを牽制するイブキ。その隙に高鬼は気合いを込め、「紅」へと二段変身を遂げた。その際に起きた爆発でモウリョウの体が吹き飛ぶ。 「好機到来!」 「大明神」を拾い上げ、モウリョウに向かって駆け寄る高鬼紅。だが、振り下ろした「大明神」を口で受け止められてしまう。 「破っ!」 すかさずモウリョウの口中に小右衛門火を放つ高鬼紅。口の中で大爆発を起こし、モウリョウの体が大きく吹っ飛んだ。そこへ追撃を仕掛ける高鬼紅。 「天罰覿面の型!破っ!」 二本の「大明神」の一撃がモウリョウに炸裂し、その体を炎に包み込んだ。刹那、爆発。モウリョウの体は塵と化した。 「やりましたね」 イブキと、遠くから戦いを見守っていた勢地郎が高鬼紅の傍へとやって来る。顔の変身を解除し、それに応えるコウキ。 と、戦闘の間ずっと草むらに隠れていた蛍が再び周囲を飛び回り始めた。 柔らかい無数の光の粒がコウキ達の周囲を取り囲む。まるで、さっきまでの喧騒は真夏の夜の夢だったとでも言わんばかりに、蛍はただただ輝き続ける。 その幻想的な光景を、三人は暫くの間ずっと眺め続けていた。 了
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