- 戦国ちょっといい話48
841 :人間七七四年[sage]:2021/01/14(木) 16:33:59.89 ID:kqJ4+uC9 - いずれの城を攻めた時であったか、寄せ手の大将が兵二人を召し、
「先手の竹束は堀際までどれほど付いたか、これらの他、様子をよく見てくるように。」 そう命ぜられると、一人は竹束の陰を忍び忍びに見ていった。 もう一人は、「剛の者には鉄砲は当たらぬものと言い伝わっている。それのみ成らず、運は転にあるものだ。」 と言って、竹束の外を、臆せずはばからず駆け巡り、二人ながら先手の人々に大将の仰せを伝え、 様子を見届けて帰った。 初め竹束の陰を忍び行った者は、立ち帰る時には竹束の外を帰り、竹束の外を行った者は、竹束の内を 通って帰り、それぞれ先手の有様を詳しく申し上げた。 この事は、後に人々も評し、大将も感じ給わった。 その二人のうち一人は、羽柴左衛門大夫(福島正則)殿の侍、可児才蔵(吉長)と言う者であった。 (備前老人物語)
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