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798 :人間七七四年[sage]:2017/05/25(木) 19:49:49.60 ID:JlazAfFn - 黒田長政の配下に、谷太郎左衛門という、度々武功を上げた者があった。
長政は彼を援助し、牢人分として養い置いた。 そんな太郎左衛門が語ったことに、 「近江においての有る合戦で、城に乗り込むという時、鉄砲によって至近距離から肩を撃ち抜かれた。 しかしそれにも構わず、その鉄砲の筒口を掴んで屏の上に乗り上げたが、城中は屏の内に 杭を打って、むしろ、こもなどを引きはり置いていたので、中に未だ兵が居ると思って引き返した。 後で城方の捕虜がいたので城内の様子を尋ねたところ、『そのあたりに人は一人もいなかったが、 ただ手立ちにああ致していた。』と語った。 このように、物事を雑に決めつけては落ち度の有るもので、詳細に考えなければいけないものだ。」 またこの人は 「合戦の時、敵よりも味方に目をつけるべきだ。 例えば一人が先に出て敵と戦い踏みこたえている所に、後より二人三人と向かっているようなら、 それは初めの者が強いのだと知るべきで、その所へ行くべきではない。別の所へ一人で出て、 そこで自分も敵と戦い踏みこたえているべきだ。少しばかり耐えていれば、すぐにそこへ人が 集まるものだ。 また、日頃より主人のお気に入りや家中で出頭している人物にも、戦場で側に寄るべきではない。 一人で手柄を立てる了見が有るべきだ。何故なら手柄が調査される時、側に居た場合は、出頭人の手柄と されがちだからである。」 とも語った。 もう一つこの人の語ったことに 「全ての侍にとって、弓鉄砲の上手と言われるのは悪しきことだ。 そのような評判を持つと。敵城へ火矢を打ち込んで敵を城から引き出したいというような時、足軽などは 射程まで進もうとしないから、人から名指しされてその役目をやらされることが有る。 しかし、射込むことに失敗すれば不快になるし、射込んでも当然のこととされ人から賞賛もされず、 またそういう場所では敵も堅く警戒しているので、全く意味のない討ち死にをすることも有る。 その上最近は、侍の手柄は鑓によるものより上は無い。故に要らぬことを上手になっても益がないのだ。 (士談) かなり現実的な武功ノウハウのお話
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