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468 :人間七七四年[sage]:2015/07/29(水) 07:20:39.73 ID:d4KHU6tz - 丸木戸佐渡守の家臣に原文左衛門と申す者がおりました
主君や同僚からは名を縮めて「原文」と呼ばれていました ある日、原文は主君の丸木戸佐渡守より、こう問われました 「当家の家臣に不満があるわけではないのだが、更に良い人材を求めたい。如何したら良いだろうか」 原文はこう答えました 「古の唐土の君子が千里の名馬を求め、ある者に大金を授けて探させたそうです」 「しかし、その者は死んだ馬の骨を大金を出して買って戻って参りました。当然、主君はたいそう腹を立てました」 「それに対し、その者は主君にこう申し開きしたのです。」 「『死んだ馬の骨にすら大金を出すのだから、千里の馬ならいかほどで売れようかと、向こうの方から集まってきましょう』と」 「そして、その者の申した通りに名馬が主君の元に集まり、千里の馬を手に入れることが出来たとのことでございます」 原文は更に佐渡守ににじり寄ると、こう続けました 「さようにございますから、わが殿よ、まずはこの原文を尊重なさいませ」 「さすれば、あの原文すら尊重されるのだからと、自ずから優秀な人材が当家に集まりましょう」 佐渡守は少しの間、思案げに考えていましたが、やがてこう言いました 「なるほど…今の喩えでは、お主が死んだ馬の骨ということじゃな」 原文が丸木戸家から放逐されたのは、翌日のことでした
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