- 戦国ちょっと悪い話29
483 :人間七七四年[sage]:2011/12/22(木) 19:22:34.05 ID:POTl/Tuh - >>477の詳細を含んだ逸話を。
三拍子の五郎 室津城主の浦上政宗らが赤松政秀に暗殺されたのち、室津で権力を握ったのは江見河原五郎という男であった。 この五郎は政宗の三男である浦上清宗を擁立し、また清宗を黒田職隆の娘と婚姻させるなど家の復興に努めた。 しかしながらそんな播磨の浦上家の所領を備前の浦上宗景(政宗の弟)は我が物にしようと企んでいた。 宗景は五郎に対して「清宗を討ち、首級を差し出せば恩賞を与えよう」と調略を仕掛けた。 すると五郎はなんとあっさり宗景に寝返って清宗を殺し、その首級を持って備前へと去っていったのである。 この時、五郎は室津に自分の母を残したままであったので、五郎の母は報復とばかりに串刺しにして殺された。 そんな話が民にも広まると五郎が鼓打ちが上手であった事からこんな狂歌が詠まれた。 『三拍子そろひてけりな江見河原 主うち親うち鼓さへうつ』 なお、この清宗と黒田の娘との間にはわずかな結婚生活の中で一人の男児が生まれており、 この事件以降は母方の実家である黒田家で育てられた。 これが宇喜多直家謀反の時に打倒浦上宗景の旗頭として担がれた浦上久松丸である。
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