- 戦国ちょっと悪い話27
625 :2/2[sage]:2011/09/01(木) 18:20:35.81 ID:+mTkqkUA - 「しかし相撲等で争っても、どこまで土俵やら分からんお主が不利。ここはシッペの張り比べと行くか。
お主が勝ったら、銀二枚をやろう。わしが勝ったら、せいぜい念入りに按摩をしてもらうぞ。」 「面白いですな。その勝負、乗った!」 「では、備中様からどうぞ。」 「よーし、行くぞぉ!」指に力をみなぎらせた景久は、遠慮なく座頭の手首を張った。 「……っ!わ、ワラビが触りましたかの?」手首に青アザを作りながらも、座頭は耐え切った。 「さぁ次は俺の番じゃ!どぉれ、備中守様のお腕は……おう、ここか?!」 手探りで景久の腕を掴んだ座頭は、さらに確かめるように景久の腕をしごいた。その痛いの何の、 皮膚は下ろし金をかけられたように痺れ、骨がきしんだ。 (やばい。これはヤヴァイ。) 座頭が指を振り上げた瞬間、景久はとっさに馬の鐙を取り、腕にかぶせた。 バ ッ チ ィ ィ ィ ィ ィ ン ! ! 「痛ううう!!さ、さすがは熊退治の備中様。俺の負けじゃ。」「ふ、ふん。口ほどにも無いの。」 強がりを言った景久だったが、鐙が指の形にくぼんでいるのを見てさすがにビビり、座頭を士分に取り立て 家臣に加えてやったそうな。(鏡花随筆) 真柄兄弟とかこういうのがいる朝倉氏や、金棒や丸太が獲物の坂東武者を率いる北条氏が 織田・豊臣に滅ぼされるのも歴史の不思議……でもなかったりする。
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