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戦国ちょっと悪い話27

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戦国ちょっと悪い話27
624 :1/2[sage]:2011/09/01(木) 18:18:36.05 ID:+mTkqkUA
朝倉義景の侍大将・黒坂備中守景久は、山狩りに出た際に熊に出くわし、手槍を折られながらも
鉄拳でもって熊を殴り殺し、以来その熊革を馬印にしたという強力大剛の男だった。

ある日、景久が折からの大雨に伴い、水のあふれた足羽川を巡検していると、向こう岸に目が不自由らしき
杖をついた男がウロウロしているのが見えた。どうやら座頭が、川を渡ろうとしているようである。

「お〜い、出水じゃ、あぶないぞ!!」
景久の呼びかけにも関わらず、座頭は服を脱いで褌一丁になると、氾濫する川に杖をさして歩き出した。
座頭は危なげなく川の中を歩き続け、やがて七分目まで来たところで、大岩に当たって止まった。

思わぬ障害物に小首を傾げた座頭であったが、杖を流されぬよう褌に突っ込み、両手で大岩を抱えると、
「えいやっ!!」
と気合一発、大岩を転がし、行く手から除けてしまった。大岩は、そのままゴロゴロと下流へ流れて行った。

無事に川を渡り切った座頭を、景久は招き寄せた。
「いやぁ天晴れ!お主、あれほどの大岩をも動かすとは、いったいどれ程の力があるのじゃ?」
「まあ、大抵のヤツにゃあ負けんと思いますが力試しは、した事がありません。」

「そうか。我こそは熊の馬印、黒坂備中!わしも自分の力を試してみたい。いざ勝負!」
「よっしゃ!恐れながら、お相手せん!」
戦国ちょっと悪い話27
625 :2/2[sage]:2011/09/01(木) 18:20:35.81 ID:+mTkqkUA
「しかし相撲等で争っても、どこまで土俵やら分からんお主が不利。ここはシッペの張り比べと行くか。
お主が勝ったら、銀二枚をやろう。わしが勝ったら、せいぜい念入りに按摩をしてもらうぞ。」
「面白いですな。その勝負、乗った!」

「では、備中様からどうぞ。」
「よーし、行くぞぉ!」指に力をみなぎらせた景久は、遠慮なく座頭の手首を張った。
「……っ!わ、ワラビが触りましたかの?」手首に青アザを作りながらも、座頭は耐え切った。
「さぁ次は俺の番じゃ!どぉれ、備中守様のお腕は……おう、ここか?!」

手探りで景久の腕を掴んだ座頭は、さらに確かめるように景久の腕をしごいた。その痛いの何の、
皮膚は下ろし金をかけられたように痺れ、骨がきしんだ。
(やばい。これはヤヴァイ。)
座頭が指を振り上げた瞬間、景久はとっさに馬の鐙を取り、腕にかぶせた。

バ ッ チ ィ ィ ィ ィ ィ ン ! !

「痛ううう!!さ、さすがは熊退治の備中様。俺の負けじゃ。」「ふ、ふん。口ほどにも無いの。」
強がりを言った景久だったが、鐙が指の形にくぼんでいるのを見てさすがにビビり、座頭を士分に取り立て
家臣に加えてやったそうな。(鏡花随筆)

真柄兄弟とかこういうのがいる朝倉氏や、金棒や丸太が獲物の坂東武者を率いる北条氏が
織田・豊臣に滅ぼされるのも歴史の不思議……でもなかったりする。


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