- 信長の政権構想
68 :人間七七四年[sage]:2011/07/12(火) 20:48:11.73 ID:qQAyu2wW - 当時の人間にとって、暦への干渉というのは大ごとだったみたいだね。
ある人、瓢箪から駒の出でたる繪をみて、「これは何としたるいはれぞ」と人に問ふ。 「それさへ御存知なきか。そふじてまき駒と申すは、山に山椒をまひて、馬になし申」といふ。 「それほど重寶なる物を、何とてこゝもとには作らぬぞ」と云。 「こゝもとでは、人が盗むゆへに、むかしより作られぬ」といへば、 「おろかなことぢや。よき馬一疋にても、大分の金をとる事ぢやに、いか程番をしても、くるしからぬ事ぢや。善惡、此春作らふ」とて、 上々の山椒十石ほど買ひとり、山を掘らせ、ことごとく蒔ひて、四五日して、「やうやう生え時分ぢやが、遅ひ」とて、つれの人に問へば、 「それはいつ比御まき候」「此四五日さきにまいたる」といえば、「生ゑぬが道理よ。天火、地火に物種をまいては、生へぬが不思議でもなひ」と云。 「げにも、其やうな子細があらふと存た。さては暦など疑う事ではない」といはれた。
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