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人間七七四年
戦国ちょっといい話27

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戦国ちょっといい話27
530 :人間七七四年[sage]:2011/07/09(土) 09:48:36.34 ID:QiBUq4G7
三河牛久保の地に、牧野氏の家臣で渡辺太郎左衛門という侍がいた。
彼は毎日近所のお地蔵さまにお参りをして、とても神心深い人であった。、
村の世話を進んでしてくれるし、親切な人だったので村民からとても頼りにされていた。

ある日、太郎左衛門は殿様からの命令により、部下を連れて隣の八幡村へ出かけた。
しかし、なかなか話し合いが纏まらず、いざ帰ろうとした時には既に日が暮れかけていた。

「さて、用事も済んだ。帰ると致そう。」

馬に乗った太郎左衛門の後ろに家来が続き、急ぎ足で駆けながらついに本野が原へ差し掛かった。
そこは人の背ほどある草が生い茂り、木が疎らに生えており家は一軒も見当たらず、
牛久保へ帰るには一番寂しく気味の悪い道であった。

「もう一息じゃ。皆の者、足元に気をつけよ。」

太郎左衛門が、そう声をかけた時だった。
突然辺りの草むらから野武士が二十人ほどワラワラと現れ、道を塞いでしまった。
戦国ちょっといい話27
531 :人間七七四年[sage]:2011/07/09(土) 09:51:42.40 ID:QiBUq4G7
「ぐへへ。おい、てめーら。命が欲しかったら持ち物全て出せや!」

頭と思われる男が大声で言った。
しかし太郎左衛門は殿様のお使いの帰りであり、騒ぎを起こしたくなかった。

「何者だ。わしは、牛久保の太郎左衛門じゃ。名を名乗れ。」

太郎左衛門は落ち着いた様子で野武士たちに尋ねた。しかし、

「うるせえ、ずべこべ抜かすな。
貴様らの持ち物は俺様のモノなんだよ!お前らやっちまえ!」

と全く取り合う様子もなく、太郎左衛門らは取り囲まれてしまった。

「くっ、こうなっては仕方ない。南無地蔵大菩薩、私共をお守下され!
これよりは侍の意地にかけて戦うのみよ!」
太郎左衛門は馬を飛び降り松の木を背に刀を構え野武士共を相手に、
南無地蔵大菩薩を一心に唱えながら戦った。だが、相手は大勢である。

次々に攻め込まれ、もうこれまでかと思われた時である。

突然、数人の若侍が風のように現れた。
戦国ちょっといい話27
532 :人間七七四年[sage]:2011/07/09(土) 09:53:45.91 ID:QiBUq4G7
「どうやらお困りのようですな。助太刀いたす。」
言うが早いか、若侍はいきなり野武士どもに斬りかかって行った。

「おお、これはかたじけない。」
片手に杖を持った侍が太郎左衛門を守る。すると、一人の野武士が太郎左衛門に斬りかかって来た。

「危ない!」
野武士の剣筋は、太郎左衛門を庇った侍の肩にざっくりと入った。

「大丈夫か。」
「肩をやられたが、これしきの傷大した事無いよ。」

若侍は気にする様子も無く、次々と野武士を倒していった。

ついに野武士の頭を松の木に追い詰め、杖で足を打ち動けなくさせると
手下たちは、もうこれまでと思ったのか、頭を抱えて逃げて行った。

「貴殿らの助太刀によって命を拾った。先程の傷は…」

太郎左衛門が振り向いた時には、若侍たちの姿はなくなっていた。

次の日の朝早く、村人たちが太郎左衛門の家に駆け込んで来た。
「大変でございます。お地蔵様が切られてござる。肩から胸にかけて血がべっとりと付いています。」
話を聞いて太郎左衛門は涙を流した。

「そうか、あの侍はお地蔵様だったのか。私の身代わりになって助けて下さったようだ、
有難いことだ。南無地蔵大菩薩、南無地蔵大菩薩・・・・。」

人々はそれ以来、肩から胸にかけて傷のある
このお地蔵様を「けさがけ地蔵」(みがわり地蔵)と呼ぶようになった。 


地元の伝説・民話集を纏めたサイトにあった話。ソースのソースは「牛窪物語」です。


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