トップページ > 戦国時代 > 2011年06月28日 > uGaN+LFH

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戦国ちょっといい話27

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戦国ちょっといい話27
385 :とんち三題 1/3[sage]:2011/06/28(火) 01:08:06.71 ID:uGaN+LFH
ある春の日、関白秀吉が大きな胡銅の鉢に水を満たして床の間に置き、傍に梅一枝を添えた。

秀吉は千利休を呼ぶと、「この鉢に、その梅を生けてみよ。」と指し示した。

見ていた秀吉の小姓たちは「これは難題じゃ。」とざわめいたが、利休は平然として梅の枝をつかむと、
鉢の水に梅を浸した。そのまま利休は枝をしごき、花の落ちた枝を鉢に静かに沈めた。

枝から離れた花とつぼみは水面に浮かび、あたかも湖面に梅花散る如き、実に趣ある風情となった。

小姓たちはうなり、秀吉も「利休め、何を申し付けても困らぬやつじゃわい。」と言って上機嫌だった。
(茶話指月集より)
戦国ちょっといい話27
386 :とんち三題 2/3[sage]:2011/06/28(火) 01:10:54.88 ID:uGaN+LFH
井伊直孝が家老の庵原主税助を訪問した時のこと。

直孝が主税助邸の門をくぐると、一匹の唐犬が飛び出し、猛然と吼え騒いだ。普通ならあっぱれ忠犬よ、
と褒めるところだが、直孝にはその犬に見覚えがあった。自分が主税助に下賜してやった犬だった。

「こやつ、旧主の恩も忘れおって・・・誰かある!この犬の耳を刈り取ってやれい!!」

聞いていた重臣の岡本半介が主税助邸の厩に駆け込み、大バサミを持って来ると、直孝の前に差し出した。

「なんじゃ、それは。」
「はっ、馬のたてがみを切り揃えるハサミにございます。」
「それは知っておる。わしは『誰か』に犬の耳を刈れ、と言ったのだ、わしが刈るわけではない!」

「いえ、ですから、まずは殿が範をお示し下され。それ、殿が江戸の御城に出仕されれば『犬』など
いくらでもおりましょう。あれからお刈りになられては?」
「・・・・・・っ!!半介、よくぞ申した。」

冷静になった直孝は、機嫌良く主税助邸に入って行った。(雨窓閑話より)
戦国ちょっといい話27
387 :とんち三題 3/3[sage]:2011/06/28(火) 01:13:21.55 ID:uGaN+LFH
ある日、真田信之が法度を出した。
「天下泰平の折、当家も他家との付き合いが増える。よって、貧乏臭く見栄え悪い紙子羽織等の
着用を禁ずる。守れぬ者は、わしへの目通りを許さぬ。」

ところが、しばらく経った冬の日のこと、近習の児玉三助が紙子の衣服を着て信之の前に参上した。

「三助、その服は紙子ではないか?」
「いかにも。」
「紙子を着る者は、目通り不要と申したではないか!」
「しかし殿、拙者のような貧乏人は一片の理あって、紙子を用いておるのです。」
「・・・ふん。では、その『理』とやらで一首詠んでみろ。確かに理あれば、金をくれよう。」

「では、一首。えー、“いにしへの 鎧にまさる 紙子には 風の射る矢は 通らざりけり”
(貧乏人には、紙子とて寒風という名の矢から身を守る、名工の品に勝る鎧です)
いわば、泰平の世の鎧にござる。武士が鎧を着たところで、見苦しくはありますまい?」

「うーむ、でかした三助!!それ、約束の金だ。」
信之は三助に小判五両を与えたが、三助は不満顔であった。

「さてさて、殿には例の如く吝きことかな。始めの約束を違えるとは。」「なんと、三助!この期に及んで何を申す!?」
「殿は最初に『金をくりょう(九両)』と申されました。これではまだ足りませぬな。」
「・・・こやつめ、ハハハ!」
「ハハハ」信之は笑って、残りの四両を払ってやった。(真田家御事蹟稿より)


以上、殿様が思わず苦笑するとんち三題でした。長々失礼。


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