- 官僚によるマインドコントロール()捕鯨問題-5
394 :N ◆5UMm.mhSro []:2008/12/14(日) 00:05:14 ID:cLWO3bWN - 自然生息数は予測できないような形で変動する。
開発捕獲が、安全と考えられるような水準に限定されると、 開発捕獲される個体群の動態が、開発捕獲されない時の個体群 動態と、はっきりした差は示さないであろうというのが結果である。 生息数に実体的意味のある影響を与えうるほど高い開発捕獲をすれば、 深刻なほどの不慮の過剰捕獲という高いリスクを冒すことになる。 ______________________________ <図7−4説明> この図は仮想的な鯨個体群を示しており、 それぞれ (i) 完全保護、 (ii)安全レベル捕獲、 (iii)安全ではないレベルの捕獲、 の対象となった状態を表す。 安全捕獲される個体群の軌跡は、捕獲されない個体群の軌跡に非常に近い。 結論は、われわれができる捕鯨管理というのは最良の場合でも、鯨生息数 への捕鯨の影響を制限するということだけであり、われわれは鯨の生息数 そのものを管理することはできない、ということである。 http://www.cbialdia.mardecetaceos.net/archivos/download/7_Cooke_Papastavroufp11169.pdf 10頁/122頁上段
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396 :N ◆5UMm.mhSro []:2008/12/14(日) 00:17:18 ID:cLWO3bWN - [The Maximum Sustainable Yield is not sustainable]
[最大持続的生産量(MSY)は持続的ではない] この知見は矛盾しているように見えるが、重要な真理を反映 している。 安全レベル捕獲数を確認することはできるが、安全レベル 捕獲の最大限を確定することは困難である。 ある資源(ストック)から最大限の持続可能収穫量を引き 出そうという試みは、単に持続可能な収量を得ようというの とは違って、資源の広範な減耗、枯渇を引き起こし、捕獲が 持続的ではなくなるような高いリスクを冒すということになる。 どれだけの減耗、枯渇のリスクを引き受けるのかというのは、 部分的には価値判断の問題である。 IWC科学委員会は、いくらか任意、恣意的にRMPに3種類の ”チューニング(調整段階)”を推奨しているが、これはリスク のレベルがそれぞれ異なっているという模型である。(40) 0.60、0.66、0.72とラベルを付けられたチューニング(調整段階) は、具体的な準拠シナリオの中の仮想鯨資源(ストック)が 減耗、枯渇する期待度合いをベースにして設定された。
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397 :N ◆5UMm.mhSro []:2008/12/14(日) 00:23:02 ID:cLWO3bWN - >>395
反捕鯨国というよりも、ジャスティン・クックたちが開発した現在のIWC管理方式 というのは、基本的な枠組みとしてはどこでも共通のリスク管理の手法だと 思いますけどね。 たとえば世界には原発推進派と風力発電優越派がいるけれど、リスク管理の 基本的な統計理論というのは同じです。同じ教科書使ってる。 1940年代や1960年代と、現在では全然違ってる。この違いじゃないですか? ______(訳注)______________________ “tunings” チューニング=調整段階、というのは私が今勝手に付けた訳語です。 そもそも他で、IWCの “tunings”の公式訳を見たことないから。 水産庁はこのあたりの関連文書、庁内部の日本語仮訳を公開すべきだな。 日本が加盟してる国際機関の公文書に出てくる専門用語なんだから、公定訳がなきゃ、 国会で話もできない。それが目的なのかもしれないけど。
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398 :名無しさん@3周年[]:2008/12/14(日) 00:25:07 ID:cLWO3bWN - 政権変わるまでは言っても無駄なことはさておいて、(40)の注、むずかしい
けどだいじなとこだから、訳しておく、 ====127頁右欄======================= (40)RMPの開発中、多数のコンピュータ・シミュレイション試験が行われ、 管理目的の種類(リストは119頁に掲載; 本スレ>>151)に関する、管理方式の パフォーマンスがテストされた。この試験は鯨個体群動態やその他の要因に 関するさまざまに違った仮定を組み込んだ仮説シナリオ多数の帯域の中で 試行された。 管理方式は、異なった目的(たとえば高めの捕獲数、あるいは減耗リスクの縮減) に応じて、それぞれのどれかを強調するという形で調節することができた。 この調節が、チューニングと呼ばれる調整段階プロセスである。 IWC本会議は今日RMPとして知られる管理方式を、0.72のチューニングで 了承した。 このチューニング(調整段階)は、100年後の最終個体群サイズ中央値が、 推定される自然生息数あるいは環境収容力の72%になる、というふうに 管理方式を調節した場合に対応している。 この試験が行われた特性明示の準拠シナリオは、複数の管理方式候補を 比較する目的で選ばれたものである。 ========================
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399 :名無しさん@3周年[]:2008/12/14(日) 00:26:09 ID:cLWO3bWN - http://www.cbialdia.mardecetaceos.net/archivos/download/7_Cooke_Papastavroufp11169.pdf
Sustainable Use of Oceanic Wildlife 122頁 [IMPLEMENTATION OF THE RMP: THE NORWEGIAN EXPERIENCE] [RMPの実行:ノルウェーの経験] RMP(改訂管理方式)は国際レベルでは適用されていない。 いままでのところ、RMPのバージョンを捕鯨管理に応用したのはノルウェー だけである。 ノルウェーは商業捕鯨モラトリアムに正式の異議申し立てを提出して いたので、この決議には拘束されないのだ。 1996年から2000年にかけて、ノルウェー水産当局はミンククジラの国内的な 捕獲枠を設定した。この計算にはIWCが賛同した0.72チューニングを採用した。 2001年からは、もし0.72チューニングを維持するのならば、RMPルールでは 捕獲枠を削減しなければならないということになった。 これは1996−2000年の捕獲で雌の比率がはなはだしく高く、管理方式が 補正のため、捕獲削減を要請するということによるものだった。
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400 :名無しさん@3周年[]:2008/12/14(日) 00:28:04 ID:cLWO3bWN - ノルウェー当局は、2001年シーズンから、0.66チューニングを採用する
ということによって捕獲枠削減を回避した(w)。 2003年には、新しい生息数推定値が低く出たので、RMPルールによるならば、 捕獲枠の削減が含意されている状態となった。 この捕獲枠削減は、チューニングを0.62に切り替えることで回避された(もう笑えない図7−5)。 2004年にノルウェー議会は海洋哺乳類政策を可決した。これによると、 ミンククジラ捕獲の相当な増大が提案されており、その理由となったのは 鯨の頭数削減が餌種との関係で水産業に有利に働くからという動機だった。(41) ノルウェー政府は2005年に797頭の捕獲枠を設定したが、これはRMPの0.60 チューニングを適用したものだった。 このチューニングはIWC科学委員会の推奨した帯域の下限である。 ノルウェーのIWC代表団は、ノルウェーの科学者たちが近いうちに、もっと高い 捕獲量を許すようなラディカルなRMP見直し案を上程すると発言した。
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403 :N ◆5UMm.mhSro []:2008/12/14(日) 00:36:46 ID:cLWO3bWN - >>401
>完璧なリスクゼロ(極小でも良いけど)を求めるのは >あまりにも非現実的。 RMPのクック・モデルはいかなる意味でもゼロリスクではないです。 「極小」リスクというのが、たとえば微分係数がゼロになるような極小値と考えるのは、 1950年代のシドニー・ホルトの世代で、そういうのはもうホルト本人も放棄してます。 こういうことは、たとえば田中昌二先生に聞けばはっきりするのじゃないかな? >あまりにも非現実的。 1960年代の商業捕鯨というのは、現実的に存在したのだけれど、非現実的だった、 という言い方わかりますか? ====現実的なノルウェーの例=========================== 11頁/123頁 図 7-5. <ノルウェー捕鯨捕獲枠 1997-2000> ノルウェーは改訂管理方式(RMP)のIWC承認チューニングレベル0.72 を用いて捕獲枠を設定した。 2001年からはRMPルールが捕獲枠削減を示した (下の曲線) しかしノルウェーはチューニングを0.66に変更し、捕獲レベルを維持した(中の曲線) 2003年には再度削減が示唆されたが、ノルウェーはチューニングを0.62に 変えることでこれを回避した。 =================================
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413 :N ◆5UMm.mhSro []:2008/12/14(日) 02:08:32 ID:cLWO3bWN - >>393,>>398,>>400 名前が落ちてましたね。N ◆5UMm.mhSroの書き込みで間違いないです。
>>291-294から続いてます。 >>412 要するに、1940年代ー70年代のシステムに戻せということですね。 この時代の問題を政治的にどうこう言っても始まらないけど、いくら政治的といっても、 なんらかの数学的な数値の出し方は必要ですね。 当時の数学/統計学モデルというのは、クックも指摘しているように、単純決定論です。 微分積分で単純に出してます。 これやると最初の22年間は年間捕獲数800頭からはじめて、資源の減耗状態に応じて 23年目には捕獲量マイナス12頭なんて<指令>も当然出てきますよ。 どうします? シャケや鮎ならどこでも養殖してるから、22年目の養殖を特別に丁寧にやって、 23年目には12匹多めに放流する、ということで条件をクリアできます。 あとは一年間漁獲をやらないで、縁側でひなたぼっこしながら休漁手当もらってれば いいです。 鯨12匹どうやって放流するんですか? 社長が土下座して謝って、辞任すればいいというのは、日本だけで通用する解決法だと思うけど。
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