- 【脳科学】幼い頃の記憶を失ってしまう「幼児期健忘」の理由が解明される[03/12]
1 :しじみ ★[sage]:2018/03/13(火) 05:23:42.13 ID:CAP_USER - 幼い頃の記憶は覚えていたとしても、3歳半ごろまでの記憶とのことで、これ以前の記憶を覚えている人はほとんどいないそうです。
この現象は「幼児期健忘」と呼ばれており、ここ数年の研究で脳内で何が起こっているのか正確に解明されはじめたとのことです。 Why You Can’t Remember Being a Kid http://nautil.us/issue/58/self/this-is-where-your-childhood-memories-went-rp https://i.gzn.jp/img/2018/03/12/where-your-childhood-memories-went/00.jpg トロント小児病院の神経科学者ポール・フランクランド氏は「幼児期健忘は、 私たちの脳が大人になるために小児期の記憶の多くを破棄しなければならないということを示唆しています」と語っています。 「幼児期健忘」はオーストリアの精神科医であったジークムント・フロイト氏が1900年代の初めに名前を付けました。 フロイト氏は、性の目覚めが子どもの頃の記憶を消してしまったと主張しており、一部の心理学者はこの主張に同意していました。 しかし、最も一般に認められた見解は、子どもは7歳まで安定した記憶を形成できていないというものでした。 それから、およそ100年間はこの見解をもとに研究が進められてきました。 1980年代後半に児童心理学の改革が始まります。 エモリー大学のパトリシア・バウアー氏や他の心理学者は単純なオモチャを作成します。 そして幼児に一連の遊び方を学習させた後、子どもが正しい手順でどれくらいの期間遊ぶことができるかテストしました。 実験結果によると、3歳以下の幼児の記憶は年齢によりバラつきはあるものの、一定期間続くことが示されています。 生後6カ月で記憶は1日、生後9カ月で約1カ月間、2歳で約1年間であることがわかりました。 また、1991年に行われた研究では4歳半の子どもが 18カ月前にディズニー・ワールドへ旅行に行った詳細な記憶を思い出せたことが判明しています。 しかし、6歳ごろから子どもたちは記憶を失い始めることがわかりました。 2005年にバウアー氏が行った実験によると5歳半の子どもは3歳での体験の80%以上を覚えていましたが、 7歳半の子どもは40%未満の記憶しかありませんでした。 この研究により、幼児は人生の最初のうちに作り出した思い出にアクセスすることができますが 、これらの記憶の多くは成人になって経験する「忘れ」をはるかに上回る勢いで消えてしまうことが明らかとなりました。 そして、「幼児期健忘」の「7歳まで安定した記憶を形成できない」という考え方に矛盾があることを示しました。 バウアー氏は「子どもの脳は子宮の外で長期的な発達を経験している間はまだ成長途中であり、 私たち成人の脳にあるような大規模で複雑な脳組織はできあがっていません。 結果として最初の3年間で得られた長期記憶は、未成熟な脳によって作り出された不安定な記憶であるため老化するにつれて、 失われていく傾向が強くなります」と語っています。 フランクランド氏と妻のシーナ・ジョッセリン氏はマウスを使った実験を行い 「幼児期健忘」解明のヒントになる結果を示しています。 赤ちゃんのマウスは人間のように記憶が1日程度しか保持できなかったとのことですが、 薬物や遺伝子工学を使って脳を成長させる神経発生を妨げると、 赤ちゃんのマウスでも安定した記憶を持つようになったそうです。 さらにマウスの成長によって脳細胞がどのように変化するかを調べてみると、 古い細胞が新しい細胞に置き換わるようなことはなく、 むしろ既存の脳細胞に新しい細胞が追加された形で成長していたとのことです。 これは神経発生によって古い記憶が一掃されていないことを示しているそうです。 しかし、新しい細胞が加わることにより、脳内で記憶が徹底的に再構成されていたことが示されています。 フランクランド氏は「新しい脳細胞が加わり記憶を読み出すスキームが新しいものに置き換えられてしまうことで、 古いスキームでのみアクセスできる子どもの頃の記憶を読み出せなくなったと考えられます」語っており、 単純に脳の記憶にアクセスできなくなってしまったことが記憶の消去につながっていると考えているようです。 GIGAZINE https://gigazine.net/news/20180312-where-your-childhood-memories-went/
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- 【心理学】多くの心理学入門書には学問的に誤った内容が記載されている[03/12]
1 :しじみ ★[sage]:2018/03/13(火) 05:33:27.66 ID:CAP_USER - 人間の心理を研究する心理学に対しては、専門家に限らず一般人にも興味を抱く人は多いものです。
心理学の分野では多くの入門書が出版され、ベストセラーになった本も多く存在しますが、 「アメリカでベストセラーになっている多くの心理学入門書に誤りが含まれていた」という調査結果が明らかになりました。 Best-selling introductory psychology books give a misleading view of intelligence – Research Digest https://digest.bps.org.uk/2018/03/08/best-selling-introductory-psychology-books-give-a-misleading-view-of-intelligence/ ユタ・バレー大学の研究者たちは、アメリカで最も有名な心理学入門書のベストセラー29冊について分析しました。 その結果、大学の教科書にも使用されているこれらの入門書のうち、 実に4分の3にあたる書籍に科学的誤解を招く致命的な誤りが含まれていると結論づけました。 研究グループのウォーン氏らによると問題のあった書物には、合計で43件の不正確な記述、 正確性に疑問のある129件の記述、論理的に間違っている51件の記述が含まれていたとのこと。 「これらの書物を使うことで、心理学の入門者に誤った科学的知識を植えつける可能性がある」としています。 多く見られた誤りとして、ハワード・ガードナー氏による「多重知性理論」に言及したものが93%、 そしてロバート・スターンバーグ氏が提唱した「知能の鼎立理論」に言及したものが89%にのぼったとのこと。 いずれも「知性」を複数に分割しようと試みた理論ですが、これらは学会の主流でもなければ科学的な確証もない https://i.gzn.jp/img/2018/03/12/psychology-books-mislead-intelligence/01_m.jpg ウォーン氏によると問題のあった書物に多く見られた誤りは、「知能は正確には測定不可能だ」というものでしたが、 ウォーン氏によると知能の測定は他の心理学的事実を証明するより簡単だそうです。 また、知能は学問的成果にしか反映されない要素だという主張もありましたが、 知能は平均余命や自動車事故での死亡リスク、キャリア成功など多くの非学業的要素にも反映されるとのこと。 また、「ヒトの遺伝子は99%が共通しており、個々の差を生み出すのは遺伝的要因ではなく環境的要因だ」とする リチャード・レウォンティン氏の学説を支持する本もありましたが、 「ほんのわずかな遺伝子の違いが大きな変化をもたらすのは明白だ」とウォーン氏は切り捨てています。 なお、レウォンティン氏の学説はソビエト連邦で発生した反遺伝子学運動(ルイセンコの虚偽)と同様のものとして、 「ネオ・ルイセンコ主義」といわれることもあります。 ウォーレン氏は心理学入門書の分析を通して、多くの誤りが「知性とその他の要因との関連性」と、 「知性に対する遺伝的影響」に関する学問的研究を軽視した結果だとしています。 「これらの書物は、知能に対する遺伝的要因を研究したイギリスの心理学者イアン・ディアリー氏や ロバート・プロミン氏らの研究成果を全く無視しています」とウォーレン氏は述べています。 アメリカでは毎年100万人を超える学生が、入門的な心理学の講義を受講しています。 多くの学生は必要な科目の一部として受講するだけであり、 その入門講義のみが心理学の知識として植えつけられる可能性も高いとのこと。 ウォーレン氏らの研究グループは、 学生がこれらの不正確な心理学入門書を通して誤った知識を持ちかねないと危惧しています。 「一般的な人々の心理学に対する理解を向上させるためには、 このような入門的学習段階で正確な知識を持つことが必要だ」として、 心理学入門書の質を改善する必要があると、ウォーレン氏は結論づけています。 関連スレ 【心理学/数学】感情の黄金比「3対1のロサダの法則」に数学的根拠がないと見抜いたのは中年の素人だった[03/05] https://egg.5ch.net/test/read.cgi/scienceplus/1520285952/ GIGAZINE https://gigazine.net/news/20180312-psychology-books-mislead-intelligence/
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- 【統計学】世論調査は当てにならない? 統計分析で意外な結果[03/13]
1 :しじみ ★[sage]:2018/03/13(火) 14:27:41.93 ID:CAP_USER - 【3月13日 AFP】
2016年の米大統領選や前年の英総選挙の結果が事前の予想を覆す結果となったことを受けて、 英米の研究者が1942年までさかのぼって過去の世論調査を調べたところ、 最近になって精度がとくに落ちたことはないと確認された。 世論調査が当てにならなくなってきたという一般通念に反する事実が示された格好だ。 12日、英科学誌「ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビア(Nature Human Behaviour)」に発表した。 前回の米大統領選では大半の世論調査で民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏の勝利が予想されていたが、 実際に当選したのは共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏だった。 また2015年の英総選挙は、単独で過半数を獲得する政党のない 「ハングパーラメント(中ぶらりんの議会)」になる見通しとされていたが、結果は保守党の圧勝だった。 こうした事態を受けて世論調査に対する不信感が広がったことから、 英サウサンプトン大学(University of Southampton)のウィル・ジェニングス(Will Jennings)氏と 米テキサス大学(University of Texas)のクリストファー・ウルジェン(Christopher Wlezien)氏は、 選挙前の世論調査の精度を検証した。 1942年から2017年までに45か国で実施された351の総選挙について、3万件を超える有権者の意向調査を分析。 その結果、一般に考えられているのとは異なり、最近の世論調査結果が特に異質ということはないと判明した。 両氏は論文で「世論調査業界にはさまざまな難題が突き付けられてはいるが、 その精度が危機的状況にあるとの主張を裏づける証拠はなかった」としている。 許容できる誤差は、調査対象の75年間を通じておおむね同じだったという。 大きな番狂わせとなった16年の米大統領と15年英総選挙時の世論調査でも、 誤りの大きさは「特に異例なものではない」と結論づけている。 両氏は、世論調査の誤りが増えたのではという懸念には、 対面や電話でのインタビューなど伝統的な手法に代わって オンラインの手軽な調査が増えていることなどを踏まえると十分な根拠があると指摘。 その一方で、世論調査機関は精度を高めるために加重などの方法を導入するなど、 変化に対応しているとも評価している。(c)AFP 関連ソース画像 http://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/c/6/700x460/img_c6336fb20640fe334396ddc8b98f917b163894.jpg AFP http://www.afpbb.com/articles/-/3167136
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