- 男はつらいよ part43
882 :この子の名無しのお祝いに[sage]:2021/02/12(金) 20:46:44.69 ID:W3iM6kAq - 関西の大学で教鞭をとるAさんは、先日、学生から発された一言によって自分が時代に
取り残されていたことを実感したという。 「この間、ゼミの学生に 向けて『ロキノン系の音楽を若者がよく聴いている』という主旨の発言をしたんですね。 そしたら、ある男子学生から『先生、ロキノン系って死語ですよ。もうだれも使って いません。そもそも流行っていません』と一刀両断され、衝撃を受けました(笑い)。自分 のなかでは、まだあの“四つ打ち系バンド”が流行っているという認識だったので」(Aさん) 学生に“死語”だと一蹴された「ロキノン系」とは、音楽雑誌『ROCKIN’ON JAPAN』に 取り上げられてきたアーティストや、『ROCKIN’ON JAPAN』フェスに登場するバンドなどを 指す。さかのぼれば、1990年代の『エレファントカシマシ』、『くるり』、『ナンバーガール』、 『ゆらゆら帝国』、『BLANCKEY JET CITY』なども含まれるが、「おそらくこの学生が言った 『ロキノン系』とは2000年代後半から2010年代の頭に流行した、いわゆる『邦ロック』 (日本のロックバンド)のことではないでしょうか」と分析するのは、邦ロックに詳しいネ ットライター・Bさんだ。 「たとえば有名どころだと、2000年代には『ELLEGARDEN』、『フジファブリック』、 『9mm Parabellum Bullet』、『Syrup 16g』、『チャットモンチー』、『THE BACK HORN』 などがロキノン系と呼ばれていた。2010年代になると『赤い公園』、『フレデリック』、 『[Alexandros]』、『KANA-BOON』、『KEYTALK』、『キュウソネコカミ』、『BLUE ENCOUNT』 などが、高校生などを中心にブームになりました。このほか『BUMP OF CHICKEN』や 『ASIAN KUNG-FU GENERATION』などもそうですね。もちろん、バンドごとに音楽性 もスキルも、まったく違います。しかし、ストリーミング配信などが普及する以前、TSUTAYA などのCDレンタルショップでは『邦楽ロック』というコーナーが設けられていた。そういった 棚にこれらのバンドが収められていたため、ロキノン系と一括りにされやすかったのかもしれません」(Bさん) このように、一時期ロキノン系が量産されると、そこにハマる人たちを指す言葉として 「ロキノン厨」という言葉も登場したとBさんは続ける。「ネットスラングで『ロキノン 厨』という言葉がよく使われていたのは2000年代後半から2010年代頭でした。学生を中心に ロキノン系バンドがブームとなり、8ビートや4ビートを中心とした、フェスでジャンプし ながら“ノれる”楽曲が量産されました。大学生の間でもロキノン系をカバーする軽音 サークルが増えた時期ですね。 しかし、こうしたバンドの勢いも、2010年代に『Suchmos』 (2021年2月3日に活動一時休止を発表)、『Yogee New Waves』などシティーポップ 系が流行し、その後は『Official髭男dism』や『King Gnu』などの勢いに飲まれ、失速してい った印象です。いまでは『YOASOBI』など、ボーカロイド文化を引き継ぎつつ、古き良 きロキノンの影響も感じる音楽が出てきている。 もちろん、手堅い人気を誇るロキノン系バンドもいますし、今でもアニメ主題歌に起用 されるバンドも多いため、一概に『ロキノンは廃れた』とは言えません」(Bさん)冒頭、 学生に「死語ですよ」と言われた大学教員のAさんにこの流れを説明すると、次のように語った。 「学生から最新の音楽を教えてもらい、聴き込むようにしているのですが、すぐにトレ ンドが変わるから驚きです。移り変わりが本当に早いですね。最近は学生から、音楽の サブスクサービスに入って、そこでヒットソングを聴くと良いと教わりました。自粛期間中に挑戦したいと思います」(Aさん)かつて一世を風靡した 「ロキノン系」。ロックバンドの楽曲は、ライブハウスやフェスで演者とファンがと もに音楽に“ノる”ことが醍醐味だが、コロナ禍でライブハウスでの公演も難しくなって いる。とはいえSNSを上手く活用しながら、精力的な音楽活動を続けているバンドもある 。音楽トレンドがめまぐるしいスピードで移り変わるなか、国産ロックバンドの今後に注目したい
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