- 【星野さんに】金環蝕1【ヨロシク】
90 :この子の名無しのお祝いに[sage]:2013/06/15(土) 23:55:17.20 ID:e3pW8oem - http://blogs.jsce.jp/2013/06/3.html
山岡− 河野一郎や池田勇人、佐藤栄作といった大物政治家がしのぎを削った1960年代は、 高度成長の真っただ中でした。成長期は、良くも悪くも、物事が大きく動きます。 公共事業をめぐる政官財の癒着構造が顕在化したのも、あの時代でした。小説家の石川達三が、 九頭竜ダム建設の入札汚職を題材にした『金環蝕』(新潮社)を発表したのは1966年です。 歴史の一頁として、どう振り返られますか。 高橋− 関係者の方に、石川達三の小説は、どのくらい本当ですか、と訊いたことがあります。 そうしたら、八割くらい本当だ、と返答されました。そういう時代でしたね。 山岡− 「金環蝕」は、京マチ子や仲代達也、宇野重吉らの出演で映画化もされましたが、 ダム建設で水底に沈む鉱山会社、日本産銅の元社長の緒方克行も『権力の陰謀』(現代史出版会) というノンフィクションを書いています。こちらも資料としての価値は高い。 高橋− ダム建設では、しばしば鉱山が沈みます。それで問題が起きる。政治家と業界、官僚の話は、 作家やジャーナリストにとっては興味深いでしょうね。若干、歪めて、社会の暗い面、縮図を描く。 ダムは、そういうものに巻き込まれやすい。石川達三は、小河内ダムについても、 1937年に『日蔭の村』(新潮社)という小説で書いています。故郷が沈む人びとの悲哀ですね。 小河内ダムは、ダム建設で沈んだ家屋、地域の人口が一番多い。しかも、戦前だから、有無も言わせず、 強権的に事業が推し進められた。ダム建設は、『金環蝕』のような事件も起こす一方で、水没集落を分断し、 水没地域の住民どうしを反目させるケースも少なくない。補償金の額をめぐって、とか……。
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