- 【小津】秋刀魚の味【名作】
542 :この子の名無しのお祝いに[]:2013/02/20(水) 15:55:47.23 ID:OehEC3h7 - 大人の会話というか、もっと色んなものが凝縮されてるシーンのように思う。まあ知ってると思うけど、「秋刀魚の味」を制作する直前に小津監督の最愛の母親が他界している。
きっと岸田今日子演じるあのバーテン女に母親の面影を重ねてたんだろう。最後の階段を見つめるシーンもそうなんだろうと思う。
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- 【小津】秋刀魚の味【名作】
543 :この子の名無しのお祝いに[]:2013/02/20(水) 16:27:54.92 ID:OehEC3h7 - そうして、佐田啓二演じる長男はその母親の面影を否定している。
こういう些細なすれ違いなども、あの「ひとりぼっちかぁ」の一要因となっているんだろう。(佐田啓二はプライベートで小津監督に特に可愛がられていて、監督の母親とも何度も会っている)
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- 【小津】秋刀魚の味【名作】
544 :この子の名無しのお祝いに[]:2013/02/20(水) 16:33:52.08 ID:OehEC3h7 - もちろん、佐田啓二が実際にそんな否定をしたということを言ってるのではなくて、そういうようなちょっとした人間性の相違などを小津監督が感じていたんだろうということね。
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- 【小津】秋刀魚の味【名作】
545 :この子の名無しのお祝いに[sage]:2013/02/20(水) 16:58:10.07 ID:OehEC3h7 - 笠智衆という俳優は、そういう微妙な内面の感情を読み取って、ごく自然体でそれを演じてみせる。
否、あれは演じているというより、滲み出ている、醸し出しているといったほうが近いかな。 小津監督は笠さんに「ぼくの作品に表情はいらないよ、能面でいってくれ」と演技指導をしていたけど、「秋刀魚の味」はその意味が本当によくわかる作品。
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- 【小津】秋刀魚の味【名作】
546 :この子の名無しのお祝いに[sage]:2013/02/20(水) 17:08:10.02 ID:OehEC3h7 - つまり、感情の篭っていない軽薄な表情を作らせるではなく、内面から滲み出す演技をさせようと、ああいう指導をしていたんだね。
まあ作風的にそういう演技が合うというのも理由としてはあったんだろうけど。 ここを勘違いして「小津映画はまるで昆虫採集みたいだ」などと見当違いな批評をしているものがあるのはちょっと情けないね。
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