- 【リカさんを】悪魔の手毬唄【愛してらしたんですね】
667 :この子の名無しのお祝いに[sage]:2011/06/18(土) 00:31:08.97 ID:mz5ixRaW - リカは、赤痣をのある里子のことを不憫に思っていた。が、それよりも、
自分の娘はこんなに醜いのに、 夫の愛人たちが産んだ娘たちはあんなに美しい。それが妬ましい、憎たらしい、 という気持ちの方が強かった。 この嫉妬は、自分の娘への純粋な愛情から来る感情とはちょっと違う。 女としての嫉妬(自分の娘はこんなに醜い、三人の娘はあんなに美しい)>わが子への愛情 なのである。 原作にはそういうことが書いてある。 つい磯川警部目線でリカを眺めて、リカに同情してしまいがちだが、それはどうなのか。 リカの犯罪を、子を思う母心が犯した悲しい犯罪だの、 追い詰められた不幸な女がやむなく手を染めてしまった悲しい犯罪だのと呼ぶには、 どうにも納得できないところがある。 見立て殺人なんだから動機や犯人の心理描写はおまけみたいなものでどうでもいいでしょ、的な意見は置いておいて。 リカはどうしてあんなにも安易に娘たち殺害という解決方法を選んだのか? しかもどうしてあんなにも惨い殺し方ができたか? 答え:ずっと前から三人の娘たちとその母親たちに嫉妬し憎み怨んでいたから。 リカのやったことは悪鬼の所業だし、犯行を思い立った時から心も悪鬼になってしまっていた。 いや、20年前から心は悪鬼かな。夫殺しの動機も嫉妬と憎悪だからね。 あの頃からリカは鬼だったんだよ。夫ゆえに鬼になってしまったのだ。 磯川警部はそれを見抜けなかった。 リカという女を理解できてなかったというべきか。男の純情というべきか。 身も蓋もない言い方をすれば、勝手なイメージでリカを見て、自分の作った虚像に恋してたってことだろうね。 こういう話なんだよ、原作の「手毬唄」はね。 でも映画ではリカは「息子の近親結婚を防ぎたかった」みたいなことしか自供しないし、 若山富三郎磯川警部の魅力のおかげで、 なんだか可哀想な犯人だね〜みたいなイメージを抱く人が多いらしい。 でもよく考えれば、そうでもないよっていう。 リカを可哀想というのなら、 夫のせいで嫉妬と憎悪にみちみちた恐ろしい悪鬼になってしまった、そういう可哀想さなんだよ。 でも映画ではそういう描き方してないっていう。
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