トップページ > 初心者の質問 > 2018年02月17日 > 8oF/ODTa

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ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw
ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw
もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ22087
もの凄い勢いで誰かが納豆をかき混ぜるスレ(仮)
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】

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もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ22087
221 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 08:50:31.42 ID:8oF/ODTa
>>217
いや、俺なら
殺しの依頼か?と思う
もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ22087
224 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 12:17:50.02 ID:8oF/ODTa
( ´ ▽; ` )
もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ22087
236 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 15:22:32.31 ID:8oF/ODTa
>>226
やっぱRYZEN3Gで組もうとする人多いね。
それならば。

CPU: Ryzen 3 2200G  13470円
クーラー:付属
マザボ: ASRockAB350M-HDV 6780円
SSD: トランセンドSSD370 3680円
メモリ: crucial DDR4 PC4-19200 4GB 1枚・……5760円
光学ドライブ:無し。いらね。
ケース:忘れたけど中華の。うるさい電源がついてるやつwww 今調べた。
      ケイアン 5368円
電源:付属の。

喜べ。OS無しで35,058円だ。
ウマーじゃねえw動くかこれ・・・。
もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ22087
239 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 15:27:37.26 ID:8oF/ODTa
オニカワ「」
もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ22087
249 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 18:42:46.40 ID:8oF/ODTa
>>247
僕「はい!」
もの凄い勢いで誰かが納豆をかき混ぜるスレ(仮)
336 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 21:31:13.55 ID:8oF/ODTa
終わったぞ。脱稿だ。
言っとくが、今の所8214文字だ。つまんなくても全部読めよな?
オチが判っても全部読め。
これから2回くらい推敲してから投下するわ。
もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ22087
263 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 21:33:18.25 ID:8oF/ODTa
>>261
なんだろうね、アレ。
いやぁ、俺のスレで変な評価厨が湧かなきゃいいけどなぁ・・・。
意図的なものを感じるが、気のせいだろう。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
112 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 21:42:46.40 ID:8oF/ODTa
>>1 ←重要。

というわけで、今回は中編に近いSF短編を投下します。
>>108という事だったので、設定の組み立てにかなり時間と文字数が掛かりました。
今回も描写少なめの勢い作品で、読者の想像に頼る部分が多々あります。(特にメカ)
このシーンはアレだよなぁ・・・・なんてありますと思います。
まあ、どうぞ。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
113 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 21:45:37.29 ID:8oF/ODTa
 【ジャンル】SF

 どの世界でも、使えなくなったパーツは捨て去られる運命だ。
 しかし軍人という人間パーツは、自らの意思で廃棄を選ぶこともできる。
 
「ゲイル・スレッド中尉。2070年4月10日、本日を持って除隊とする」

 海軍兵学校の教官としてパーツを育てるのは、もううんざりだ。
 37才では少し早い気もする。だが、気の抜けたビールのような
軍隊生活より、人生の退屈を選んだほうがよっぽどマシだ。 
 俺は上官の言葉に、ただ無言の敬礼で答えた。

 事務科窓口で必要書類にサインをする俺に、眼鏡をかけた若い女事務官が声を掛けてきた。

「スレッド中尉。ロッカーの中に忘れ物はありませんね? もしロッカー以外で私物がある場合は……」

 あるわけがない。
 15才から軍隊に入り、全てを捨てて戦えと叩き込まれた。士官選抜試験をクリアしてからは
家族を、戦場では仲間を捨てろと命令された。こんな俺に、今何が残っていると言うんだ。
 俺は事務官に自分の左肩を見せながら言った。

「戦場で左腕を忘れたらしい。見つけたらここに書いてあるノルウェーの実家宛てに送ってくれ」

 事務官は目をそらし、書類を受け取った。
 故郷の村はA.Iユニオン"ヘキサゴン"の攻撃を受けて消滅している。失った左腕を届ける
場所も、家族も、もう何も無いさ。

 事務棟を出ると、マーカス軍曹が走り寄ってきて俺に声を掛けてきた。

「エアポートまで車で送りますよ。って、自分もそっち方面に用事があるもんですから。遠慮なさらずに」

 俺は遠慮なしに車のナビシートに座った。
 車は基地のゲートを出る。よく言われている呪縛から解き放たれたような開放感や、感慨深いものは何もない。
 何も無い者に何かを感じろと言うのは、土台からして無理な話だ。
 
「マーカス。悪いな」
「こんなのお安い御用ですよ。海兵猟兵部隊では私の命を救ってくれた恩人ですし、このくらいじゃ恩を
返しきれないくらいですよ」
『ワン!!』

 バックシートから犬の鳴き声。
 後ろを見ると、大型で灰色の犬が舌を出して俺の顔を見ていた。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
114 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 21:47:06.84 ID:8oF/ODTa
「マーカス。なんだこいつは?」
「ああ、軍用犬ですよ。とは言っても、訓練段階で規格外れ。これからこいつの引き取り先へ行く予定です」

 軍用犬と言えばシェパードかドーベルマンだけかと思っていたが。こいつはどことなくオオカミに似ていて
目つきも悪い。どこが規格外れなのか……。

「こいつの書類はあるか?」
「ダッシュボードに入ってます。それです。今時貴重な紙媒体の書類ですよ。紙はきちんと管理すれば
情報が洩れにくいですからね」

 シベリアンハスキー。メス、2才。
 名前はアイリス。忠実性無し。素行不良。協調性無し。気が強く、気難しい。
 なんだこれは? 軍用犬どころか、愛玩として飼うのすら難しそうだ。
 適正、S+。

「おい、この適正っていうのはなんだ?」
「さあ。ただ私はこの犬を引き取り先へ連れて行けと命令されただけなので」

 規格通りでないと放り出す。軍がやりそうなことだ。
 車は郊外にある建物の前で止まった。

「スレッド中尉、ちょっとここで待っていてください。この犬、あの施設に置いてきますので」

 <ライル・アニマル・シェルター>。引き取り先は動物保護施設か。
 他人と同じ場所にいられないこいつが、保護施設なんかに入ったって上手くやっていけるはずがない。
 貰い手だってそう簡単には見つからないはずだ。
 使えないパーツは廃棄処分か……。

「待て、マーカス」
「何か?」

 俺は書類に記載されていた受取人の名前を消し、そこに自分の名前を書いた。
 気の抜けたビールのような施設生活より、人生の退屈を選んだほうがマシだろう。
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115 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 21:49:42.86 ID:8oF/ODTa
 勝手に貯まっていた金で、フィンランドのヤルヴェンパーという場所に家を買った。
 軍を抜けた者の生活は想像以上に退屈なものだった。
 起床時間も自由。飯を食うのも、クソをするのも自由だ。まるで野良犬のような生活。
 しかし1か月もしないうちに俺は、自然と朝5時に起床し、トレーニングを始めた。
 決められた動きしかできないパーツは、どこにいてもやはり同じ動きしかできないのだろう。
 アイリスはトレーニング中でも俺に寄り添い、たまに俺に尻を向けて尻尾を振る。
 こいつのどこが素行不良なんだろうか。
 
 ドッグカフェのテラス席で新聞に目を通す。
 A.Iユニオン"ヘキサゴン"によって起こされた世界大戦は各地で終息に向かっているらしい。
 ヘキサゴン。人類に牙をむいた人工知能の集合体だ。
 この戦いで人類は勝利した。
 そうかよ。勝ち負けなんて俺の知った事ではない。多くのモノを失った俺にとっては。

「相席、よろしいですかな?」

 突然声を掛けられ、視線を新聞の文字からその男へと向けた。
 白髪の短髪に深いしわ。カシミアのコートを着こなしている長身の老人だ。
 覚えのない顔の男に俺は言った。

「どうぞ」

 周りの席は十分空いているのに相席か? 犬も連れてないし、見た感じ話好きというイメージじゃない。
 訳ありか。
 老人は席に座るなりカフェオレを注文し、近くにいたアイリスを撫でながら言った。

「シベリアンハスキー。良い犬だ」
「俺に何か用か?」
「そうせかすな。カフェオレくらいゆっくり飲ませてはくれまいか。ゲイル・スレッド、元中尉」

 俺の素性を知っているのか。
 老人は運ばれてきたカフェオレを啜ると、俺にサングラスを手渡してから空中にスクリーンを展開させた。
 暗号化された映像を見せるってことは、かなりヤバい話になりそうだ。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
116 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 21:53:28.20 ID:8oF/ODTa
 殺しか、運びか。
 軍を抜けた者はそれ相応の職に就く。ガードマンやインストラクターはまっとうな方だ。
 用心棒、殺し屋、運び屋。どの裏業界でも引く手数多だ。
 俺は渡されたサングラスを老人の胸元に突きつけ、言ってやる。

「金には困っていない。傷痍保険や退役金は貰ってるし、これから年金も入る予定なんでね」
「すまんな。君は困っていないかもしれないが……断れば……我々が困るという話になる」

 老人はそう言いながら、俺の横腹に銃を突きつけた。
 ふん、そういう事かよ。俺は黙ってサングラスをかけ、空中に展開されたスクリーンを見た。
 そこには地図が表示され、目的地らしい場所もマークしてある。
 俺は言った。

「何かを運べって事か。行路は? 海路か?」
「空路だ」
「じゃあそれなりのパイロットを雇えばいいはずだ。海兵猟兵部隊出の俺じゃなきゃならない理由はなんだ?」
「地図をよく見たまえ。君じゃなきゃ遂行できない場所を通ることになる」

 スクリーンを縮小モードにして全体像を見てみる。
 スカンジナビア半島。目的地は俺の故郷でもあり、左腕をもぎ取られた場所でもあるノルウェー。
 老人は銃を突きつけたまま、椅子の背もたれに体を預けながら言った。
「世界の戦争は終息に向かってはいるが、ここはまだ手つかずでね。そこへ荷物を届けてもらいたい」
「土地勘のある俺に……って事か」
「そういう事だ。ここで戦闘をした君なら、フィヨルドの渓谷を抜けられるだろうからな」

 俺はふと、あの時の事を思い出していた。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
117 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 21:54:57.38 ID:8oF/ODTa
 ―― 仲間が! あそこにまだ仲間が残っているんです! 行かせてください!
 ―― 『スレッド少尉。我々は作戦に失敗した。速やかに撤退せよ。これはお願いではない。命令だ!』
 ―― 大佐! お願いです! 大佐ぁ! ……クソっ! 俺は独りでも行く。独りでもいくぞ!!

 ―― 自分に行かせてください。まだ仲間が生きているかもしれない。揚陸艇を……。
 ―― 一週間後に新たな部隊を編成する。それに、君のその体では無理だ。ゆっくり休みたまえ。

「どうしたね? 顔色が悪いが」
「なんでもない。……まあいいだろう。ちょうど退屈していたところだ」

 老人は書類をテーブルに置いてから席を立ち、近くにいたアイリスを撫でながら言った。

「本当に良い犬だ。お膳立ては私達がすべて行う。君はただ、輸送機でフィヨルドの渓谷を抜ければいい」

 老人はその場から立ち去った。
 私達、か。どんな組織の人間かは知らないが、ずいぶんと手の込んだ依頼だ。
 テーブルには今時珍しい紙の書類が置いてある。
 俺はまたあの場所へ戻るのか。俺の左腕をもぎり取りやがった"あの黒い奴"のいる場所へ。 
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
118 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 21:58:06.62 ID:8oF/ODTa
 オーランド諸島。マリエハムン近くの空港で給油後、ボスニア湾を抜けてスウェーデン領に入る。
 上空1万メートル。
 左腕が無い為、コンソールはすべて右に配置した。スラストレバーもバタフライスイッチにしてある。
 その他は音声入力だ。
 俺が義手を付けない理由は二つある。一つはファントムペイン(幻肢痛)による痛みの為だ。
 通常医療によって改善はあるが、俺の場合他人とは違う痺れを脳に感じているらしい。
 もう一つは、どのメーカーの義手も神経接続が上手く働かない為だ。
 この二つの要因で解ることは、脳内の神経ブロックが他人とは違い、異常という事だ。
 ハリボテを付けてもいいが、人の目を気にする程、俺の神経は繊細じゃない。
 気を使ってくれているのか知らないが、アイリスはいつも俺の左側にいる。今も左側の"機長"席で
のんびり昼寝中だ。  
 しかし、積み荷の中身が気になる。
 この大型軍用輸送機に積載量ギリギリで積み込んだ代物。梱包具合からして人型兵器であることは間違いない。
 まさかな。
 そんな事態になったら、大昔のアクションヒーロ並みの事をしなくちゃならん。
 それに、俺のこんな体じゃ兵器を満足に操れないだろう。

 ノルウェー領に入ると、早速オスロ最前線基地からの通信が入った。

『未国籍機。その先は戦闘空域だ。機体異常か? もしそうなら北上してリレハンメル空軍基地へ向かえ』

 面倒に思った俺は、インカムマイクをアイリスに近づけた。

「ワン!」

 アイリスは一声吠え、俺は通信を切った。
 目的地はここから遥か西のベルゲンだ。空軍基地に用はない。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
119 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 22:02:06.75 ID:8oF/ODTa
 フィヨルドの渓谷を抜けるのにも理由がある。
 ノルウェーは現在、制空権をA.Iヘキサゴンに握られている。上空を飛べば対空ミサイルが飛んでくる。
 渓谷もそれなりの防衛施設はあるが、老人に渡された資料によると、そのポイントは3年前から変わっていない。
 俺がそこで戦闘した時と変わらないはずだ。防衛施設付近で上昇してかわし、再び入り組んだ渓谷へ戻る。それを何度か繰り返す。
 ベルゲンまで、あと80キロ地点。
 その地点で再び、俺の眼下に奴の姿が現れた。黒く鈍く光った人型兵器。

 ―― 『少尉! スレッド少尉! 我々猟兵の武装では歯が立ちません! ヴァルム・ハーケンでは無理です!』
 ―― 『スレッド少尉! やりましょう! 奴だって同じ人型兵器だ! A.Iの作ったヴァルム・ハーケンなんて!』
 ―― 『祖国ノルウェーの為だ! いきましょう!』
 ――  やめろ! 応援が来るのを待て! マーカス! 奴らを止めろ! クソっ! 一度散会して
     アルファフォーメーションで包囲を組むぞ! 勝手なことしやがって……。 

 俺は今、ここで何をやっているんだ。どうしてここに来たんだ。
 退屈しのぎか? 依頼という名の命令に従う軍人の性の為か?
 A.Iの作った黒いヴァルム・ハーケンは対空小型ミサイルを発射した。間違いなくこの輸送機に命中するはずだ。
 
 ―― マーカス。みんなは……どうした? ……無事か?
 ―― スレッド少尉。右を向いていてください……。すぐ楽になりますから……。左側は見ないでください。
 ―― え? ……俺の腕が……。部隊のみんなは……?
 ―― ……わ、判りません。自分には……自分には……。

 今度は俺から何を奪う? 何も無い、俺から何を奪う!
 ミサイルは左エンジンを直撃した。また左かよ。まあいい、祖国で死ねるなら本望だ。
 コックピット内に響く警告音。俺はこれを望んでいたのかもしれない。
 使い物にならないパーツの命なんて、喜んでくれてやる。 
もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ22087
267 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 22:09:34.53 ID:8oF/ODTa
>>264
今新作を投稿してるが・・・。埋め立て規制で連投出来ねえww
しばらく間空くけど、途中までなら読めるぞよ。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
120 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 22:11:06.21 ID:8oF/ODTa

【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
121 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 22:12:40.68 ID:8oF/ODTa
『ワン! グルル』

 そうか。奴は俺の相棒の命も奪うつもりか。すまん、アイリス。お前も道連れだ。
 アイリスは垂れた俺の左袖に食いつき、後ろへと引っ張る。
 そして今度はドアに何度も体当たりをする。
 そうか! 俺は後部ドアを開け、積み荷へと走った。

 梱包のロックはなぜかすぐに解除された。
 立てば体長12メートルほどだろう。見たことのない、濃紺のヴァルム・ハーケンだ。
 複座型か。
 俺はすぐに前部座席に座り、後ろにはアイリスが飛び乗った。

「なんだこれは……。今までのヴァルム・ハーケンとは違う。どうやって動かすんだ?」
「あー、もうちょっと待って。コックピット内がユリオンとレイオンに満たされればこの機体の概要は解るから」
「誰だ!?」
「アイリスよ」

 犬のアイリスが喋っているのか?
 アイリスの言う通り、しばらくするとこの機体の概要が脳内に刷り込まれていく。
 同時に周りで爆発が起こり、機体が外へと放り出される。
 眩しいほどに一気に開ける視界。眼下にはフィヨルドの大地が広がっている。

「凄い……高速重力アンカーってやつで空中で留まることもできるのか」
「驚くのはまだ早いわよ。脳内神経ブロックをリムーブ。ゲイル、あなた本当に面倒くさい脳みそしてるわね」

 左腕が一瞬痺れ、ファントムペインが襲う。
 その後、左腕の感覚が完全に戻った。確かめてみると確かに左手が存在している。
 アイリスが言った。

「左腕の生成完了。とりあえず仮想ニューロン領域では左腕が復活したわ。で、どうするの? ご主人様」
「聞きたいことは山ほどあるが……まずはあの黒いのを叩き潰す方が先だ」
「了解。でも気を付けてね。システムは20%しか起動してないし、ニューロンシェアがまだ50%だから。
それよりさ、後ろ……見てみてよ」
「ん?」

 振り向くと、銀髪で美しい女性がコックピットに座っている。
 女性は悪戯っぽく笑いながら言った。
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122 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 22:19:04.66 ID:8oF/ODTa
「どう? 私と交尾してみたくなったでしょ?」
「は? ……ああ、アイリスか」
「え? それだけ? せっかくあなたの記憶領域からタイプの女性を取り出して生成したのに! いつも私の性器を見て
欲情してたくせに!」
「犬に欲情なんてしてない! 人の記憶を勝手に弄るな!」

 なるほどな。いつもこの調子で訓練をしていたんだろう。
 これじゃ、軍で不良品のレッテルを貼られてもしょうがない。
 アイリスはまだ卑猥な何か言っているようだったが、俺は機体の重力アンカーを解除して降下しながら敵に迫る。
 ちょうどいい間合いで右手に握られているアサルトライフルを3発、奴に向けて発射してみる。
 弾ははじくどころか、機体の手前で蒸発しているように見えた。
 アイリスはそれを見て渇いた言った。

「ダメね」
「なぜだ!? 火力不足か!? これではあの時と何も変わらん……」
「システムの起動がまだ30%。あ、今ので25%まで落ちたわ」
「システム? どういうことだ!?」 
「このヴァルム・ハーケン。私が訓練していたものと同じだとしたら……今のままじゃあなた、負けるわね」

 瞬間、機体に振動が走った。
 正面のモニターには、あの黒い奴が空中でこの機体を捕らえ、中を覗き込むようにしていた。
 いきなり急激なGが掛かり、続いて機体を押し付けられるような衝撃。
 俺の機体はフィヨルドの壁に押し付けられていた。

「負ける……俺が? また負けるのか?」
「ええ。前のように無残にね。あなたは誰も助けられず、機体は敵のブレードによって引き裂かれる。
その時、痛かったでしょ?」
「やめろぉ! 俺の記憶に触るのはやめろぉ!」

 機体が軋む音がコックピット内に響く。
 アイリスは言った。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
123 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 22:24:14.54 ID:8oF/ODTa
「お礼を言ってなかったわ。ありがとう」
「何をいきなり!? こんな状況で、お前は何を言っているんだ!?」
「だって、私の命を救ってくれたじゃない。ユリオンとレイオンで満たされたこの空間でなければ
あなたに言葉でお礼なんて言えないから……」

 あの書類にサインをした、あの時の事か。こいつ、ただの犬じゃなかったのか。
  
「ねえ。人間がA.Iに勝った理由って何だと思う?」
「知るかよ。知りたくもねえ!」
「じゃあ質問を変えるわ。人間が銃を持って戦場へ行く理由は? あなたが、私がこのヴァルム・ハーケンに
乗る理由は?」

 確かに。A.Iが人間の頭脳を越えた今、人間が戦場に行く理由はない。
 このヴァルム・ハーケンだって、人工知能を搭載すればいいだけの話だ。
 アイリスは続けた。

「私達動物が持っていて、A.Iが持っていないものって……何?」

 それは解る。解るが今の俺はそれを認めたくない。
 死を望む俺に、それを答える資格なんてないんだ。
 ヴァルム・ハーケンの装甲の一部が砕ける音が聞こえた。

「答えて。いえ、答えなくてもいい。そう願えばいい。それを私の前に差し出せばいい」
「俺は……俺には」
「アイリスの花言葉は、希望。私はあなたの前に希望を差し出すわ。あなたは……何を差し出すの?」

 ―― 仲間を殺りやがった! 殺りやがったなぁ! 俺の故郷も! 家族も! みんなお前が!

 守ってやりたかった。仲間も、祖国も。

 ―― 動けぇ! まだ戦える! 俺はまだ生きているんだ! こんな所で……死にたくない……。

 本当は死ぬのが怖かったんだ。
 死んで何もできずに終わるのが、たまらなく怖かった。報いることなく、パーツとして死んでいくのが。
 だが俺は……俺達はパーツなんかじゃない!
 
 <Neuron Cross firing System...ready> 

 生きたいと願って何が悪い。救ってやる。取り戻してやる。
 俺は、仲間の仇を取る!

「システム動作率、ニューロンシェア、共に100%。ニューロン・クロスファイアリング・システム作動」
「外装甲パージ! いつまでも調子に乗るなよ!? このA.I野郎が!」
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
124 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 22:28:55.13 ID:8oF/ODTa
 黒いヴァルム・ハーケンの腹を蹴り、再び間合いを取る。
 奴は吹っ飛ばされながらも、腰に付けられたアサルトガンを取り出し、こちらに向かって乱射する。
 
「アイリス!」「アクティブシールド展開!」

 弾は俺達の機体のわずか10センチ手前で蒸発して消える。
 黒いヴァルム・ハーケンは怯むことなく、今度は背中に取り付けられたブレードを構えて
こちらに突進してくる。俺の機体を引き裂いた、左腕を奪った、あのブレードだ。
 アイリスは馬鹿にした口調で俺に問いかけた。 

「ゲイル。怖い?」
「ああ、怖いね。お前、人類がなぜA.Iに勝ったのか……俺に聞いたよな?」  
 
 こちらもブレードを抜いて迎え撃つ。
 高速重力アンカーを相手のブレードに当てて跳ね返す。

「やっと解ったぜ」

 ブレードを跳ね上げられた黒いヴァルム・ハーケンは腹ががら空きだ。
 俺は迷うことなく、そこへブレードを突き刺した。

「人間は迷い、恐れる。だが、その中でさえ希望を見出そうとする。だからこそ戦うんだ。感情無きパーツに
人間が負けることは決して無い!」

 ブレードを引き抜き、黒いヴァルム・ハーケンの爆発圏外へと距離を取った。
 数秒間続いた爆発。
 奴の残骸は、フィヨルド渓谷の底へと消えていった。
 だがこれで終わったわけではないはずだ。まだ、俺達が決着をつける場所がある。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
125 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 22:32:41.46 ID:8oF/ODTa
 ベルゲン。
 その地に降り立つと、そこにはあの白髪で短髪、しわの深い老人が黒いスーツの男数人と待っていた。
 老人は俺達のヴァルム・ハーケンを見上げながら言った。

「ご苦労さま。さあ、その機体をこちらに渡してもらおうか」

 俺は機体から降りずに、老人に質問した。

「最初からこうなる事が判っていたんだよな?」
「……まあな。北欧同盟軍の開発したヴァルム・ハーケンの実戦テストを兼ねたかったのでね。
ああ、それからニューロン・クロスファイアリング・システムもな。さあ、機体と……その犬を渡してもらおう」

 やはり。機体とアイリスを運ぶのが目的だったのか。

「断る、と言ったら?」
「最初、君に言ったはずだよ。断れば……我々が困るという話になる。我々、A.Iユニオン。ヘキサゴンがね」

 上空からあの黒いヴァルム・ハーケンが3機、老人の後ろに降り立った。
 ヘキサゴンが俺を利用したっていうのか。
 その時、アイリスが笑いながら老人に言った。

「あははは! まだ私達動物の恐ろしさが解っていないようね? ねえ、ゲイル」
「ああ。A.Iはもっと、恐怖を学習した方がいい」

 俺はアサルトライフルで黒いヴァルム・ハーケンを狙い撃った。
 敵はアクティブシールドを展開させるが、弾はそれを突き破って命中した。
 老人は無表情のまま言った。

「ありえん。こんなことはありえん。なぜ我々人工知能が……人間共より優れた我々が」

 俺達は何も答えず、その場から去る。
 眼下に広がるフィヨルドの空を、俺達はただ東へと向かった。


「ねえゲイル。これから軍に戻るの?」
「さあな」
「じゃあさ、その前に私と交尾しようよ! ね?」
「はあ?」
「今さ、ネットワークショップで見つけたんだけど、最新のVRで動物との臨場感のあるセックスが……」
「あーもう! お前ちょっと黙ってろよ! 犬が人間とセックスとか……」
「なによ! トレーニング中に私の性器見て欲情してたくせに!」
「だからしてないっての!」 


 終わり
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
129 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw []:2018/02/17(土) 22:46:56.58 ID:8oF/ODTa
はい。
今回はもう、お題に引っ張られた感じですね。
だいたいスカンジナビア半島なんて生まれてこのかたじっと見たことが無い!
でも、「あ、景色奇麗……」なんてネット上でしばらく観光していました。

短編勢いスレなので設定や描写はもう、読者様の想像に頼るところがあります。
本当はこういうの、一番やっちゃいけないんだけどね。
ヴァルム・ハーケンはもう、好きな人型兵器を想像してください!w
ちなみに、私が想像してたのはヴァルケンですね。名前も似てるでしょ?
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/41GuinOJmpL._SX342_.jpg

ユリオンとレイオン。
能動、受動体の光伝達物質です。昔の設定を引っ張ってきました。
これによってアイリスが喋れるようになりました。

今回は……本当に描写不足だったと思います。
とりあえず、主人公が負けそうなシーンではこれを聴いといてください。
https://www.youtube.com/watch?v=dGrVULT35wg
機動戦士ガンダムサンダーボルトっぽくなりますのでww

次こそは……恋愛ものを。描写少なめの。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
131 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw []:2018/02/17(土) 22:56:21.79 ID:8oF/ODTa
>>126
俺も海兵だから船! 退役軍人だから円満退役でジジイ!って思った。
けどそれだとのんびり釣りの話になっちゃいそうだったので。
あとフィヨルド!w どーすんだよこれ!と一瞬思ったけど、まあ
エリア88のオペレーションタイトロープ(知ってる?)をパクレばいいかなと。
空の話になるけどまあいいかと。
最新鋭機を盗む話は、超有名な『ファイヤーフォックス』から。

ちなみに、ノルウェー軍に海兵猟兵部隊という部隊は実在します。
地名も実在する地名だから、ここら辺通ったのかなーとか……お暇なら。
もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ22087
273 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 23:02:04.63 ID:8oF/ODTa
>>270
(・∀・)・・・・・うん。シコレル。

ていうか女子カーリングの五月ちゃん。
絶対人気出るでしょあれ。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
133 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 23:05:24.60 ID:8oF/ODTa
>>130
いいね!行ってみたくなる
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
135 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 23:28:24.75 ID:8oF/ODTa
渇いた言った。
渇いた声で、だな。渇いたっていうより、冷たい何かで表現した方が・・・。
ああ。。。他にも日本語になってない箇所が・・・。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
136 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 23:29:59.43 ID:8oF/ODTa
>>134
そんなことしたら書けなくなるっての!w
いや、長編ならそういうのも入れると描写が濃くなって面白くなるね。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
138 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 23:38:31.38 ID:8oF/ODTa
>>137
会話形式は極力避けたい。一応腐っても小説だしね。
まあセリフで解ってもらうのが一番だと思うけど、例えば
<〜は〜取ると、〜を背に〜を掲げて〜の様に〜と言った>とか。
こういうのも避けたい。
短編だからシンプルなのがいいなぁ。
【短編可】初心者が自作小説を発表するスレ【長編不可】
139 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 23:41:29.81 ID:8oF/ODTa
あ、fairing になってる。
fireringだよな。怖い。勢いで推敲クソくらえは怖い。
ファイリングしてどうするんだ。w
もの凄い勢いで誰かが質問に答えるスレ22087
280 :ムッシュ52型改 ◆DASH/wXFGw [sage]:2018/02/17(土) 23:49:02.88 ID:8oF/ODTa
>>276
なぜここに来たのか分らん仕舞いだったな。


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