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神も仏も名無しさん
マインドフルネスPart.40

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マインドフルネスPart.40
785 :神も仏も名無しさん[sage]:2021/03/30(火) 18:02:50.84 ID:P7hieU4R
>>773
「受容(acceptance、受け入れること)」とは、快不快に関わらずに体験をそのまま認め
ることです。受容を理解するためには、マインドフルネスを次のように解釈してみること
が役立つと思います。マインドフルネスの実践とは「苦しみからの解放」へ導くものであ
り、それは、「三毒を生まない」「二の矢を受けない」「あることモードへシフトする」
ことです。遠回りな説明になりますが、先ずそこから述べます。

仏陀は、五官に心を加えた感覚器官(六根)で捉えたものが、この世界のすべてであると
説きました。感覚器官で捉えることを感受(受)と言います。感受は「快・不快・中性
(楽受・苦受・不苦不楽受)」の三種に分かれますが、それは三毒(貪瞋痴(とんじん
ち))という煩悩が生じる始まりでもあります。快は、愛着をきっかけにして、貪り(貪
欲(とんよく))となります。不快は、嫌悪をきっかけにして、怒り(瞋恚(しんい))
となります。そのどちらでもない中性の感受は、無関心をきっかけにして、無知(愚痴
(ぐち))となります。そして、この三種を合わせた三毒(貪瞋痴)によって苦しみに至
ることになるのです。悟りとはこの三毒がない境地のことです。マインドフルネスの実践
とは、この「三毒を生まない」ことなのです。

また、仏陀は、苦痛(第一の矢)は避けることができないが、苦しみ(第二の矢)は避け
られるとしました。例えば、肉体的・精神的な痛みというのは、第一の矢になりますが、
これはどうすることもできません。しかし、それとは別に「このまま治らなかったらどう
しよう」「どうしてこんなことになったんだ」「もう我慢が出来ない」と悩み苦しむこと
は、自分で自分に第二の矢を放つようなものであり、それは心次第で避けられるものであ
り、受けなくても済むものだと説いたのです。このことは、仏陀は、第一の矢を受けるこ
とは問題にしなかったとも言えます。そして、ここでも不快(苦痛)が、嫌悪をきっかけ
にして、怒りを生んでいることが分かると思います。マインドフルネスの実践とは、この
「二の矢を受けない」ことなのです。
マインドフルネスPart.40
786 :神も仏も名無しさん[sage]:2021/03/30(火) 18:04:52.17 ID:P7hieU4R
私たちは、起きていることが不快な場合は、嫌悪が生じるため、それをそのまま受け入れ
ようとしません。あって欲しい状態へ変えようとします。そして解決方法を探そうとする
のです。カバットジンのMBSRや派生のMBCTでは、この心の状態のことを「することモード
(doing mode)」と言います。これは無意識のうちに自動的に発動するもので、現実的な
課題や問題解決に取り組む際には有効に働きます。ところが、この「することモード」は
思考や感情に対しても同様に作動するため、問題が生じることになります。思考や感情は
自分の思い通りにはないからです。否定したり、取り除こうとしたり、回避しようとして
煩悶することになります。一向に解決することがないまま、不快を再生産していくので、
言わば無限ループに陥って、苦しみ続けることになるのです。

「することモード」の反対は「あることモード(being mode)」です。これは現実に起き
ていることをありのまままに捉えて、受け入れることです。たとえ不快による嫌悪が生じ
ても、起きていることを変えようとはしません。思考や感情を否定したり、取り除こうと
したり、回避しようとしません。逆に積極的に近寄ることになるので、現実をよりはっき
りと見たり、より広い視野で捉えることができるようになります。その結果、不快な思考
の信憑性を疑う余裕が生まれたり、その先の行動の選択肢も増えることになります。より
賢明な選択が可能になるということです。ただし、この「あることモード」は自動的には
発動しないので、意識的に自分で発動させる必要があります。マインドフルネスの実践と
は、この「あることモードへシフトする」ことなのです。
マインドフルネスPart.40
787 :神も仏も名無しさん[sage]:2021/03/30(火) 18:07:18.61 ID:P7hieU4R
「受容」とは、快不快に関わらずに体験をそのまま認めることです。実はこれは「あるこ
とモード」と同じことになります。これまで述べてきたように、マインドフルネスの実践
とは、「三毒を生まない」「二の矢を受けない」「あることモードへシフトする」ことで
した。そこでは体験が不快な場合は嫌悪が苦しみを生んでいました。体験を認めずに、何
とかして変えようとしたからです。それに対して、受容はたとえ体験が不快だとしても、
そのまま認めることなので、体験を変えようとはしません。そのため、やがて嫌悪は弱ま
り、無力化していきます。結果的に、「三毒を生まない」「二の矢を受けない」「あるこ
とモードへシフトする」ことになります。「苦しみからの解放」へと導くことになるので
す。それほどこの「受容」は重要なものなのです。

以下に、マインドフルネス関連の本から「受容」について述べられたものを、参考までに
いくつか引用してみます。

「Acceptance. This is not about passive resignation, tolerating social injustice,
or wrongs that need to be righted. Acceptance means that we acknowledge what’s
happening in the present moment―not because we like it, but because it’s
already happening.
(受容。これは、受身的な諦めや、社会的な不公正、あるいは正されるべき過ちを容認す
るということではありません。受容とは、今この瞬間に起きていることを認めるという意
味です。それは起きていることが好ましいから認めるのではなく、すでに起きているから
認めるということです。)」
("Masters of Mindfulness" by Rick Hanson, Kristine Carlson, Juna Mustad, Mike
Robbins, Amishi Jha, Elissa Epel, Jessica Graham, Dacher Keltner, Wallace J.
Nichols, Daniel J. Siegel, p.17)
マインドフルネスPart.40
788 :神も仏も名無しさん[sage]:2021/03/30(火) 18:09:44.46 ID:P7hieU4R
「多くの人にとって、「受容」という言葉は最も受け入れがたい言葉です。しかしこれは、
この概念をうまく表現する言葉が他にないところから生じる誤解に問題があります。マイ
ンドフルネスで言うところの受容は、耐えがたいことをただ受身的に受け入れなさい、と
いうことではないのです。あきらめ、撤退、気弱ということでもありません。マインドフ
ルネスは孤立することではありません。何も感じないようにすることでもありません。

(中略)受容とは、真実を受け入れ、それがどのように起こっているかを深く理解するこ
とを意味します。また、物事を認め、そのままにしておき、それをはっきりと見るための、
小休止の時間とも言えます。受容は、私たちが触発的に動くことをやめ、反射的に反応す
ることを減らしてくれます。受容は、さまざまな種類のつらい感覚を認識しながら、私た
ちが困難な状況にしっかりと気づけるようにしてくれます。そして、それらに対して最も
賢明な方法で対処できるようにしてくれるのです。受容することで、対応するための時間
と空間が生まれます。(中略)つまり、マインドフルネスの受容は選択肢を与えてくれる
ものなのです。」
(『自分でできるマインドフルネス』マーク・ウィリアムズ、ダニー・ペンマン著、pp.149
-150)
マインドフルネスPart.40
789 :神も仏も名無しさん[sage]:2021/03/30(火) 18:11:02.94 ID:P7hieU4R
「多くの人が「受け入れる」という考えには強い抵抗を感じます。慢性の痛みやストレス
を抱えていれば、なおのことでしょう。そこには、どこか運命に消極的に従うような響が
あります。なぜ物事を「諦め」て、希望を捨てて生きる必要があるのか、と思われるかも
しれません。しかしマインドフルネスな受容には、そうしたことはまったく必要ありませ
ん。マインドフルネスによって深く集中した意識から生まれてくる受容のあり方は、よく
ある消極的な受容とは、似て非なるものです。マインドフルネスにおける受容とは、立ち
止まって、物事をありのままに認め、はっきりと見極めることなのです。現状をさしあた
り、ただそのまま受け入れます。人生にただ耐えるのではなく、積極的に受け入れるので
す。

また、マインドフルな受容には別の側面もあります。それは周囲の人々や世界への思いや
りを持つことです。(中略)その第一歩は自分自身を思いやれるようになることです。そ
のためには、自分の思う「失敗」「弱さ」「欠点」を理由に自己批判したり、どうしよう
もなく苦しんでいるのは自業自得なのだと自分を責めたりするのをやめる必要があります。
そして何より、あるがままの自分を、欠点やちょっとした癖や、抱えている痛みも含めて、
穏やかに認めることが望まれます。」
(『からだの痛みを和らげるマインドフルネス』ヴィディヤマラ・バーチ、ダニー・ペンマン著、
p.114)
マインドフルネスPart.40
790 :神も仏も名無しさん[sage]:2021/03/30(火) 18:12:21.79 ID:P7hieU4R
「まず、「受容」は非常にわかりにくい概念であるといえる。受容は忍従と同じだと思う
人もいるだろうが、実際はその反対である。受容とは、感情を調整もしくは変化させよう
とする前に、させておく、またはそのままでいるという、感情への積極的な反応を示して
いる。感情を気づきのなかにとどめることは、どのように反応するかを決める前に、それ
らの感情が存在しているということを確認することといえるだろう。この課題には、意識
的な遂行力とエネルギーが必要とされる。一方忍従は、受動性や無力感を暗に含んでいる
のである。

(中略)受容は非常に重要である。ネガティブな感情、身体感覚、思考を受け入れること
に抵抗すると、再発に関連する自動的・習慣的な心のパターンへ急速に逆戻りしてしまう
からである。これは、「このように考えてしまう自分は愚かだ」「これに対処できるよう
に強くならなければならない」といったような発言にみることができる。他方、望まない
経験に対し、受容すること・させておくこと・そのままでいることといった関係づけを意
図的に行なうことは、多くの場面で効果的にはたらく。まず、より意識的に注意を向ける
ことで、注意が過去の思考や気分に自動的に「ハイジャック」される傾向を弱めることが
できる。それによって、習慣的な反応の連鎖を最初の段階で切ることができるのである。

次に、経験に対する基本的立場を、「望まない」というものから「オープンである」とい
うものへ変更することができる。そして、自分の思考が正確であるかどうかを理解する機
会が与えられるのである。「これ以上続いたら私は叫び出してしまうだろう」というよう
な思考について考えてみよう。その思考をできるだけそのままにさせ、それが身体に与え
ている影響に注意しながら、その強さの瞬間ごとの変化を観察してみよう。それは、その
思考が消失することを知る機会になる。最初の恐ろしい予測は当たらなかったのであ
る。」
(『マインドフルネス認知療法』ジンデル・シーガル、マーク・ウィリアムズ、ジョン・ティーズ
デール著、pp.174-175)
マインドフルネスPart.40
791 :神も仏も名無しさん[sage]:2021/03/30(火) 18:15:12.96 ID:P7hieU4R
以上長々と述べてきましたが、それでは、どうしたら「受容」できるようになるのでしょ
うか。その答えは、カバットジンの有名なマインドフルネスの定義の中にもあります。最
後にその文を引用して終わります。長文失礼しました。

「Mindfulness means paying attention in a particular way: on purpose, in the
present moment, and nonjudgmentally. This kind of attention nurtures greater
awareness, clarity, and acceptance of presentmoment reality.」
("Wherever You Go, There You Are" by Jon Kabat-Zinn, pp.15-16)

「マインドフルネスとは、独特の方法で注意を払うことです。意図的に、その瞬間に、
判断をせずに。このように注意を払うことにより、今のこの瞬間に存在する現実に対し、
より大きな気づき、明晰さ、受容が育まれます。」
(『マインドフルネスを始めたいあなたへ』ジョン・カバットジン著、p.4)
マインドフルネスPart.40
792 :神も仏も名無しさん[sage]:2021/03/30(火) 19:13:28.63 ID:P7hieU4R
>>775
『マインドフルネスストレス低減法』も良いですが、一から実践するのであれば、私は
『マインドフルネス認知療法ワークブック(ジョン・ティーズデール、マーク・ウィリアムズ、
ジンデル・シーガル著)』をお勧めします。MBCTの8週間のカリキュラムを、ドリル形式で、
日々実践していく構成になっています。その都度、実際の参加者の意見や疑問に対する
答えが盛り込まれているので、この種の本にありがちな、抽象的で曖昧なところがなくて
理解しやすいです。マインドフルネスの独習書として非常に優れていると思います。


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