- みなさんこんにちは イエス・キリストです ❤7
439 :キリスト[]:2019/08/20(火) 16:39:50.59 ID:DYG9ZQ2c - 元禄15年12月14日(1703年1月30日)、47人の浪士達は午前4時頃に集合場所を出発した
雪は積もって降りやんでいたようだ 寝静まる吉良邸の表門と裏門の二手に分かれて侵入し、その際、陣太鼓を鳴らして討ち入りを知らせたとも言われる (玄関前に口上書の箱を置いたのは、確か) このように討ち入り(戦争)を宣言すると、藩同士の戦いで、他藩は手出しできないと言われる 浪士達は手早く吉良邸の敷地にある長屋の出入り口を外から釘付けにし、長屋内にいる吉良家の家臣達数十人が出て来られないようにした その上で、邸内の残りの家臣ら(40人足らず)と戦った 47士達は胸に鎖帷子を着込み、防備をしていたし、吉良家の家臣達は寝ていて丸腰だったので、刀を取る前にやられた者達も、いた こうして2時間程の戦いで、吉良側の死者は15名、負傷者は23名、赤穂浪士側の負傷者は2名だった が、肝心の吉良上野介が見当たらない
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440 :キリスト[]:2019/08/20(火) 17:12:30.58 ID:DYG9ZQ2c - 寝所の布団が暖かかったので、まだ近辺にいると思われた
探しに探した所、台所の裏の物置(炭小屋か、)の中に3人がひそんでおり、中から2人の侍が飛び出して切りかかり、浪士が討ち取った 中にまだもう1人いたので槍で突くと、その人物は小脇差しで抵抗しようとし、もう1人の浪士がその首をすぐさま切り落とした 直後にこれが吉良上野介ではないかということになり、浪士全員が呼び集められ、 死体の背中などに浅野内匠頭が斬りつけたとされる刀傷があったため、当人と確認された ここに、大石はじめとする赤穂浪士の面々は、苦難の末に念願を果たして、感無量だったのである…
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441 :キリスト[]:2019/08/20(火) 17:20:18.56 ID:DYG9ZQ2c - …と言いたい所なのだが、そうは行かない
大石内蔵助は、本懐を遂げたはずなのに、どこか暗闇にいる気がした 目の前に倒れる白い着物姿の吉良の遺体、そして離れて置かれた首を見るにつけ、疑問がわき上がった 嬉しいはずなのに、どこか浮かない 他の浪士達は、喜びをかみしめている どこか不手際でもあったのか?! しかし、吉良方の足軽に確認させた時点では、お館様に間違いございませぬ、との事だった 何もあろうはずがないーー、 てきぱきと指示を出す大石は、極力疑問について考えないようにしながら、事前の手はず通りに浪士達を従えて行った
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442 :キリスト[]:2019/08/20(火) 17:37:23.33 ID:DYG9ZQ2c - 死ぬ前の吉良上野介に、話を戻そう
彼は前日の茶会の接待の疲れで寝ていた もう、寄る年波で若くはない 赤穂浪士のことは常に気がかりだったが、無理に考えないようにしていた 謀反の罪を覚悟で、彼らは来るかもしれない それに、自分は幕府には邪魔者だ 誰も助けてくれないかもしれない それでもーー、家督を譲る養子や上杉家に養子に出した実子のため、自分は頑張らねばならない 名家の先祖に恥じないよう、生きねばならない そんなことを日々考えながら、過ごしていた 風雅な茶会の趣のあるやり取りに、しばし世を忘れ、興に浸った そんな夜ーー、 怒号で目が覚めた 「何事ぞ!」 飛び起きると同時に部屋のふすまがあいて、隣から家臣が飛び込んで来て、膝まずいた 「殿様! 曲者でござる 赤穂浪士に、間違いございませぬ!」 「何を!」 暗然とした ついに来たか……、
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443 :キリスト[]:2019/08/20(火) 17:48:50.64 ID:DYG9ZQ2c - 「ささ、こちらへ、」
廊下への障子の隙間からあたりをうかがっていた家臣は、すぐに来たもう一人と共に、上野介をいざない、安全な方へと連れて行った …が、見つかるのも時間の問題だろう 上野介は、覚悟を決めた 自分は、死ぬまでお上に逆らうことはできない もし、何か真相をしゃべるような事があったら、赤穂のようにお家断絶、上杉に養子に出した息子一族さえ、罪に連座する 無い無い、絶対に無い、 自分がしゃべることは絶対に無い そして、好都合、こうしてむしろ赤穂藩士達がわしの首を取ってくれるなら、もう、間違っても告白する心配をしなくてよい、むしろわしは幸運じゃーー、 浅野殿、お主は一瞬の苦しみであったが、わしには長い年月であったぞよーー、 こう自戒すると、上野介は家臣の後に従った
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444 :キリスト[]:2019/08/20(火) 18:03:56.52 ID:DYG9ZQ2c - 物置小屋にそっと入ると、3人は息をひそめて外をうかがった
薄着なのでものすごく冷える たちまち、上野介の足は冷え上がった 2人の侍は決死の覚悟でいつでも刀を抜けるようにし、戸口手前に控えている 次第に誰かの雪を踏みしめる音がしてきた……、複数だ 上野介は息を飲んだ 足音が戸口の前で止まった 見つかったか?! 南無三! 戸口がばしんと外から開くと共に、2人の家臣は続けて飛び出し、外で斬り合いになった が、負けたのか、うめいてほとんど同時に倒れる音がした 上野介は小脇差しをかまえ、歯をかみしめて前に出ようとして瞬時に外から槍が腹に突き刺さった 「う〜〜ん、」 しかし、意識が遠くなりながら、最後の意地を込めて、小脇差しを振ろうとして、首をはねられた …その後の、意識はない (当たり前だが)
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445 :キリスト[]:2019/08/20(火) 18:15:44.75 ID:DYG9ZQ2c - …とまあ、こんな事でござろうよ、あらら、上野介の死の場面が444になってしもうた、つくづく縁起が悪いでござるなあ、
ところで、全く良心のとがめのない吉良上野介、(私の説だが、)この後どうなったか …気がつくと、彼は空に浮いていた 衣は着ていたが、(幽体で)高く下を見下ろしている 下では、赤穂浪士達が雪の上の彼の死体を取り囲んで眺め下ろしていた 「あっぱれよのう、」 と吉良上野介は、ふと思った 自分の死体を見て腹が立たないばかりか、むしろ安堵があった ーーこれで冥土へ行けるーー、その安心感の方が大きかった それを知らずに大石内蔵助は疑問にさいなまれながら、指示を出し、上野介の首を槍に突き刺せて高く掲げさせ、皆で主君浅野内匠頭の葬られている泉岳寺へと向かった
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