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名無しさん@お腹いっぱい。
※微鬱注意
【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は???の嫁Part4
【ダンガンロンパ】舞園さやかは真ヒロイン ステージ2【アイドル】

書き込みレス一覧

【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は???の嫁Part4
615 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/06/15(水) 02:13:24.58 ID:k4RnMkEi
>>614GJ!さわやかな気持ちになった…

【ダンガンロンパ】舞園さやかは真ヒロイン ステージ2【アイドル】
113 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/06/15(水) 15:53:40.78 ID:k4RnMkEi
いちゃらぶじゃないんだけどさ、
本編卒業時の苗舞SSって、ここに投下しても大丈夫…?
舞園さん亡くなってるから、若干鬱入るんだけど…
【ダンガンロンパ】舞園さやかは真ヒロイン ステージ2【アイドル】
116 :※微鬱注意[sage]:2011/06/15(水) 22:51:11.36 ID:k4RnMkEi
>>114>>115ありがとうございます
まだ判断はつきかねますが、一応投下させてもらいます;

泣けるコピペの改変(改悪)だったり、既存の楽曲がでてきます
また、舞園さんの亡くなった後の物語です
苦手な人は、何卒スルーorNGなど対処をお願いいたします
【ダンガンロンパ】舞園さやかは真ヒロイン ステージ2【アイドル】
117 :※微鬱注意[sage]:2011/06/15(水) 23:00:52.94 ID:k4RnMkEi
ダンガンロンパ トゥルーエンド サイドB



 関係を迫らないと、「苗木君は鈍感です」と言われた。
 関係を迫ると、「私の方から言いたかったのに…」と言われた。

 たびたび部屋を訪れると、「もう、何度も来すぎです…///」と言われた。
 あまり部屋を訪れないと、「もう来てくれないんですか…?」と言われた。

 流行りのカッコいい服を着ると、「カッコよくて、素敵です」と言われた。
 流行りのカッコいい服を着ないと、「いつも通りの方が、落ち着きます」と言われた。

 話を聞きながら発言すると、「相槌打ってくれるから、話しやすいんです」と言われた。
 話を黙って聞いていると、「黙って聞いてくれるんですね」と言われた。


 それは。
 失われたはずの記憶、なんだろうか。

―――――

「お、お墓を作る、ですって…?」
「…ふん、いいんじゃないか」
「遺影は…あの写真で、いいべ。みんな笑ってんだし」

 この学園を後にする前に、と提案した僕に、みんなは賛同してくれた。

「…いいでしょ、霧切さん」
「…反対はしないわ。やり残したことがないように、という点には共感するから」

 墓と言っても、立派なものじゃない。
 例の、遺体が保管されている生物室。
 そこに、植物園で摘んだ花と、遺影を飾るだけだ。

 いずれこの学園も、終わる。

 電力供給が無くなれば、少しずつ、彼らの体は時間に溶けて腐っていく。
 建物が倒壊すれば、こんな寂しいちっぽけな墓なんて、跡形もなく崩れ去ってしまうだろう。


 それでも。

「僕達は、クラスメイトだったんだ。記憶が無くたって、それは変わらない」

 お別れを済ませなければ、後ろ髪を引かれてしまう。
 前に進めなくなってしまう。

「ちゃんと、弔ってあげたいんだ」

 そんな僕の言葉を、思う所あってか、みんな聞き入ってくれた。
【ダンガンロンパ】舞園さやかは真ヒロイン ステージ2【アイドル】
118 :※微鬱注意[sage]:2011/06/15(水) 23:02:22.10 ID:k4RnMkEi
>>117続き
―――――

 待ち合わせに遅れる度に、「大丈夫です、私も今来たところだし」と言われた。
 けれども自分が遅れると、「私から誘ったのに、ごめんなさい…」と言われた。

 やきもちを焼くと、「ふふっ…苗木君、かわいいです」と言われた。
 やきもちを焼かないと、「ちょっとくらい、妬いてくれたって…」と言われた。

 そうだねと賛成すると、「やっぱり、苗木君もそう思いますよね?」と言われた。
 それは違うよと反対すると、「苗木君がそう言うなら…」と言われた。


 愛しているよと言うと、「私の方が愛してます」と言われた。
 大好きだよと言うと、「私だって…大好きです」と言われた。




 その幻は果たして、真実だったのか。

 学園を出ると決めた数日前に、うなされるようにして見た、酷く現実味のある夢。
 夢の中の僕達はとても楽しそうなのに、それを見ている間の僕は、酷く苦しかった。
 まるでいつか、記憶を思い出しかけた、あの夜のように。

―――――

 その翌日。
 一つの決心とともに、僕達はそれを行動に移した。

 パソコンで引き延ばした一人一人の顔写真を、遺体の保存されているその扉に貼り付けていく。

 いつものお調子者がウソみたいに、葉隠君は辛そうな顔をしていた。
 大神さんの遺影を貼る時、朝日奈さんの肩は震えていた。
 霧切さんは顔色を変えなかったけれど、お父さんの遺骨を大事そうに抱えていた。


 そして、僕も。


「…苗木君」

 後ろから、声をかけられる。

「…辛いなら、私がやるわよ」

 そっけない台詞と裏腹に、彼女の声は慈愛に満ちていた。


 けれど、これだけは。

「…ううん、大丈夫。ありがと、霧切さん」

 他の人には譲れない。
【ダンガンロンパ】舞園さやかは真ヒロイン ステージ2【アイドル】
119 :※微鬱注意[sage]:2011/06/15(水) 23:03:32.05 ID:k4RnMkEi
>>118続き

 僕達は、たぶん恋人だった。
 記憶が無くなっても、それは変わらない。

 だって、体が、心が、覚えている。

 そうじゃないと、これほどまで悲しいのはおかしい。
 そうじゃないと、勝手に涙が出てくるのはおかしいんだから。


「苗木っち…」
「…みんな、行くわよ」
「で、でも、霧切ちゃん…」

「…一人に、させてあげて。こんな時くらいは、せめて」

 霧切さんがみんなを部屋から出して、辛そうな顔で僕に歩み寄る。

「お別れを、言ってあげなさい。特別に大切な人だったんでしょう」
「…ありがと、霧切さん」
「…別に。あなたがしてくれたことを、返すだけよ」

 ロビーで待っている、三十分経っても来なければ呼びに来る。
 そう告げて、自身も部屋から出て行った。
 その後ろ姿に、心の中でお礼を言って、

 僕は舞園さんがいるであろう、一つのその安置箱の扉に、肩を持たせかけた。


 目を、つぶれば。
 僕の知らない、舞園さんとの記憶がよみがえる。


 同じ高校に入学して、同じクラスになって。
 勉強会と称して集まったり、二人で買い物に出かけたり。

 大事な時期にマネージャーさんが急病で、代役を買って出た、なんて一大イベントだってあった気がする。
 風邪を引いたら看病してくれたし、その逆もあった…んだと思う。

 好きだ、と告げたのはどっちからだっけ。
 最初のキスは…上手くいかなかったような。

 おぼろげで不鮮明な記憶ばかりだけど。
 まだ、ちゃんと思い出せていないけれど。


 その直感に良く似た記憶は、

『エスパーですから』

 きっと本物なんだろうな、と、僕は信じた。
【ダンガンロンパ】舞園さやかは真ヒロイン ステージ2【アイドル】
120 :※微鬱注意[sage]:2011/06/15(水) 23:04:30.31 ID:k4RnMkEi
>>119続き

「…このまま、ここに残っちゃおうかな」

 舞園さんのいるその扉に、頭をつけてひとりごちる。

「そうすれば、ずっと一緒だよね」

「ダメですよ、苗木君」

「どうして?」

「苗木君は、私の分も生きてください」

「…無理だよ。誰かの分も生きるなんて、現実には出来っこない」

「…そんなこと言うの、苗木君らしくないですよ」

「一緒に生きるのが無理なら。一緒に…」

「無理じゃないですよ」

「一緒に、」

「――苗木君なら、出来ます。だって、私が好きになった人なんですから」




 ぼたぼたぼた、と、水音が地面を叩く。

 涙を拭うことはしなかった。
 その行為すら、余計なものに思えた。


「…ふっ、ひぐっ……!」


 肺の奥が痙攣するように震えて、

 僕は、


「うっ…うぁ、あぁああ」


 子供みたいに、みっともなく泣きだした。




 僕は泣いているのに、

 記憶の中の君は笑っている。


【ダンガンロンパ】舞園さやかは真ヒロイン ステージ2【アイドル】
121 :※微鬱注意[sage]:2011/06/15(水) 23:05:31.42 ID:k4RnMkEi
>>120続き




「…行かなきゃ」

 泣きやんで時計を見れば、三十分なんてとっくに過ぎていた。
 誰も呼びに来なかったのは、単にめんどくさかったから…なんてことは、ないだろう。

 押しつけていた頭を離して、僕は立ち上がる。

「――もう行くね、舞園さん」
「――行ってください、苗木君」

 振り返らないで、悔やまないで。
 怖がらないで、どうか元気で。

 たしか、きっと、彼女の好きだった唄。
 それを口ずさみ、僕はゆっくりと歩き出す。

 僕は歌う、歩きながら。
 いつまで君に、届くかなぁ。

 涙と引き換えに。
 記憶と引き換えに。



「「――ありがとう」」



「…、苗木君」
「もういいのか?」

 みんなは、ホールに集まっていた。
 各々が、最小限の荷物だけ持っている。

「大丈夫、苗木君…?」
「…大丈夫、じゃないけど。でも」


 一緒に生きていくことが出来ないなら。
 一緒に死ぬことも出来ないなら。

 僕は前だけ見て、思い出をまるごと引きずっていく。

 それが彼女の言う、『誰かの分も生きる』ということになるんだろう。


「もう、振り向かないって…決めたから」
「…そう」

 人よりちょっとだけ前向きな、それだけが取り柄の僕を。
 そんな僕を好きと言ってくれたのも、紛れもない彼女の声だったから。


「――さあ、行こう」
【ダンガンロンパ】舞園さやかは真ヒロイン ステージ2【アイドル】
122 :※微鬱注意[sage]:2011/06/15(水) 23:09:26.59 ID:k4RnMkEi
以上です、数レスお借りしました。

最初は冒頭に使われているコピペネタでなんか書こうとしてて、こうなっちゃいました
舞園さん全然出てないし、暗いし、ほとんどいちゃいちゃしてないし、と
ダメダメづくしですが、どうしても投下したかったので…スミマセン

(霧→)苗→(←)舞なお話だと思います…たぶん
読んでくれた人がいたら、ありがとうございました。

>>115の膀胱が心配です…


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