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名無しさん@お腹いっぱい。
【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3

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【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3
139 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/03/01(火) 00:59:37.57 ID:Zs9Zw3By
ノーパンに一票
【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3
153 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/03/01(火) 18:05:18.02 ID:Zs9Zw3By
この流れなら載せられる 自分でもちょっとやりすぎかと思ってる、にゃえぎりSSを…!




 お腹のあたりに息苦しさを感じて目を覚ますと、案の定「彼女」が、すやすやと布団の上で丸まっていた。
 どこから生えてきたのか分からない、耳と尻尾。
 山田君当たりなら、この状況には歓喜に打ち震えるのかもしれないけれど…

「…ん…」
 目をこすりながら、彼女が目覚めた。
 どうも寝起きはあまり良い方ではないようで、うっすらと機嫌悪そうに開いた眼で、僕と、それから辺りを見回す。
「お、おはよう…霧切さん…」
 瞼をこすりながら、跨った僕に目をやる彼女に、朝の挨拶。
「苗木君…?…なんで…  …っ!?」
 それまでの緩慢な動きから、ハッとしたように飛び起きると、霧切さんはいそいそとベッドから降りた。

「ごめんなさい…私、また…重かったでしょう…?」
「ううん、いいよ。それに、そんなに重くなかったし」
 彼女へのフォローを忘れずに、僕もベッドから降りて、洗面台に顔を洗いに向かう。
 彼女が猫としての本能に目覚め、飼い主――おそらく、そう判断されているであろう僕のことだが――に懐き、
 ちょっかいをかけてくるのは、別に何もこれが初めてじゃなかった。

 慣れたとは言わない。
 今朝だって理性をフル動員して、寝起きの霧切さんの白い綺麗な肌に見とれて、その柔らかな匂い――
 違う違う。
 とにかく、我慢の日々なのだ。



 確か昔、現代文の授業で習った小説で、虎になってしまう男の話があった。ええと、なんて題名だったっけか…
 姿は虎のままで、精神は人間と虎の間をさまよう、そんな話。
 今の霧切さんがおかれている状況は、それに限りなく近い。
 彼女は、猫になってしまったのだ。

 この話の展開と違う点は、まず虎ではなく猫であること。同じネコ科とはいえ、この差は大きい。主に僕への安全面の方で。
 次に、身体は完全な猫ではなく、耳や尻尾、爪などの、一部しか猫化していないこと。
 そして、

「そのうちネズミや虫を取ってくるようになるかもしれないわね」
 当の本人である霧切さんが、全く問題視していないということだ。

「うええ、止めてよ…僕、そういうの苦手なんだから」
「男の子でしょ?しっかりしなさい」
「霧切さんは女の子なのに、平気なの?」
「ええ。いちいち怯んでいては、探偵業は務まらないから」
【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3
154 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/03/01(火) 18:06:31.73 ID:Zs9Zw3By
続き


 耳と、尻尾をくゆらせているという所に目をつぶれば、会話の内容も、仕種も、それまでの霧切さんと全く同じ。
 今の霧切さんは、強いて言えば『人間モード』だ。
「それにしても苗木君には、迷惑をかけるわね……あつっ!」
 ただ猫としての特徴は残っているらしく、
「あ、またホラ…冷まさないでコーヒー飲もうとするから…」
 例えばこれは、俗に言う『猫舌』だろう。
「っ、つぅ…迂闊だったわ……ええと、何の話だったかしら…そう、あなたには本当に頭が上がらないわ」
「…気にしないでよ」

 気にしないでよ、とはいうが、正直限界に近い。
 『人間モード』の霧切さんは比較的理性を保っている。それは別にいい。
 一緒の部屋で暮らしている分にも、僕の方が理性を失わなければ、問題はないのだ。
 『人間モード』なら。

「この耳や尻尾が無くなったら、一度お礼に……っ!!…ぅ、に、ぁ」

 言葉の途中で、霧切さんが大げさなほどに身体を縮まらせる。
 きた。
 何度目かの「それ」を、僕はただ目を細めて見ていた。

 霧切さんの瞳孔が、すっと細くなる。

 フルフルと体を少し震わせ、思いっきり伸びをしたかと思うと、

 それから蕩けた目つきになって、僕に枝垂れかかる。
 自分の頭を頭突き気味に僕の頬に擦りつけ、するりと体を僕の膝の上に置く。
 先ほどまでとは明らかに違う立ち居振る舞い。

 さあ今日も始まった、ここからが本当の理性との戦い。
「にゃあ」
 これが、『猫モード』の霧切さんだ。
「はぁ…」

 『猫モード』の霧切さんは、僕を飼い主だと認識しているのか、とにかく懐く。
「にゃう」

「あぁっ、ほら、コーヒーこぼしちゃダメだって…」
 僕が注意するのをわかっているのかいないのか、彼女は普段は絶対に見せないような満面の笑みで、
 僕の腕に尻尾を巻き付け、じゃれるのだった。
【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3
155 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/03/01(火) 18:09:07.22 ID:Zs9Zw3By
続き


 『猫モード』の霧切さんは、簡単に言えば、感覚や記憶、個人の趣味趣向はそのまま残され、
 理性だけを吹き飛ばし、猫としての本能や仕種を忠実に再現している、といったところ。
 だから猫なのにコーヒーが好きだし、油ものは依然として嫌がる。

 『人間モード』と『猫モード』は唐突に入れ替わる。

 記憶もリンクしているから、『猫モード』で何をしているか、霧切さんは覚えているし、
 だからこそ『猫モード』の霧切さんは、僕が誰かも認識している。

 それなら、僕を苗木誠と認識して、その上で飼い主としてみなし、懐いているということは…
 という論拠を、依然『人間モード』の彼女の前で展開しようとしたのだが、顔を真っ赤にしながらすごい目つきで睨まれたので、
 この件に関しては僕も深く考えないようにしたい。


 なんて、必死に僕自身の理性を総動員して、現状を整理していると、
 さっそくその理性をぶち壊すイベントがやってきた。
「…はぷ…」
「うっ、えぇえええ!?き、霧切さん!?」

 彼女は僕の手を取ると、その指を自分の口に入れて、舐めまわしはじめたのだ。
「なぅ…んぷ」
 確か子猫なんかは、授乳の所作を思い出し、なついた相手の指などを舐めまわして親愛の情を示す、というのはよく聞く話だ。
 そう、猫としては、これは何の不思議もない、至って普通の行動。
 猫としては。


「ぅあ、っ…霧切さ、やばいって…」
 霧切さんの口の中はとても温かく、唾液でぬるぬるとしていて、至福の気持ちよさがある。
 ざらざらとした舌が変幻自在に動き、恍惚の表情で彼女は僕を見上げる。
 元に戻った時の彼女の羞恥を想像して、僕は自分の中の男子高校生の本能に負けないよう、必死で理性に釘をさす。
 けれど、
「ほら、ね、離して…」
 ぐい、と手を引っ張ると、
「にぅうー」
 なんとも恨みがましいジト目で、彼女は僕を見るのだった。

 ああ、無理無理。手なんか抜けっこない。だってかわいいもん。
 手を出してしまえば、人間として終わり。でも、手を引くことは、僕にはできない。

 僕はそのまま小一時間、彼女の満足がいくまでひたすら、自分の右手を生贄にし続けた。
 とにかく霧切さんの方を見ないように。
 今彼女が僕の指を舐めている所なんか見たら、朴念仁と名高い僕でも、何をしてしまうかわからない。


「にゃ…んむ……、…、……」
 しばらくして舌の動きが止んだ。
 ああ、ようやく解放されるのか、と、安心しつつも少し残念に思う。
 霧切さんの顔を見る。もう、『人間モード』だ。
 さすがに今回は、唐突過ぎて状況を整理できないのか、彼女は僕の指をくわえたまま呆然としている。
「あの、霧切さん…もう、手、離してもらっても…」
 一瞬で彼女の顔が真っ赤に染まり、それから見るみると真っ青になっていった。
【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3
156 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/03/01(火) 18:11:50.99 ID:Zs9Zw3By
続き


「ごめんなさい…本当に…」
「い、いいって…」

 珍しくしおらしい霧切さんが見れたので、それだけでも幸運だ、と、僕は自分を納得させた。
「苗木君…いつも言っているけれど、嫌だとか、気持ち悪いと思ったら、本当に遠慮なく、私をはねのけていいのよ?」
 彼女が申し訳なさそうにそう言うのに、僕は苦笑いで返すしかなかった。

 正直、嫌という気持ちは全然ない。
 むしろ僕自身、どこか楽しんでいる節だってある。
 それに、『猫モード』の霧切さんの行為は、あくまで本人の意向に基づいて行われている。
 そのことだって、全然悪い気はしなかった。

「あなたは馬鹿みたいにお人好しだから、私の…その、ああいう行為を拒むことに、
 もしかしたら罪悪感を感じているのかもしれないけれど、それは筋違いなのよ」

 むしろ拒まずに受けてしまっていることに、罪悪感を感じてはいるのだけれど。
 それを言ってしまうと後が怖いので、とりあえずここは黙っておこう。


「いつになったら、治るのかしらね」
 不意に霧切さんが、そんなことを呟いた。
「もしかしてこのまま一生、苗木君に迷惑をかけ続けなければならないのかしら…」
「まあ、僕はそれでもいいけどね」
「…苗木君、あなた自分でも意図していないのだろうけれど、時々ものすごく恥ずかしいことを口にしているのよ」

 霧切さんがそっぽを向いてしまったので、その表情は見られなかったけれど、
 耳まで赤く染まっていることからみて、もしかして僕は今変な事を言ったのだろうか?
 いや、きっと霧切さんの気のせいだ。

「でも、猫である時間も、周期も少しずつ短くなってきたし…近いうちには治るんじゃないかな?」
 少し残念ではあるけれど、やっぱり治るに越したことはない。
「そう…だと、いいわね、お互いに」
「最初の頃は酷かったもんね」
「…出来れば早々に忘れてほしいわ」
「ホントに一日中ずtt」
「忘れて、お願い…」

 頬を染めながら頭を振る霧切さんに見とれて、僕は頬を緩ませた。
 普段は僕の方が彼女に翻弄されているんだから、今くらい彼女をからかったってバチは当たらないはずなんだ。


 バチは当たらない、はずだったんだ。
【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part3
157 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/03/01(火) 18:12:11.09 ID:Zs9Zw3By
またあとで多分来るぜ…正直ごめん


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