- [希望ヶ峰]ダンガンロンパキャラ萌え総合[4日目]
373 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/14(月) 00:04:36 ID:M3MFb8zj - >>372続き
「まさか、捨ててしまってはいないだろう」 石丸が、私を教室に引き入れた時のような、厳しい口調で語り出した。 一瞬、石丸の髪が白く脱色してしまったような、そんな幻覚が見えた。 渡すべきかどうか迷っていると、彼は私の右手からチョコをひったくり、 「もがっ!!」 封を開けて、ぼりぼりとチョコを貪りはじめた。 「げほッ!」 すぐにえづいた。 「な、何してるんだお前!馬鹿か!」 私は急いで、彼からチョコを奪い返した。 「そのチョコの酷さは、もう私だって認めているから!今更無理して…」 「無理なんかじゃないっ!!」 再び彼が、私からチョコを奪い取る。 「んん!美味いっ!!…ごほっ!!…カカオの、風味が…んぐっ…」 なんだ、とうとう頭がおかしくなったか。 真面目な奴ほどキレると怖い、とはよく聞くが、まさかこういうベクトルでの怖さだとは… 石丸は時々むせながらも、驚くべきスピードでチョコを口の中に放り込み、 一分としないうちに、柄にもないピンクの包みの中から、私の殺人チョコは姿を消した。 「よくもあのチョコをあんな…勇者か…」 「…戦刃君」 顔も真っ青のまま、私の言葉をさえぎって、石丸は切り出した。 「…僕は、戦争を知らない」
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374 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/14(月) 00:05:33 ID:M3MFb8zj - >>373続き
「命を奪うことの怖さも、命を失うことの怖さも、引き金の重さも…君自身の傷の重さも、何も知らない」 「…うん」 「だから…君から語られたエピソードで、何が正しくて、何が間違ったのか…僕には判断ができない。 君を襲おうとした男たちを、その…確かに最低な行為だが…暴漢、の一言で片づけてしまっていいのか。 君が自分を守るために、自分の「女」の部分を傷つけたのは、本当に最良の選択だったのか。 僕には、君の過去を背負っていける器は…残念ながら、ない」 わかっている。 私が石丸に、そこまでの期待をするのは、いささか自分勝手が過ぎる。 別に自分の傷の理由や、女を捨てたことを、正当化したいわけじゃない。 「でも」 「…」 「過去が、なんだというんだっ!!」 「…は?」 石丸は、まるで政治家が講演をするのかといった具合で、大きく胸を張り、主張する。 「過去に縛られてはどうしようもない!問題は、君が今、どうありたいかじゃないのか!? 超高校級の軍人でも、普通の女子高生でも、好きな方を君が選びとればいいじゃないか! 女を捨てた?それがどうした!捨てたなら、もう一度拾えばいい!」 私は石丸の言葉に、それはもう本当に、 どっと疲れた。
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375 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/14(月) 00:08:09 ID:M3MFb8zj - >>374続き
さっきまでの解放感は何だったのか。 私の話の、何を聞いていたんだ、こいつは。私にとっては、そういう簡単な問題じゃないんだ。 というか、 「――だから、何を以て女性とするかなんて、それこそ千差万別であるわけで、 確かに女性の象徴である胸を傷つけることは、女性を捨てるというスタンスの体現ではあるが――」 長い。話が。繰り返される超正論。これじゃ、苗木の方がマシだ。 けれど、そんな長ったらしい彼の説教も、自分のためにしてくれているのか、と思って、どこか嬉しくなってしまうあたり、 私はもう、取り返しのつかないところまで来てしまっているのだろう。 「落ち付け、石丸」 「そもそも――ん?」 蕩けた頭に喝を入れて、私は石丸を現実世界に呼び戻した。 「私は、お前の説教が聞きたいわけじゃない。私が、自分で「女」を捨てたと決めたんだ。 お前の言うとおり、取り戻せないものじゃないけど…その如何については、お前の指図を受ける気はない」 「…そう、か」 残念そうな口ぶりで、石丸が応える。 「そ、それでもだな…」 「まだ、何かあるのか」 「…君の」 「うん?」 「君の過去を背負う器も、君の過去を語る権利も、僕にはないと…わかっている。 ただ、その… き、君の現在と未来とを…ぼ、ぼく、僕が、共に歩んで行くわけには、いかないだろう、か…」 上ずった声に、思わず吹き出しそうになって、 『君の現在と未来とを 僕が共に歩んで行くわけにはいかないだろうか』 言葉の意味を理解し、私は唖然とした。
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376 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/14(月) 00:12:30 ID:M3MFb8zj - >>375続き
「へ、変な意味じゃないぞ!君が女を捨てている、それを前提に話しているんだ。友人、恋人、同級生…呼び方はなんでもいい。 君の過去を知る、その数少ない相棒の一人として…君を支えていきたいんだ」 「あ、相棒って…お前、何を…」 展開が、急すぎる。頭が付いて行かない。 この馬鹿は、何を言っているんだ。 「君がチョコをくれた時…僕は、その、本当に嬉しかったんだ。女性である戦刃君から貰えた、と思っていたのもあるが… 君が僕を、チョコを渡すに値する相手だと、認めてくれていたのだと思うと…嬉しかった。だから、 君の過去も、女を捨てたことも、僕には指図できないけれど…それでも、君のためにできることは、あると思う」 「ちょっ、待っ…」 女は捨てたって、言っただろう。 なんで、こんな他愛もない発言で、これほどまで嬉しくなってしまっているんだ、私は。 中途半端な決意。だから、「残姉ちゃん」なんて呼ばれるんだ。 「断言しよう…正直に言えば、女性としての君に惹かれていたという事実もある」 「あ、な、な…」 「けれど、今はまだ、それは抜きにして考えてほしい!どんな形でもかまわない! ともに歩むパートナーとして、背中を預ける相棒として、僕をそばに置かせてはくれないか!」 石丸の顔は赤いままだったが、おそらく私も、彼を笑えないくらいに顔を赤くしていることだろう。 「僕では役不足か?君のそばに…」 「わ、私なんかで…」 妥協するな。 その一言が言いだせない。 認める。認めてやろうじゃないか、チクショウ。 私はこの大馬鹿が、大好きだ。 異性として、「女」として、大好きだ。 「女」を捨てたなんてのは、自分に言い聞かせるための言い訳でしかなく、結局私も、所詮は「普通」の女子高生だったわけだ。 そして、だからこそ、言いだせない。 石丸の幸せを願うなら、もっといい女を見つけるべきだと、そう言えばいいはずなのに。 彼が側にいたいと言ってくれている。その事実を拒む度胸は、私は持ち合わせていない。 「いいんだな、私なんかで…あとになって後悔しても知らない…」 忠告は、したからな。 「そ、それでは…」 「私も。石丸に、側にいてほしい」
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377 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/14(月) 00:26:17 ID:M3MFb8zj -
〜〜後日談 戦「ほ、ホントに私でいいのか…そ、その、パートナーとやらは…」 石「何を今更。あの時、互いに誓ったではないか」 戦「いや、あれは正直勢いもあったっていうか…私は知っての通り残念な女だし」 石「何を言うんだ戦刃君!君は魅力的な女性だ!僕は女性としての君に惹かれていると、言っただろう!」 戦「わわっ、馬鹿!は、恥ずかしいことを大声で叫ぶな!」 石「それにだな…」 戦「な、何…」 石「君の、あの、肌だが…君は、自分の肌が傷だらけだと言ったが…」 戦「!?」 石「植物園で見た素肌は、その…引き締まっていて、綺麗だったと思う」 戦「〜〜〜っ!!!」 石「い、戦刃君?」 戦「恥ずかしいことを、言うな!!石丸…お前やっぱり変態だ!」 石「なっ…ぼ、僕は変態でも暴漢でもない!戦刃君こそ、男の前で脱ぎ出す痴女じゃないか!」 戦「ち…! 日本男児が女に向かって、そんなこと言っていいのか!」 石「女は捨てたと、言っていたではないか!」 朝「(・∀・)ニヤニヤ」 〜〜後日談・2 「んで、今日もデートに行くわけ?」 パジャマ姿の盾子が、寝ぼけ眼をこすりながら、玄関まで私を見送りに来る。 「デートじゃない。一緒に筋トレをしてくるだけだ」 「カップルで筋トレとか、聞いたことないし…よくもまあ、飽きずに続いてるね」 「カップルでもない!…そういうんじゃ、ないから」 女ではない、と、私は日和って言い訳して逃げた。 でも石丸は、それなら男女の交際じゃなくてもいい、そう言ってくれた。 「ま、いいや。いってらっさい」 「うん、行ってきます」 正直、そういう関係になりたい気持ちはある。 日々募る、石丸への愛しさは、もうそろそろ限界に達しそうでもある。 いつまで私は、自分の中の「女」をごまかしきれるだろうか。 でも、あいつは、カップルじゃなくてもいい、そう言ってくれた。 だから、この関係を甘んじて受けていようと思う。それが、あいつの誠意に応じることにもなるだろう。 今はまだ、互いに側にいるだけの関係でいい。 今は、まだ。
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378 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/14(月) 00:27:45 ID:M3MFb8zj - 以上で終わりです。最後の方はグダグダでした
だいぶ自分で設定をつけくわえてしまって、正直すみませんでした 読んでくれた人がいたら、ありがとうございました このSSの犠牲を無駄にせず、これを礎として 多くのSS職人が、バレンタイン妄想を投下してくれることを祈ります
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- [希望ヶ峰]ダンガンロンパキャラ萌え総合[4日目]
384 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/14(月) 01:29:35 ID:M3MFb8zj - うわあああマジだ間違ってるううう うわあ消し去りたい…
いやあの、眠かったんだ きっと 許してください…教えてくれてありがとうございます
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- 【ダンガンロンパ】霧切響子の正体は俺の嫁Part2
811 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/14(月) 17:32:49 ID:M3MFb8zj - 乙乙!いいねいいねバレンタインネタ
俺の住んでる世界はそういうイベントないんだけどな
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- [希望ヶ峰]ダンガンロンパキャラ萌え総合[4日目]
389 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2011/02/14(月) 17:52:16 ID:M3MFb8zj - WDは 石丸は、不純異性交遊とか、戦刃の過去とかを気遣ってで中々手が出せなくて
結局焦らされた姉ちゃんが、顔真っ赤にしながら、自分からちゅーするところまで考えた
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