トップページ > 詩・ポエム > 2018年05月17日 > z2vcTu61

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名前はいらない
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813 :名前はいらない[sage]:2018/05/17(木) 02:43:28.51 ID:z2vcTu61
小井戸の万華鏡くぐったら
徒刑のワンダーランド
深いうみの 底の底に沈んだ
昔から其処にいたみたいでさみしくて
誰にでもなく少しだけ笑った
蜘蛛の糸のように煌々電話線がまっすぐ降りていて
繋がった貝殻のひとつに
わたしじっと耳を充てている

既に地形がワンダーランド
見える景色はあんまり自由で
誰かの落書きの方がずっとまともにみえる
必要悪のような不自由片手に
フォトジェニックな尾鰭を脱いで
抜け殻になった明日に
今日もあいにいこうよ
くしゃくしゃに丸まった髪をのばして
それが冷たいの中で揺らめく
ツーツートトと
聴こえるようで聴こえない海の聲

……同じだ、って
笑った
泣いて
いるのかもしれない

ただ寂しいにあいにきた
誰かの声を聴きたくてそれで
思い浮かぶのはやっぱりそうで
だから
トントンツツと諦観染みた救難信号
スカートが泳ぐ
お魚のめを掻い潜る
小井戸の万華鏡くぐったら
待っていたのは目眩
合っていたのは
picnic

静かなる panic
海月を枕に底に溶けて
同化するように想い出して
未だ耳を充ててる
上る人人のいない糸
繋がった煌めきのその
先の貝殻一つ一つ
牙城には蜜がかかって
ほわほわのパンケーキに沈んで
私はダメになる

もっとだめにしていいよって
思った頭を処刑

はじめのかたち
遊泳禁止の
桃源鏡
きみとあわせみる
かたちのかたち


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