トップページ > 詩・ポエム > 2017年04月23日 > OxZhgSV8

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299 :名前はいらない[sage]:2017/04/23(日) 02:30:29.35 ID:OxZhgSV8
白紙に殘るは汶だけ
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300 :名前はいらない[sage]:2017/04/23(日) 03:09:38.10 ID:OxZhgSV8
ティーカップを訪れるのは実は初めてではなかった。
スカートをたくし上げてもはしたなくならないようにドロワーズを穿いて。すぐ剥かれるのは理解していたけど頭の端に追いやって、不躾なカメラみたいに四角い顔した中年を睨みつけた。
そうして撮られた寫眞はどれも美しかった。痛ましい若さは腐っていく左腕から流れ落ちるミルクみたいで。
私はティーカップにいる時銀色の魚だった。俎板に乗せられるまでもなく小さな嬢王として君臨し游ぎ喘いだ。青も赤も黒も私のものだった。
喪われた城に香替わりの煙草を点して。吸い尽くしては踏み壊し。ニイハオ、上海's domestics & fuck.
嬢王は成長した私の中にも君臨し、正常な感覚を尚圧政している。spoon.fork.
knife.の光りのように燻り続けるうら苦(にが)しさ。紅茶が湯気を上げる。吐気のする程いい馨り。
──27.6℃の邂逅。
冷えた夜を懐しむために殺した数多の甘えた過去たちと角砂糖が溶け拡がってゆく。小さな咽の奥のように。
余りに前時代的と一蹴して、どの角度でならヒールで確実に瞳を踏み抜けるか頭の端で考える。死んでいる私は、死んだものを殺すために此処にいる。dollis in wonderland.
生まれ乍らに懐古される繭を温めるための匙。淡々と壊れてゆくことと正常に生きることの間にどんな差異があるというの。
或いは初めからならば問題にさえしようがない程、ティーカップは死んで尚依然ティーカップで、私でさえ死んで尚嬢王たる所以を喪えず私でい続けているというのに。
そうだ、この下らない哥をあの真面目顔の兎に贈ってあげよう。きっと目を白黒させて慌ててまた穴に堕ちるわ。
gift for fur. 可愛いあのこを卵と一緒に木に吊るしちゃおう。らん、らん、らん。
これなんの話だったかしら?紅茶が冷めてるわ。下らない。下らないわ。
らん、らん、らん。カップの中の鳥。溺れて死んだ。
ミルクみたいなドロワーズ。
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301 :名前はいらない[sage]:2017/04/23(日) 03:10:07.34 ID:OxZhgSV8
くらいね。
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302 :名前はいらない[sage]:2017/04/23(日) 03:14:29.31 ID:OxZhgSV8
そう呟いた私はフライ返しをお玉に持ち替えるくらいの軽さで上等のゴルフクラブを振り上げ、嬢王とカメラ男の上に振り下ろした。
肉と骨に重しの圧し入る感触と音。二秒後には脳が溢れるだろう。
赤と黒と。ああ、青を足すには何をしたらいいかな。
らん、らん、らん。
吐気がする程いい馨り。
いけない!紅茶を淹れなおさなくちゃ。


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