- 少しは歌謡曲の話でも【5時から男のララバイ】
515 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 06:13:57.01 ID:5QMg6ceD - >>513
基本的にツイーターの質感に左右されてる時点でアウト。 9割方はウーハーをケチってドライブ感を失う一方だし 結果としてボーカルのダイナミズムを失うことのほうが多い。 特に可聴域外に強いピークをもつツイーターは マスキング効果でノッペリした化粧美人しか再生しない。 70年代以前の歌謡曲はもっと生々しい声が秘められている。 小型2wayで無理に低音を伸ばし過ぎるのも、胸声をカットしない昔の録音ではダメで 元がドンシャリなのが判って辛いだけ。 全身で歌っているのが判らない装置で再生する歌謡曲は、印象も浅く飽きられやすい。 ツイーターの広帯域化&重低音の重視→ウーハーの駆動力低下→歌謡曲がつまらなくなる この悪循環は1980年代から続いて40年近くの年月で定着している。 手足が伸びただけで、ボディに強さがないと歌謡曲は迫力がでない。 進化しているようで、ボーカル再生は退化している。
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516 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 07:07:44.03 ID:5QMg6ceD - 可聴帯域で正確なピストニックモーションというのも眉唾で
ポップスのほとんどの録音は、そもそもそんなマイクで収録していない。 B&Kマイク(現DPA)で収録したデノンのクラシック録音を聴けば分かるが 音がスレンダー過ぎて、ほとんどのオーディオ機器では機器特有の癖がもろに出る。 これと逆なのがフィリップスの収録で、ほとんどスピーカーでは残響でモヤモヤする。 正確には、デノンとフィリップスの録音が共に自然に鳴るのが正解なのだが そういう評価をするとほとんどのスピーカーは落第点を喰らうので 他の演出タップリなサウンドのほうで、横並びに評価するのが普通だ。 歌謡曲の録音は、さらに演出過剰で 小音量でもチャームポイントが分かりやすくできてる。 これをフラットなスピーカーで音量を上げて聴くとどうなるか? 福笑いのようなことになることは必須だ。 なので、超高域でマスキングして化粧なおしするとか 低音の迫力が出て満足するとか、真正面から取り合わないことでお茶を濁す。 でもそれって邪道じゃない? 歌声はもっと個性があって面白いんだ。
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517 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 07:30:44.18 ID:5QMg6ceD - いくつか例をあげると
「ボーカルの定位がよく、ステージの奥行きまでよく判る」という文章をみて このスピーカーがツイーターのパルス音でボーカル域を牽引していると判断できる。 逆にいえば、地に足の着いたボーカルのパフォーマンスは再生できないし あらがうような声も出せない。 「ボーカルが滑らかで自然」という常套句も、良く聴いてない証拠で 歌手は別に声のきれいなことを褒めてもらいたくて歌ってるのではない。 こういうタイプは、R&BはおろかロックさえもAORみたいに聞き流す可能性が高い。 「元気がよくてポップス向き」というのも要注意で ポップスがただ楽天的な音楽だと勘違いしていることからきている。 そもそも批評の対象外にあってのことで、ラテン音楽の哀愁など理解できないだろうし 演歌やブルースの背後にある生活苦など、もっと聴けないと思う。
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518 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 07:45:55.37 ID:5QMg6ceD - こうしたボーカルの再生という課題を軽くみる傾向はオーディオ業界では当たり前で
歌手の個性をちゃんとコメントしたうえで、再生能力を評価することを怠っている。 多くは表書きのジャンル(ジャズ、ロック、ポップスetc)のもつ雰囲気に話を合わせてるだけで それらしく歌ってるように聞こえればOK。アイドル歌手だってもっと真剣に歌ってるぞ。
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519 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 10:00:12.06 ID:5QMg6ceD - 高級オーディオになるほど音が悪く聞こえるという逆転現象は
歌謡曲をはじめロックなどでは常識で、ボーカル域の再生能力を押さえずに それより外の事柄で性能を誇示しようとした結果だと思う。 結果として、オーディオマニアとレコードマニアの分裂を引き起こしている。 そういう分裂を起こす前に立ち戻ると、1950年代に設計された機材のほうが ボーカル再生に普遍性があり、どの時代のどのジャンルでもニュートラルに再生する。
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521 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 10:26:39.36 ID:5QMg6ceD - 大きな問題は、歌謡曲の歌手自身がオーディオにこだわってると判ると
ラジオやテレビのファンに、経済的な格差を押し付けることになると思って その話題を避けてきたこともあると思う。 それと並行して、スタジオモニターの存在が浮上し スタジオの音=原音という幻想まで生まれた。 1970〜80年代の日本製3wayモニター(嘘)は 音がアグレッシブすぎて歌謡曲に不適合だと思う。 実際には、Altec 604、JBL 4331、タンノイ SRMなどの2wayが中心で ソニー、ビクターでウェストレイクがスタジオごとの設計で入ってたくらい。 いずれにせよ、実際のスタジオモニターとは掛け離れていた。
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524 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 10:47:06.81 ID:5QMg6ceD - >>520
1980〜90年代のB&W、現在のフォーカル、時々KEF ttps://www.stereophile.com/content/bw-signature-800-loudspeaker-measurements ttps://www.stereophile.com/content/jmlab-mezzo-utopia-loudspeaker-measurements ttps://www.stereophile.com/content/kef-q900-loudspeaker-measurements この手のスピーカーは、スピーカーの周辺だけピンと張った緊張感が漂う。 古いリマスターの歌謡曲やロックのCDを掛けると、ザワザワしてデジタル臭い感じかな。 以前は、村田製作所がスーパーツイーターの効力について 可聴域外で反応の速いパルス波を先行させると 可聴域の音をマスキングして、音が滑らかになったように感じると説明してた。
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525 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 11:01:07.47 ID:5QMg6ceD - >>522
愛しのレイラで3本目のギターの音は聞こえなくていいんだよ。 音の厚みを増そうとわざとやってんだから。 いくらクリプトンだからって本番で何本も弾けないだろ? とは言ってみても、オーバーダブで違う調を重ねると気持ち悪いね。 フワラームーブメントの残り香だったんだろうな。
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526 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 12:45:33.33 ID:5QMg6ceD - あとマイクの性能が昔は良くなかったというのは間違いで
昔も今もほとんど変わってないというのが正解。 B&Kマイクで収録したオーケストラ録音で機器の癖が出やすいのは 伝統的に醸成してきたサウンドデザインから抜け出せないためで 逆にブルーノーツはサウンドステージとか定位感で誤魔化さずに収録したので 今でも鮮度が落ちずに聴ける録音になっている。 ノラ・ジョーンズのデビュー盤で昔日の貫録を出したかな。 ただし、ジャズエイジの女性ボーカルのようにアイデンティティを奪われるのが嫌で 元のアングラ活動のほうに戻っていったのも象徴的だと思う。 リバーブを掛けて山彦おじさんなんて言われた名エンジニアもいたけど そういうの入れたり、胸声をカットしたりで、ポップスは原音再生なんて程遠い。 自分も小型のライントランスで高次歪みを足したほうが楽しいと思う。 昔なら、カートリッジ、テープヘッドに当たり前に付随してた歪みも わざわざ足さないとサウンドが太く艶やかにならない。難しい時代だ。
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527 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 13:18:56.97 ID:5QMg6ceD - ウォール・オブ・サウンドの教祖たるフィル・スペクターも
ステレオ録音の重要なサウンド・デザインと見なされていたけど 「いや、本来はモノラルだったんだけど」と立派にカミングアウトしたのは ミキシングとアレンジの違いを明確にして、自分は後者だと主張したかったんだろう。 その後の60年代英米ロックシーンのモノラル熱はどうでも良いとして 私は1980年代前半までの歌謡曲はモノラル試聴が基本だと思っている。 時代毎の音場感の癖に追従できるオーディオセットはほぼ皆無だし 1980年代のスタジオでもオーラトーン1本でモノラル互換を担保してた。 それが無駄だと思うようになったのは、ウォークマンでステレオ試聴がメインになったからで けしてオーディオの進化がモノラルを排除したわけではない。 電車内での試聴に合わせラウドネスを強調したJ-POPサウンドが生まれたのは その後の歴史で明確になっていく。これじゃ1940年代のPA機器に先祖返りだと。
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528 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 13:55:22.16 ID:5QMg6ceD - ただ1950年代末のロカビリーの録音を聴くと
キンピカで羽を生やしたアメ車を思い浮かべるのは おそらく初めてHi-Fiに接した人の求める音の標準を示している。 単純には外耳の共振を強調した、耳に刺激のある音で この手のサウンドは刺激に慣れてしまうと、段々と鈍感になってしまう。 違うのは1950年代のティーンズは、高音の伸びないラジオや蓄音機で試聴してたのに 1990年代のティーンズは、より刺激の強いインナーイヤ型ヘッドホンで試聴してたこと。 その後の世代で起こるロックやソウルのような広がりまで展望できるか? そういう目線でもオーディオのデザインを考える必要があると思う。
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529 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 18:28:28.49 ID:5QMg6ceD - しかし1000万円あったら、もっと他にも可能性があろうものを。
かたや私は、Jensenの6千円のユニットを基本にポップス再生を再構築する。 何度も言うけど、これだって1960年前後のジュークボックスで実際に使われていた 立派なビンテージモデルだからね。それがギター小僧のお財布事情に合わせて 格安に復刻製造されている。こんなお得な話はないと思うんだ。
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530 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 19:57:18.85 ID:5QMg6ceD - Jensenの30cmクラスのギターアンプ用ユニットには色々あって
P12Nはコンサートシリーズの末裔で、元はA12という励磁型PAユニットがあり 大きい磁石と深いカーブのプレスコーンなど、この手では一番高い機種。 フェンダーのギターアンプで使われたが、ジャズバンドの簡易PAとしても使われた。 JBL D130もFの文字を冠してフェンダーにOEMしていた。 プロ用といえば、こちらの機種を指す。 P12Rはこれより安いスタンダードシリーズとして1947年から製造されたもので 紙を丸めて接着した浅いストレートコーンを、Nよりも1/4小さい磁石で駆動する。 では実際のところ、どういう風に使われたかというと 格安のシルバートーンのギターアンプ、ロック・オーラのジュークボックスなど むしろ庶民の身近なところで、どこででも聴かれたサウンドだった。 おそらくJesnen製ということを意識することなく、安くて使いやすいものという認識だろう。 ところがこっちのほうが本物だというフェイクなところが、ポップスの歴史の大きな転換点だ。 回顧というより、原点に近いところで、そのサウンドは浸透していた。
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531 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 20:27:54.09 ID:5QMg6ceD - Jensen P12Rをオーディオ的にみると
30cmという口径の割には低音は出ない、かといって高音も6kHzからロールオフする 典型的なSP盤時代の特性を基調にしている。 一方のサウンドの特徴は、リバーブのような豊富な倍音(高次歪み) 出音の瞬発力の速さなど、楽器的な特徴を多く備えている。 いわゆるHi-Fiの基本である、低歪みで広帯域というルールとは逆行している。 ところがこのP12Rは、その喰い付きの良さや荒れ具合など ポップスのツボにハマる要素を沢山備えている。 最初に60年代ロックから入り、50年代ブルース、ロカビリーと進むうちに このサウンドこそが、これまで見逃していたアメリカン・ポップスの原器だと 確信するようになった。これらのサウンドの変な癖はJensenが背負ってたのだ。 それもエレクトリック化されてから、相当長い時間を経ても癖は直らないままだ。 ここでアメリカン・ポップスの文脈で歌謡曲を聴き直してみると エンターテインメントの基本に触れる思いがする。 それは楽曲の鑑賞ではなく、パフォーマンスの再現という立場で 過去の録音を見直す機会を与えてくれた。 その血筋は、血液という成分の類似に留まらず、脈動して吹き出すようなもので 肉体の叫びをそのまま赤裸々に出す。だから荒れてもいるし、悶えもする。
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532 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/04/13(土) 21:05:27.38 ID:5QMg6ceD - もちろんJensen P12Rはエクステンデッドレンジなので単体では不十分で
3.5kHzクロスでツイーターを加えることで、ようやくHi-Fiに追いつく。 しかし、高音を足したところで、ボディの強健さは隠せるものではなく チャンデバでマルチ駆動すると、ステップ応答などで確認しても 抱き合わせているリボンツイーターとほぼ同着の素早い反応を示す。 2wayトータル: ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-2296.png Jensen C12R: ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-2705.png Fountek NeoCD2.0: ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-2816.png この喰い付きの速さを200Hzくらいまで保持しているのが 1940年代の業務用PA機器の底力でもある。 腰からスウィングして、全身で歌ってるという感覚は 気道を行き来するリズムまでしっかり刻まれていないと 単に低音が豊かというレベルでは出てこない。 パフォーマンスの再現とは、そういうことだ。
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