- 少しは歌謡曲の話でも【5時から男のララバイ】
206 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/02/16(土) 06:58:10.59 ID:lcJ508ob - >>204で20cm径のフルレンジについて紹介しているが
20cmフルレンジには名機が多く、いずれも個性的なサウンドをもっている。 WE 755A、アルテック 755E、Jensen P8P、エレボイ SP8B 独ジーメンス 6 Ruf.lsp.17e、独SABA グリーンコーン、英ローサー PM6A 日本だとパナソニックのゲンコツがあった。 現状だとフォステクス FE206En、FF225WKがあって どちらかというとスーパーツイーターを足して聴く人が多いだろう。 理由は、分割振動のレベルが抑えられているからで 英ローサー PM6A、JBL LE8Tと比べると違いがはっきりする。 1975年くらいを区切りに起こる新旧の録音品質の差と重なってくる。
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207 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/02/16(土) 07:21:32.13 ID:lcJ508ob - >>206のビンテージ品は半世紀以上前に製造されたものなので
劣化などを含めグレードが様々で、結構ハズレも多い。 自分の場合は、そうした散財に見切りをつけようと 新品で手に入るJensen C6Vで何とかガマンすることにしてる。 ギターアンプ用で、大体4千円前後で購入できる。 ttps://www.jensentone.com/vintage-ceramic/c6v これのアルニコ磁石は、古くは1947年から存在している。 ttp://www.alliedcatalogs.com/html/1947-112/h100.html これでも結構いい奴で、古いSP復刻でも難なく走破できる どちらかというとオフロード向きのタフな面をもっている。 1980年代の復刻盤だと高域をバッサリ切ったものが多かったが それを強力な分割振動で楽音を明瞭に縁取ってくれる。
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208 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/02/16(土) 07:35:38.96 ID:lcJ508ob - Jensen C6Vは正面特性は、強い中高域のピークがあり
これだとピーキーな音だと想像しがちだが これはモノラル時代に斜め横から試聴してフラットになるように トーンを整えているためだ。 正面: ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-19370.png 斜め45度: ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-18746.png こうした設計はグッドマンズのAxiom80などでも同じ傾向がみられる。 これの分割振動がどれほどかというと以下の通り。 パルス応答: ttp://cent20audio.html.xdomain.jp/wps_clip_image-18861.png これもエレキギターのような強力な歪みを想像しそうだが 楽音に連動した倍音なので、イコライザーで持ち上げるよりずっと上品な音になる。 上品だというのは、イコライザーだとノイズも一緒になってザワザワした感じになるが 分割振動は楽音に伴うパルス波だけを拾いあげるので 普通にHi-Fiなスピーカーに比べてもクリアな感じになる。
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209 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/02/16(土) 08:01:31.39 ID:lcJ508ob - この手の分割振動を積極的に使ったサウンドは
ラジオやテレビではお馴染みのもので、昔の楕円スピーカーはその代表だ。 1967年の長岡鉄男のコラムでは、安いステレオのマルチウェイよりも テレビに付属しているスピーカーのほうが正常な音をしていると論戦を張って その証拠にアナウンサーの声が、ステレオだと胸声の強い不自然な音 テレビは隣の部屋で聴いても肉声と勘違いすると言っている。 それに加え、放送録音はイコライザーやエコーであまり音をいじらない アンプも五極管をジャリジャリ鳴らすのが良いとした。 もともと反骨の人なので、音楽の友に連載していた当時のコラムは 「モノーラル再評価」だとか、「団地ステレオ論」だとか ステレオ初心者が躓く内容を斜めからぶった切るようなものが多かった。 実践的な姿勢は、1970年代のFMfan時代にも引き継がれる。
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210 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/02/16(土) 08:17:08.14 ID:lcJ508ob - 一方で、分割振動の多い安物フルレンジの欠点は
ヴァイオリンやトランペットのように、楽器そのものの高次倍音の多い場合で およそ実際の音とは掛け離れたピーキーな音になる。 このため、クラシックやジャズのファンからは見放される結果になったが ポップスの場合はどうだろうか? さらに歌モノ中心の歌謡曲なら? この点が評価の分岐点であり、オーディオ発展史が逆転するのだ。 効果的な低音、効果的な高次歪み、これらの「効果的」は 小出力で聴くラジオ、テレビの視聴者に向けて出されたメッセージである。
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211 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/02/16(土) 08:35:13.05 ID:lcJ508ob - 16cmのC6Vは卓上ラジオや電蓄のスタンダードな音だが
当時のペナペナのコーン紙に比べると、かなりしっかりと音量をだせる。 ナローレンジなままで大音量を出すと、グッとラウドな感じが増してくる。 最近になって気付いたのだけど 新しいリマスタリングのうち、デジタルリバーブを掛けたものは この手のスピーカーだと急激に音がくもってしまうことだ。 理由はパルス波の帯域を超高域に振り分けたためで 古いタイプのフルレンジは、この帯域が出ない。 高域を切った古い復刻盤のほうが高域がクリアに聞こえる 逆転現象がみられる。 購買層に恵まれた新しいリマスター盤は リボンツイーター付きの12インチ・エクステンデッドレンジに任せ より多くの楽曲を手広く聴きたいときは6インチのフルレンジ。 1960年代後半で重なり合う拡声器のタイプを使いわける。
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212 :名無しさん@お腹いっぱい。[sage]:2019/02/16(土) 09:09:46.47 ID:lcJ508ob - 1970年代に増えてくる演歌歌手のリサイタル盤だが
よく言われるのは、テレビ音声なみの収録音という評価だ。 舞台のプロモートそのものがテレビのものと遜色ないのと 会場ノイズ、オケ伴との音被りなど、様々な制限があるので 実際の帯域は100Hz以下、10kHz以上はバッサリと切られている。 なおかつトランジスター時代なので、元テープの倍音成分は グローに沈んだ感じである。 これが新しいHi-Fi機器だと、超高域のパルス成分がないと ステレオの音場感や定位感をコントロールできないので 帯域もサウンドステージも狭い、ローファイな音に様変わりする。 逆に古い高次倍音バリバリのシステムで聴くと 天井の高い澄んだ音になるのだから不思議だ。 昔なら、ラジカセ、テレビで、どこでも聞けたサウンドだったが 今ではそのどちらも、かつての輝きはない。 こうした放送録音の規格でも、充実した音の出せるのが Jensen C6Vのような古い設計のスピーカーだ。 サンスイトランスST-17A、ECL82アンプなど組み合わせれば さらに倍音が蜜のようにしたたり落ちる。
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